駅では年末ジャンボ、郵便局では年賀状の売り出し。
宝くじは買ったけれど、年賀状はまだ。
いつも早めに準備しなければと思いながら、ずるずると遅れて、結局年末ぎりぎりになって大慌てで年賀状の文面を考える。今年もあわただしい日々になりそうです。

それにしても喪中はがきの数が年々増えてくるのは複雑な気持ちです。
歳を考えれば当然のことなのですが・・・いつ自分たちが出すことになるのやら・・・・

40年間、私どもから作品を買い続けてくださるお客さまが何人かいらっしゃいます。
11月号の美術手帖に社長と亭主のことが紹介されたので、そのコピーをお送りしました。近況報告のようなつもりだったのですが、倒産~再出発~そして今、というインタビュー記事にある感慨を覚えてくださったのでしょうか、信州のSさんからは野菜、味噌、お米まで(これで年末は過ごせます)どっさり送っていただきました。お客様とは何とありがたい存在でしょうか。

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ご紹介するのが遅れてしまいましたが、今春ときの忘れもので個展を開催した西村多美子さんがパリで初めての個展を開催しています。

20151111西村多美子 表20151111西村多美子 裏
「TAMIKO NISHIMURA - Shikishima」
会期:2015年11月11日[水]―12月19日[土]
会場:mind's eye galerie adrian bondy
   221 rue Saint-Jacques, 75005 Paris, France

●案内状の文面(仏語)
西村多美子
1948年東京生れ。東京写真専門学院(現東京ビジュアルアーツ)の卒業後、1969-1973年の4年間に日本国内を旅する。東北、北陸、関東、関西、中国などで、映画や歌の連想する場所に特に引かれる。

しきしま
『しきしま』は、西村の最初の写真集のタイトルである。今回の展示は『しきしま』(1973年初版、2013再刊)と『憧景』(2012年刊行)に基づいています。(『憧景』は、『しきしま』と同じ時代の別の写真の写真集である。)
和歌の文化で、「しきしま」という言葉は、「やまと」、つまり「日本」という意味で使われている。展示中の写真は、漠然たる感じがあっても、迫力の強い青年の自由さを印象的に表現している。

<写真を見返しながら、ふと「写真とは何か」と考えたりすると、無始の時より連綿と続く命の歴史と、体験したこと、意識しなかった経験、忘れてしまった記憶等、これらすべてが被写体と出会い、シャッターを切った時に、何かの形で立ち上がってくるもの……などと思った。
見るものと見られるものが一体となったその先にあるものを捕らえたいと思っていた。撮った先からこぼれてしまうものを形にしたいと思った。目に見えないものを捕らえようとしているのかもしれない、と最近はうすうす感づいている。>
(西村多美子、2012年)

<写真集『憧景』のあとがきで、作者の西村は結界をこえることに言及している。旅をするとは越境することで、結界をこえることにほかならない。村境や国境は同時にこの世とあの世を分かつ場所でもあった。
旅をするのは、死者の眼差しをもってあの世からこの世を見るためである。写真は来しかた行くすえの定まらないわが身と現実世界の在り方をさぐりだす糸口でもある。>
(平嶋彰彦、2013年)
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個展が始まった直後の11月13日にパリ同時多発テロ事件が起こり、とても心配したのですが、幸い個展は続行され、西村さんたちもご無事だったようで安心しました。
日本の写真家の評価はヨーロッパでも非常に高いので、反響が楽しみです。

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昨秋に続き開催している「戦後の前衛美術'50~'70 PartII S氏&F氏コレクションより」ですが、初日は昨年と比べて出足が鈍く、社長はハラハラ。
でも週があけた途端、新潟や岩手、大阪などから来場され入札される方もあり、メールやファックス、郵便での入札もだんだん増えてきました。
海外からの問い合わせも相次いでおり、最近の日本の現代美術、特にコンセプチュアルなものへの関心が高いことをうかがわせる内容です。

明日5日の夕方17時が入札締め切りです。
お近くの方はぜひ直接画廊にいらしください。遠方の方はネットで画像をご覧の上、メール、ファックスなどでどうぞご入札ください。作品の詳細、コンディション等についても、お気軽にお問い合わせください。