3月11日に出勤して以来、久しぶりに画廊に出ることができました。
3月12日は故村田慶之輔先生を偲ぶ会が帝国ホテルであるため、珍しく正装して家を出たのですが、早朝の事故の瞬間の記憶はなく、気がついたら病院のICU室でした。
救急車で運ばれ「脳挫傷、外傷性クモ膜下出血、右上腕骨骨折」という医師の診断を聞いた社長はこれからどうしようと絶望感に襲われたようです。

間が悪いというか、その日から昨日までは年に幾度もないほど重要な行事、打ち合わせ、海外の賓客の来日など予定がぎっしり組まれておりました。

大番頭は産休中。
ベテランスタッフの秋葉は入社以来初めての長期休暇をとって海外。
社長はさすがに心細かったようですが若いスタッフたちが懸命なサポートをしてくれ亭主の不在を乗り切ってくれました。
少し日本語の不得手なスタッフから(本人はお見舞いのつもり)「このたびはご愁傷さまです」と言われ、まだ生きてるわよと切り返したとか(笑)。

打ち合わせ、出張等はすべてキャンセル、楽しみにしていた初の画廊コンサート当日は病院のベッドでうなっておりました。

幸い、医師が一番心配していた頭の方の怪我は大事にいたらず、しばらく様子を見ることとなり、腕の手術をいたしました。
これから長い長いリハビリの日々を覚悟しています。

二日以上の入院も生涯初めての経験でした(高校2年のとき、ラグビーで脳震盪を起こし一晩病院で過ごしたことがあります)。
もちろん手術も、全身麻酔も初めてでした。

入院中はメールはおろか、仕事に関することは何一つできませんでしたが、復帰したらあれもやらなきゃあ、これもやりたいと、しきりに思う毎日でした。
倒れてもやりたいことがある幸せが身にしみました。
美人看護師さんのお世辞だと思いますが「驚異的な回復力」で何とか退院することができました。

家に戻り、隣のベッドから安心したのかぐっすり寝込んだ社長の静かな寝息が聞こえてきたとき、生きて帰還できた喜びをしみじみと感じました。

ブログは執筆陣の皆さんのすばらしい連載と、急遽ピンチヒッターを命じられたスタッフの奮闘で何とか毎日更新を続けることができ、感謝しています。
出勤はしても実務に復帰できる状態ではなく、しばらくは皆様にはご迷惑をおかけしますが、どうぞよろしくお願いいたします。