ただいま開催中の「ジョナス・メカスとその時代」展では、毎日日替わりで映像作品を上映しています。
観客は毎日一人から数人ですが、昨夜上映した「営倉(The Brig）」はヴェネツィア映画祭ドキュメンタリー部門最優秀賞を受賞した作品ということもあり、10人近いお客様でした。
いつもは居眠りしている亭主ですが、海軍の連隊の牢獄での残酷な一日の間を描いたケネス・ブラウンのリビング・シアター舞台公演を記録した映像なので、最初から最後まで目を離せませんでした。まだまだ日替わりで上映は続きます。
メカスさんの91歳のお誕生日をお祝いする気持ちで企画した展覧会ですが、メカスさんからは「ジョナス・メカスとその時代」というタイトルに相応しい新作群が送られてきました。
10点の新作に登場するのは12人。
いずれも映像文化に大きな役割を果たした人々です。
作品とともに、登場人物の簡単なご紹介をします。
出品番号l.
Stan Brakhage and Peter Kubelka, Central Park, New York, 1975
1971 (Printed in 2013)
Archival inkjet prints
Image size: 34.0×23.2cm
Sheet size: 39.8×29.9cm
Ed.7
Signed
■スタン・ブラッケージ Stan Brakhage（1933～2003）
アメリカ人ノンナラティブ映像作家で、20世紀における実験映像において最も重要と言われる人物の一人。50年のキャリアの間に、膨大かつ多岐に渡る作品を制作した。誕生、死、性、無垢などをテーマにした作品が多い。
■ペーター・クーベルカ Peter Kubelka（1934～）
オーストリア人実験映像作家。料理研究家としても有名。1964年、オーストリア･フィルム･ミュージアム創設メンバーの一人。1970年､ジョナス･メカスと共にアンソロジー･フィルム･アーカイヴ(Anthology Film Archives, NY)を開設。戦後の実験映画の先駆者として大きな影響を幾多もの作家に与えた。そうした存在故、彼に関わる著作は多い。
出品番号2.
Kenneth Anger and Sally Dixon, April 20, 1973
1973 (Printed in 2013)
Archival inkjet prints
Image size: 34.0×23.0cm
Sheet size: 39.8×29.9cm
Ed.7
Signed
■ケネス・アンガー Kenneth Anger（1927～）
アメリカ人実験映像作家。自身の作品に主演するなど役者としても活動。作品は精神世界を投影した難解なものが多く、カルト映画、アンダーグラウンド映画として紹介されることも少なくない。作品内容は本人が深く傾倒する神秘主義、悪魔主義がテーマとなっていることが多い。同性愛者としても知られ、処女作『花火』では同性への激しい性衝動を描き、わいせつ容疑で逮捕された。
■サリー・ディクソン Sally Dixon
1960年代以来、スタン・ブラッカージュをはじめとする多くの映像作家と親交を持つ前衛映画専門のキュレーター。
出品番号3.
Nick Ray, Spring Street, New York. 1978
1978 (Printed in 2013)
Archival inkjet prints
Image size: 34.0×22.8cm
Sheet size: 39.8×29.1cm
Ed.7
Signed
■ニコラス・レイ Nicholas（Nick） Ray（1911～1979）
アメリカ人映画監督。1950年代アメリカ映画の隠れた巨匠であり、ヌーヴェルヴァーグの作家たちから尊敬を受けた監督として知られる。代表作はジェームス・ディーン主演の「理由なき反抗」。
出品番号4.
Roberto Rossellini, Central Park, New York, June 2, 1971
1971 (Printed in 2013)
Archival inkjet prints
Image size: 34.0×22.2cm
Sheet size: 39.8×29.1cm
Ed.7
Signed
■ロベルト・ロッセリーニ Roberto Rossellini（1906～1977）
イタリア人映画監督。イタリア映画界でのネオレアリズモ運動の先駆的な人物の一人である。代表作は『無防備都市』、『戦火のかなた』、『ドイツ零年』、『ストロンボリ、神の土地』、『神の道化師、フランチェスコ』、『ヨーロッパ一九五一年』、『イタリア旅行』などがある。『無防備都市』ではカンヌ国際映画祭でパルム・ドールを受賞した。
出品番号5.
Harry Smith, 1980
1980 (Printed in 2013)
Archival inkjet prints
Image size: 34.0×23.1cm
Sheet size: 39.8×29.1cm
Ed.7
Signed
■ハリー・スミス Harry Everett Smith （1923～1991）
画家、詩人、音楽評論家、音楽プロデューサーとしてアメリカで活動。その一方で、多彩な趣味や才能を有しており、人類学者、言語学者、音楽学者、オカルト系歴史家、哲学者として様々な分野で活躍。趣味でレコードや絵本、アルメニアのイースター・エッグの収集、さらに奇術といったものがあり、それらの分野でも第一人者である。1952年、アメリカフォーク音楽のコンピレーションである「Anthology of American Folk Music」を発表。後のフォークブームに大きな影響を与えたとされる。
出品番号6.
Bruce Conner, 1972
1972 (Printed in 2013)
Archival inkjet prints
Image size: 34.0×23.2cm
Sheet size: 39.8×29.1cm
Ed.7
Signed
■ブルース・コナー Bruce Conner（1933～2008）
アメリカ人アーティスト。集合体、映像、ドローイング、彫刻、絵画、コラージュ、写真など、多岐に渡る作品を発表。映像作家としての代表作は処女作でもある"A MOVIE (1957)"。
出品番号7.
Barbara Rubin, 1963
1963 (Printed in 2013)
Archival inkjet prints
Image size: 34.0×23.2cm
Sheet size: 39.8×29.1cm
Ed.7
Signed
■バーバラ・ルービン Barbara Rubin（1945～1980）
アメリカ人女流映画制作者。メカスが他の作家たちと起こしたThe Film-Makers' Cooperativeに所属し、当時のN.Yアンダーグラウンドシーンの活性に貢献した。
出品番号8.
Pier Paolo Pasolini, Rome, 1967
1967 (Printed in 2013)
Archival inkjet prints
Image size: 34.0×22.4cm
Sheet size: 39.8×29.1cm
Ed.7
Signed
■ピエル・パオロ・パゾリーニ Pier Paolo Pasolini（1922～1975）
イタリア人映画監督、小説家、詩人。ユーロコミュニズムの代表的存在として積極的な政治活動も行った。作品は一般に難解とされ、特に初期の作品は複雑な台詞と暗示や比喩に満ちている。
1961年に「乞食」で監督デビュー。「アポロンの地獄」、「テオレマ」、「豚小屋」、「アラビアン・ナイト」など強烈な描写を含む問題作を連発した。「ピエル・パオロ・パゾリーニ／ソドムの市」を撮った直後、その作品にエキストラで出演していた17歳の少年に撲殺されたが真相は不明。
出品番号9.
Sam Fuller, 1977
1977 (Printed in 2013)
Archival inkjet prints
Image size: 34.0×22.8cm
Sheet size: 39.8×29.1cm
Ed.7
Signed
■サミュエル・フラー Samuel（Sam） Fuller（1912～1997）
アメリカ人映画監督。1949年にわずか10日間で撮影が終了したという『地獄の挑戦』で監督デビュー。自らの裏社会での経験、戦争中の困難な体験、そして米国南部での人種差別への取材などから、独特のエキセントリックな作風を生み出している。ほとんどの作品が独立プロダクションの中で低予算で早撮りで作られた。アメリカではB級映画監督と見なされていたが、フランスなどでは高く評価され、後に米国本土でも再評価された。 晩年は、製作の本拠地をヨーロッパに移し、時にはヴィム・ヴェンダースやアキ・カウリスマキの作品などにゲスト出演した。
出品番号10.
Shirley Clarke, June 12, 1971
1971 (Printed in 2013)
Archival inkjet prints
Image size: 34.0×23.0cm
Sheet size: 39.8×29.1cm
Ed.7
Signed
■シャーリー・クラーク Shirley Clarke（1919～1997）
アメリカ人女流映画制作者。1955年にメカスも所属していたIndependent Filmmakers of Americaの一員となる。元々はダンスの振付師として働いていたが、成功していたとは言えず、精神病医に違う分野に興味を広げることを勧められて映像製作の世界に踏み入った。処女作"Dance in the Sun (1953)"がThe New York Dance Film Societyのベストダンスフィルムオブザイヤーを獲得したことを皮切りに、様々な賞を受賞していった。
◆ときの忘れものは2013年12月18日[水]―12月28日[土]クリスマスに91歳を迎えるジョナス・メカスさんの新作を中心に「ジョナス・メカスとその時代」展を開催しています。
会期中、メカスの映像作品を毎日18時より（26日のみ17時から）上映します。
映像はＤＶＤからプロジェクターを使っての上映です。
入場無料、予約は必要ありませんが、メカスさんのフィルムアーカイブへの支援カンパ箱を用意しますので、ご協力ください。
観客は毎日一人から数人ですが、昨夜上映した「営倉(The Brig）」はヴェネツィア映画祭ドキュメンタリー部門最優秀賞を受賞した作品ということもあり、10人近いお客様でした。
いつもは居眠りしている亭主ですが、海軍の連隊の牢獄での残酷な一日の間を描いたケネス・ブラウンのリビング・シアター舞台公演を記録した映像なので、最初から最後まで目を離せませんでした。まだまだ日替わりで上映は続きます。
メカスさんの91歳のお誕生日をお祝いする気持ちで企画した展覧会ですが、メカスさんからは「ジョナス・メカスとその時代」というタイトルに相応しい新作群が送られてきました。
10点の新作に登場するのは12人。
いずれも映像文化に大きな役割を果たした人々です。
作品とともに、登場人物の簡単なご紹介をします。
出品番号l.
Stan Brakhage and Peter Kubelka, Central Park, New York, 1975
1971 (Printed in 2013)Archival inkjet prints
Image size: 34.0×23.2cm
Sheet size: 39.8×29.9cm
Ed.7
Signed
■スタン・ブラッケージ Stan Brakhage（1933～2003）
アメリカ人ノンナラティブ映像作家で、20世紀における実験映像において最も重要と言われる人物の一人。50年のキャリアの間に、膨大かつ多岐に渡る作品を制作した。誕生、死、性、無垢などをテーマにした作品が多い。
■ペーター・クーベルカ Peter Kubelka（1934～）
オーストリア人実験映像作家。料理研究家としても有名。1964年、オーストリア･フィルム･ミュージアム創設メンバーの一人。1970年､ジョナス･メカスと共にアンソロジー･フィルム･アーカイヴ(Anthology Film Archives, NY)を開設。戦後の実験映画の先駆者として大きな影響を幾多もの作家に与えた。そうした存在故、彼に関わる著作は多い。
出品番号2.
Kenneth Anger and Sally Dixon, April 20, 1973
1973 (Printed in 2013)Archival inkjet prints
Image size: 34.0×23.0cm
Sheet size: 39.8×29.9cm
Ed.7
Signed
■ケネス・アンガー Kenneth Anger（1927～）
アメリカ人実験映像作家。自身の作品に主演するなど役者としても活動。作品は精神世界を投影した難解なものが多く、カルト映画、アンダーグラウンド映画として紹介されることも少なくない。作品内容は本人が深く傾倒する神秘主義、悪魔主義がテーマとなっていることが多い。同性愛者としても知られ、処女作『花火』では同性への激しい性衝動を描き、わいせつ容疑で逮捕された。
■サリー・ディクソン Sally Dixon
1960年代以来、スタン・ブラッカージュをはじめとする多くの映像作家と親交を持つ前衛映画専門のキュレーター。
出品番号3.
Nick Ray, Spring Street, New York. 1978
1978 (Printed in 2013)Archival inkjet prints
Image size: 34.0×22.8cm
Sheet size: 39.8×29.1cm
Ed.7
Signed
■ニコラス・レイ Nicholas（Nick） Ray（1911～1979）
アメリカ人映画監督。1950年代アメリカ映画の隠れた巨匠であり、ヌーヴェルヴァーグの作家たちから尊敬を受けた監督として知られる。代表作はジェームス・ディーン主演の「理由なき反抗」。
出品番号4.
Roberto Rossellini, Central Park, New York, June 2, 1971
1971 (Printed in 2013)Archival inkjet prints
Image size: 34.0×22.2cm
Sheet size: 39.8×29.1cm
Ed.7
Signed
■ロベルト・ロッセリーニ Roberto Rossellini（1906～1977）
イタリア人映画監督。イタリア映画界でのネオレアリズモ運動の先駆的な人物の一人である。代表作は『無防備都市』、『戦火のかなた』、『ドイツ零年』、『ストロンボリ、神の土地』、『神の道化師、フランチェスコ』、『ヨーロッパ一九五一年』、『イタリア旅行』などがある。『無防備都市』ではカンヌ国際映画祭でパルム・ドールを受賞した。
出品番号5.
Harry Smith, 1980
1980 (Printed in 2013)Archival inkjet prints
Image size: 34.0×23.1cm
Sheet size: 39.8×29.1cm
Ed.7
Signed
■ハリー・スミス Harry Everett Smith （1923～1991）
画家、詩人、音楽評論家、音楽プロデューサーとしてアメリカで活動。その一方で、多彩な趣味や才能を有しており、人類学者、言語学者、音楽学者、オカルト系歴史家、哲学者として様々な分野で活躍。趣味でレコードや絵本、アルメニアのイースター・エッグの収集、さらに奇術といったものがあり、それらの分野でも第一人者である。1952年、アメリカフォーク音楽のコンピレーションである「Anthology of American Folk Music」を発表。後のフォークブームに大きな影響を与えたとされる。
出品番号6.
Bruce Conner, 1972
1972 (Printed in 2013)Archival inkjet prints
Image size: 34.0×23.2cm
Sheet size: 39.8×29.1cm
Ed.7
Signed
■ブルース・コナー Bruce Conner（1933～2008）
アメリカ人アーティスト。集合体、映像、ドローイング、彫刻、絵画、コラージュ、写真など、多岐に渡る作品を発表。映像作家としての代表作は処女作でもある"A MOVIE (1957)"。
出品番号7.
Barbara Rubin, 1963
1963 (Printed in 2013)Archival inkjet prints
Image size: 34.0×23.2cm
Sheet size: 39.8×29.1cm
Ed.7
Signed
■バーバラ・ルービン Barbara Rubin（1945～1980）
アメリカ人女流映画制作者。メカスが他の作家たちと起こしたThe Film-Makers' Cooperativeに所属し、当時のN.Yアンダーグラウンドシーンの活性に貢献した。
出品番号8.
Pier Paolo Pasolini, Rome, 1967
1967 (Printed in 2013)Archival inkjet prints
Image size: 34.0×22.4cm
Sheet size: 39.8×29.1cm
Ed.7
Signed
■ピエル・パオロ・パゾリーニ Pier Paolo Pasolini（1922～1975）
イタリア人映画監督、小説家、詩人。ユーロコミュニズムの代表的存在として積極的な政治活動も行った。作品は一般に難解とされ、特に初期の作品は複雑な台詞と暗示や比喩に満ちている。
1961年に「乞食」で監督デビュー。「アポロンの地獄」、「テオレマ」、「豚小屋」、「アラビアン・ナイト」など強烈な描写を含む問題作を連発した。「ピエル・パオロ・パゾリーニ／ソドムの市」を撮った直後、その作品にエキストラで出演していた17歳の少年に撲殺されたが真相は不明。
出品番号9.
Sam Fuller, 1977
1977 (Printed in 2013)Archival inkjet prints
Image size: 34.0×22.8cm
Sheet size: 39.8×29.1cm
Ed.7
Signed
■サミュエル・フラー Samuel（Sam） Fuller（1912～1997）
アメリカ人映画監督。1949年にわずか10日間で撮影が終了したという『地獄の挑戦』で監督デビュー。自らの裏社会での経験、戦争中の困難な体験、そして米国南部での人種差別への取材などから、独特のエキセントリックな作風を生み出している。ほとんどの作品が独立プロダクションの中で低予算で早撮りで作られた。アメリカではB級映画監督と見なされていたが、フランスなどでは高く評価され、後に米国本土でも再評価された。 晩年は、製作の本拠地をヨーロッパに移し、時にはヴィム・ヴェンダースやアキ・カウリスマキの作品などにゲスト出演した。
出品番号10.
Shirley Clarke, June 12, 1971
1971 (Printed in 2013)Archival inkjet prints
Image size: 34.0×23.0cm
Sheet size: 39.8×29.1cm
Ed.7
Signed
■シャーリー・クラーク Shirley Clarke（1919～1997）
アメリカ人女流映画制作者。1955年にメカスも所属していたIndependent Filmmakers of Americaの一員となる。元々はダンスの振付師として働いていたが、成功していたとは言えず、精神病医に違う分野に興味を広げることを勧められて映像製作の世界に踏み入った。処女作"Dance in the Sun (1953)"がThe New York Dance Film Societyのベストダンスフィルムオブザイヤーを獲得したことを皮切りに、様々な賞を受賞していった。
◆ときの忘れものは2013年12月18日[水]―12月28日[土]クリスマスに91歳を迎えるジョナス・メカスさんの新作を中心に「ジョナス・メカスとその時代」展を開催しています。
会期中、メカスの映像作品を毎日18時より（26日のみ17時から）上映します。
映像はＤＶＤからプロジェクターを使っての上映です。
入場無料、予約は必要ありませんが、メカスさんのフィルムアーカイブへの支援カンパ箱を用意しますので、ご協力ください。
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