ときの忘れものの次回企画は「百瀬恒彦写真展―無色有情」です。
会期=2014年4月2日[水]―4月11日[土] 12:00-19:00 ※会期中無休
企画=荒川陽子(アラカワアートオフィス)
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百瀬恒彦は、1947年長野県に生まれ、武蔵野美術大学商業デザイン科を卒業。在学中から現在に至るまで世界各地を旅行し、風景でありながら人間、生活に重きを置いた写真を撮り続けています。
これまでにマザー・テレサなど各界著名人の肖像写真や「刺青」をテーマに撮り、和紙にモノクロプリントして日本画の顔料で着彩した作品を制作するなど、独自の写真表現の世界を追及、展開してまいりました。
今回発表するのは、1990年に百瀬がモロッコを旅し、城壁の街フェズで撮ったモノクロ写真をバライタプリントした約20点の作品です。それらの写真10点をセットにしたポートフォリオ『無色有情』(限定部数12部)を刊行します。
ポートフォリオの詳細はこちらをご参照ください。
古都フェズの旧市街は城壁に囲まれ、街には何百年も前からの生活が残っていました。そしてその街並や光、音、匂いのすべてが百瀬を強く惹きつけたのでした。「フェズの光景にピンとくるものがあった。それまでいろんな旅行をして異文化を見せてもらっていたんだけれど、その少し前からかな、世界じゅうが画一化されていくなかで何百年前からの生活が残っていた。それもいつなくなるかわからないと思って、記録のつもりで写真を撮った」
デジタルカメラが主流となっている現代、あえて昔と同じように暗室で印画紙にモノクロフィルムを焼きつける究極の手作業を行い百瀬が伝えようとしているのは、変わりゆく時代と風景の中で残すべき何か、残したい何か、残っているはずの大切な何か。
砂漠のまん中に超高層ビルが建ち並ぶ今、百瀬が選んだのは、城壁に守られたあの街のあの時。地球グローバル化という渦の勢いは止まりませんが、風景と人間の営みの中に流れ、20数年たった今もきっと変わらずそこにあるものを、写真を通して感じ思い出していただけることと思います。

●ポートフォリオ『無色有情』予約受付中
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百瀬恒彦ポートフォリオ『無色有情』
限定12部(1/12~12/12)
・たとう箱入オリジナルプリント10点組
・各作品に限定番号と作家直筆サイン入り
テキスト:谷川俊太郎/百瀬恒彦
技法:ゼラチンシルバープリント
用紙:バライタ紙
撮影:1990年
シートサイズ:203×254mm(六つ切り)

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予約特別価格250,000円
締切:2014年3月31日

●イベントのご案内
4月4日(金)18時より百瀬恒彦さんと森友嵐士さんによるギャラリートークを開催します。
※要予約(会費1,000円)
参加申込は、お名前・ご住所・電話番号・メールアドレスを明記のうえ、こちらまでお申込みください。


百瀬恒彦 Tsunehiko MOMOSE(1947-)
1947年長野県生まれ。武蔵野美術大学商業デザイン科卒。在学中から、数年間にわたってヨーロッパや中近東、アメリカ大陸を旅行。卒業後、フリーランスの写真家として個人で世界各地を旅行、風景より人間、生活に重きを置いた写真を撮り続ける。1991年・東京「青山フォト・ギャラリー」にて、写真展『無色有情』を開催。モロッコの古都フェズの人間像をモノクロで撮った写真展 。タイトルの『無色有情』は、一緒にモロッコを旅した詩人・谷川俊太郎氏がつける。1993年・紀伊国屋書店より詩・写真集『子どもの肖像』出版(共著・谷川俊太郎)。
作品として、モノクロのプリントで独創的な世界を追及、「和紙」にモノクロプリントする作品作りに取り組む。この頃のテーマとして「入れ墨」を数年がかりで撮影。1994年11月・フランス、パリ「ギャラリー・クキ」にて、写真展『TATOUAGES-PORTRAITS』を開催。入れ墨のモノクロ写真を和紙にプリント、日本画の技法で着色。1995年2月、インド・カルカッタでマザー・テレサを撮影。以降国内外を問わず多数の写真展を開催。

■ときの忘れものは2014年3月12日[水]―3月29日[土]「瀧口修造展 II」開催しています(※会期中無休)。
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今回は「瀧口修造展 Ⅰ」では展示しなかったデカルコマニー30点をご覧いただきます。

●出品作品を順次ご紹介します。
064瀧口修造
《Ⅱ-25》
デカルコマニー、紙
Image size: 18.5x14.8cm
Sheet size: 26.4x19.1cm

080瀧口修造
《Ⅱ-26》
デカルコマニー、紙
※Ⅱ-27と対
Image size: 14.0x10.0cm
Sheet size: 19.2x13.2cm

081瀧口修造
《Ⅱ-27》
デカルコマニー、紙
※Ⅱ-26と対
Image size: 13.5x10.5cm
Sheet size: 18.4x12.3cm

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このブログでは関係する記事やテキストを「瀧口修造の世界」として紹介します。土渕信彦のエッセイ「瀧口修造の箱舟」と合わせてお読みください。

カタログのご案内
表紙『瀧口修造展 I』図録
2013年
ときの忘れもの 発行
図版:44点
英文併記
21.5x15.2cm
ハードカバー
76ページ
執筆:土渕信彦「瀧口修造―人と作品」
再録:瀧口修造「私も描く」「手が先き、先きが手」
価格:2,100円(税込)
※送料別途250円(お申し込みはコチラへ)
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本日のウォーホル語録

「あなたは、あなたのもっとも親しい人と、もっとも親密で、もっとも独占的なメディア――すなわち、電話で、接触すべきだ。
―アンディ・ウォーホル」


ときの忘れものでは4月19日~5月6日の会期で「わが友ウォーホル」展を開催しますが、それに向けて、1988年に全国を巡回した『ポップ・アートの神話 アンディ・ウォーホル展』図録から“ウォーホル語録”をご紹介して行きます。
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