熊本地方を襲った大地震で被災された皆様には心よりお見舞い申し上げます。
お亡くなりになった方のご冥福を祈るとともに、被災地の早急な復旧に国や自治体が力を傾けてほしいと願います。
地震はいつどこでおこっても不思議はないのだと痛感しています。
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ご紹介するのが遅れてしまいましたが、多摩美大美術館で若林砂絵子 大宮政郎展が開催されています。

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この春、新収蔵コレクション展では大宮政郎(1930-)と若林砂絵子(1972-2008)を取り上げます。
 大宮政郎は、1960年代の岩手県における前衛的な芸術活動に始まり、その後は知覚の在り様と変化について、移動的視点による「人動説アート」を展開し、ドローイング、版画、立体、写真と多彩な表現を通じ、実験と思索を繰り返しながら制作を続けました。今回は大宮が1980年代に取り組んだ独特な空間意識を写真表現に反映した「呼吸するランドスケープ」「スリムフォト」シリーズ、および新作のドローイング作品を紹介します。
 若林砂絵子は2000年に渡仏後、油彩画にとどまらず、版画や立体作品など多様な表現技法を用いて制作を展開しました。遺作となった版画作品(2005-2008)では数種の版を組み合わせて、空間性の密度と時間を追及しました。2006年にレジデンスで訪れたスペインのマヨルカ島で制作したドローイングでも、にじみと均一な面の対比、緊張感ある線による形態の変容などで空間性の展開を試みました。本展ではこれら版画作品やドローイング、渡仏前後の油彩画を紹介します。いずれの作品においても二次元と三次元を往来する空間意識を感じさせる作品たちです。(展覧会HPより転載)

若林砂絵子 大宮政郎展
会 期:2016年4月6日~5月22日
会 場:多摩美術大学美術館
休館日:火曜日
●ギャラリートーク
日 程:4月23日(土)、5月14日(土)
講 師:小林宏道・吉田公子(本展担当学芸員)
時 間:14:00~15:00
会 場:展示室
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●今日のお勧めは、大宮政郎です。
omiya_01_hokui大宮政郎
《北異の無有空感》
2013年
鉛筆、色鉛筆、紙
109.8x151.5cm
サインあり

1930年、岩手県水沢(現・奥州市)に生まれた大宮政郎。1960年代初めに盛岡で結成した前衛的芸術グループ「集団N39」の中心メンバーとして活躍しました。
1968年、モスクワに向かう機内で、数時間にわたって沈まない夕焼けを眺めた大宮にひとつのインスピレーションが浮かびます。
「人が動きながら、又は移動しながら自らスピードをもって物を見、考えたなら、芸術はどの様に変わるか…」
このひらめきによって「移動的視点による新たな美術活動」としての「人動説アート」を展開します。速度が高まれば物体や空間は短縮し質量が増大するという特殊相対性理論と、現代社会の加速する時空とを相乗的に解釈したのです。「人動説」は深化を続け、ドローイング、立体、版画、写真など多彩な表現を通じて実験と思索を繰り返し、独自の視点で現代美術に取り組んでいます。
大宮政郎2013年7月4日
ときの忘れものを訪れた
大宮政郎先生と奥様