久しぶりに渋谷の駅をおりる。
ハチ公前の交差点を横断し、センター街に入ると、若者たちの凄い人波、猛暑とひといきれで不快指数100%。
「この暑いのに、いったいどこに行くのよ!」
社長の不機嫌が頂点に達した頃、たどり着いたビルの二階のドアを開けると、30年前とかわらぬ静寂な空間が迎えてくれました。
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センター街のど真ん中、通りには若者たちがあふれているのに、誰も上がってこない。
あんまり客が少ないのも心配ですね(笑)。

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ワゴン・リ
鉄道ファンならオリエント急行で知られるワゴン・リ社を思い出すでしょう。
「昔、渋谷に住んでた頃、来たじゃない」と言ったら社長は「それ私じゃない!」とさらにオカンムリ。

槇文彦先生の建築の家具などで知られる藤江和子さんが作品集を贈ってきてくれたので、ふと思いついて「今夜の食事は渋谷で」と社長を誘った次第です。
30年ほど前、「和子さんが渋谷のバーのインテリアを手がけたんだ」と教えてくれたのは植田実先生でした。
その頃、藤江三兄弟(兄の秀一さんが磯崎アトリエのチーフ、真ん中の和子さんが家具のデザイン、妹の民さんが画家)はそれぞれの分野で目覚しい活躍を始めていました。
京都国立近代美術館(槇文彦設計)の最上階のベンチは今までの常識を覆す画期的なデザインでした。
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さっきまでの不機嫌はどこへやら。おいしいワインと料理にすっかりご満足の社長。

藤江和子作品集 表紙藤江和子作品集『Fujie Kazuko Works 1997-2015』
2015年 藤江和子アトリエ 発行

1997年ギャラリー・間で開催した展覧会以降から現在進行中の最新作を含む158のプロジェクトをほぼ時系列にそって収録した素晴らしい作品集です。
藤江和子作品集 中

いくつか藤江さんが手がけた家具設計をあげれば、リアスアーク美術館テレビ朝日島根県立古代出雲歴史博物館多摩美術大学図書館清里フォトアートミュージアム、などなど。
きっと皆さんも知らずに藤江さんのデザインした椅子に座ったことがあるはず。

ぜひ渋谷にお出かけのおりには、ワゴン・リの椅子とテーブルを楽しんでください。もちろんお料理も。

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2013年12月7日
宮脇愛子新作展2013」レセプションにて
宮脇愛子先生(左)と藤江和子さん

●今日のお勧めは磯崎新の銅版手彩色です。
第4信より挿画12_A磯崎新〈栖 十二〉第四信より《挿画12
アンドレア・パッラディオ[ラ・マルコンテンタ(ヴィッラ・フォースカリ)] 1559-60年 ヴェネツィア西郊

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●夏季休廊のお知らせ
2015年8月16日(日)~8月24日(月)はギャラリーをお休みいたします。