「いとしの国ブータン紀行」第2回

アートフル勝山の会 荒井由泰

はじめてのブータンへの旅

今回夢が叶い、8月18日から一週間という限られた時間ではあったが、プライベートでブータンを訪ねることができた。旅の報告の前にブータンについて詳しくない方も多いと思うので基本情報をお伝えしたい。

○基本情報:
ブータンは北は中国、東西南はインドの大国に囲まれた小国で、人口は70万余、国土は九州ぐらいの大きさである。南部の標高は100メートル、北は7000メートル級の山々がつらなるヒマラヤ山脈と変化に富んだ地形からなる。チベット仏教が国教で、2008年に王国から立憲君主制に移行した。現在の国王は5代目のワンチュク国王である。日本と同じく、アジアにおいて植民地化を経験していない数少ない国の一つでもある。ブータンと言えば「幸福の国」とのイメージが強いと思う。4代国王のときにGDPという経済指標でなくGNH(国民総幸福量)を国の運営方針にするとの考え方を世界に発信された。当時はGNHという発想に対する共感は少なかったが、現在ではユネスコでも評価され、日本においても関心が高い。

今回8月17日に日本を発ち、18日から24日までの7日間、西ブータンの旅を楽しんだ。いとこから「ブータン旅行でキャンセルがあるので行かない」との声があり、急きょブータン行きが決まった。空港のあるパロから旅がはじまり、首都ティンプーそして古都プナカそしてパロに戻る旅であった。ブータンに行くにはタイのバンコク経由が一番ポピュラーのようだ。17日の夕刻に成田空港を出発し、バンコクに深夜に到着、翌日は早朝の便ということもあり、空港の近くのホテルでは仮眠程度で、ふたたび空港へ。そしてブータンのドルックエアにてブータンのパロへ向かった。トランジットでインドのコルカタ(カルカッタ)経由して、ようやく空港のあるパロ(標高2300メートル)に到着である。パロ空港は山間の狭い場所にあり、パイロットにとって難度の高い空港とのことだ。空港にはガイドそしてマイクロバスが待機しており、歓迎の白い布が皆さんに渡された。実は今回飛び込みで参加したツアーは48人の大所帯ということもあり、4台のマイクロバスに12名ずつ分乗して旅することになる。このツアーについては追ってお話しすることにして、各マイクロバスには1名のガイドとドライバーが同行し、一緒に全行程を旅するスタイルだ。
ブータンの第一印象は「時間がゆっくり流れている」また、「日本人と似たブータン人の優しい笑顔、稲作の水田、山々の景色、ブータン独特の民家、民族衣装・・・なにか懐かしい風景がひろがっている」「私のふるさと福井県勝山市と似ている」・・かつて浜野氏から聞いた風景や暮らしが今なお、残っていると安堵するとともに違和感なくブータンに入り込んだ。

IMG_3719ブータンの風景


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(あらいよしやす

●臨時ニュース
会期間際のご案内になってしまいましたが、frgmの皆さんによる「ルリユール 書物への偏愛」でもお馴染みのルリュール(製本工芸)のワークショップが開催されます。
ルリユール2_600ルリユール1_600

日時:2015年11月23日(月、祝日) 
第一回:11時~13時  第二回:14時~16時 各回6名
参加費:3,000円(要予約)
会場:神楽坂+(プリュス) http://www.kagurazakaplus.ocnk.me
お申し込み:http://reliure.petit.cc

●今日のお勧め作品は、若林奮です。
20151119_012UNDERWOOD-9若林奮
「UNDERWOOD-9」
1989年
リトグラフ
100.0x75.5cm
Ed.30
サインあり


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※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください

神奈川県立近代美術館・葉山館にて「若林奮 飛葉と振動」展が開催されています。
会期:2015年8月15日(土)-12月23日(水・祝)

◆荒井由泰のエッセイ「いとしの国ブータン紀行」は毎月19日の更新です。