野口琢郎のエッセイ「京都西陣から」 第26回
「取材、ARTFAIR ASIA FUKUOKA 」
9月5日、「temiru」という、京都市の全ての中学校、高校、芸術系の大学に配布されるフリーペーパーの取材で、京都市立醍醐中学校に放課後伺い、美術部の部員さん7人と、てみる君に箔画体験をしてもらうワークショップをしてきました。


漆を使うとカブれる可能性があるので、今回は樹脂系の接着剤を使い、好きな模様の型紙を切ってもらって、ハガキサイズの紙に箔を押すという体験をしてもらいました。

しかし、私にとっても初めてのワークショップなので緊張し、またこの日はとても蒸し暑く、教室にはエアコンが無かった上に箔が飛ぶので扇風機も消したので、自分だけ滝のような汗をかいてしまって、白シャツが透ける位にズクズク、、、アンダーシャツを着てタオルと着替えを持ってくれば良かったとテンパりましたが、まずお手本に実演をしてからいざ本番、皆さん集中して取り組んで頂けたので、箔の扱いに苦戦しながらも初体験なのに良い作品ができました。




使える時間が一時間半程しかなかったので最低限の説明しかできませんでしたが、生徒さんにも楽しんでもらえたようで、取材的にもとても良かったとスタッフの方に言って頂けたので安心しました。今日の作品は醍醐中学の学園祭で展示もされるそうです。
先日は実家で仕事場の取材もして頂き、9月中にでも配布されるそうなので楽しみです。
temiruウェブサイト→ http://www.juno.or.jp/temiru/index.html
9月9日、昼に福岡着、この日はART FAIR ASIA FUKUOKA 2016の招待客とプレスだけ公開のプレビューでした。


今回のフェアへは大阪のNii Fine Artsさんの部屋から出展させて頂いたのですが、最近海外のフェアなど現地に直接行く事が多いので、なかなかお会いできるタイミングの無かった綿貫さんご夫妻に久しぶりに会え、色々なお話ができてとても良かったです。


上)Nii Fine Artsブース、 下)ときの忘れものブース


プレビュー終了後はレセプションに顔を出し、その後新居さんと綿貫さんご夫妻と合同で晩御飯を頂きました。

ちなみに、私の母方の祖父祖母は元々大分の人なので、実は私は半分は九州男児です。
祖父祖母は大分県に産まれ、お見合い結婚してすぐに東京へ、祖父はいすゞ自動車の設計部に入りました。
戦争が始まり祖父は一人東京に残り、家族は長野県佐久市に疎開。
終戦の翌年に長野で私の母が産まれ、5歳まで長野で暮らし、やっと東京へ戻れる時期になり鵠沼海岸に家を買ったそうです。
祖父はその後、いすゞ自動車の子会社で自動車部品株式会社の創立社長となり、会社には銅像があるそうです。
子供の頃、鵠沼の家に遊びに行った時、よく昔の話を聞きました。
軍曹の目の前で、自分の開発した6輪駆動の車が沼地をスイスイ走ったんだよと。
なので自分に南下傾向があるのはその血のせいかもなんて時々思います。
ART FAIR ASIA FUKUOKA は10、11日と一般公開でした。
このフェアは昨年から始まり、今年が二回目の開催な事もあって、同じホテル型のフェア、ART OSAKA程のお客様の多さはありませんでしたが、初めてアートフェアというものに来られた方も多いようで、ホテルの部屋に展示というのもとても新鮮なようで、楽しそうに観ておられる印象がありました。
今回二泊だけの滞在だったのであまり福岡を満喫する事はできませんでしたが、二日目の夜、この間ジャカルタのアートフェアで展示通訳などでお世話になった福岡在住の徳永さんにご案内頂き、美味しいラーメンを食べ、屋台街を少し歩き、バーにも行く事ができて、少し福岡の空気を感じる事ができました。


考えてみると国内のアートフェア出展は数年前の京都、昨年の東京と毎年の大阪位で海外が多いので、何かアジアの他の国にいるような気分もしました。
また行ける機会があれば、次回はもう少しゆっくり滞在したいと思います。
(のぐち たくろう)
■野口琢郎 Takuro NOGUCHI(1975-)
1975年京都府生まれ。1997年京都造形芸術大学洋画科卒業。2000年長崎市にて写真家・東松照明の助手に就く。2001年京都西陣の生家に戻り、家業である箔屋野口の五代目を継ぐため修行に入る。その後も精力的に創作活動を続け、2004年の初個展以来毎年個展を開催している。
●今日のお勧め作品は、野口琢郎です。
野口琢郎
「kotodama」
2016年
箔画(Lacquer, Gold/Silver/Platinum foil, Charcoal, Resin on Wood panel)
33.3×24.2cm
サインあり
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください。
ときの忘れものの通常業務は平日の火曜~土曜日です。日曜、月曜、祝日はお問い合わせには返信できませんので、予めご了承ください。
◆野口琢郎のエッセイ「京都西陣から」は毎月15日の更新です。
「取材、ARTFAIR ASIA FUKUOKA 」
9月5日、「temiru」という、京都市の全ての中学校、高校、芸術系の大学に配布されるフリーペーパーの取材で、京都市立醍醐中学校に放課後伺い、美術部の部員さん7人と、てみる君に箔画体験をしてもらうワークショップをしてきました。


漆を使うとカブれる可能性があるので、今回は樹脂系の接着剤を使い、好きな模様の型紙を切ってもらって、ハガキサイズの紙に箔を押すという体験をしてもらいました。

しかし、私にとっても初めてのワークショップなので緊張し、またこの日はとても蒸し暑く、教室にはエアコンが無かった上に箔が飛ぶので扇風機も消したので、自分だけ滝のような汗をかいてしまって、白シャツが透ける位にズクズク、、、アンダーシャツを着てタオルと着替えを持ってくれば良かったとテンパりましたが、まずお手本に実演をしてからいざ本番、皆さん集中して取り組んで頂けたので、箔の扱いに苦戦しながらも初体験なのに良い作品ができました。




使える時間が一時間半程しかなかったので最低限の説明しかできませんでしたが、生徒さんにも楽しんでもらえたようで、取材的にもとても良かったとスタッフの方に言って頂けたので安心しました。今日の作品は醍醐中学の学園祭で展示もされるそうです。
先日は実家で仕事場の取材もして頂き、9月中にでも配布されるそうなので楽しみです。
temiruウェブサイト→ http://www.juno.or.jp/temiru/index.html
9月9日、昼に福岡着、この日はART FAIR ASIA FUKUOKA 2016の招待客とプレスだけ公開のプレビューでした。


今回のフェアへは大阪のNii Fine Artsさんの部屋から出展させて頂いたのですが、最近海外のフェアなど現地に直接行く事が多いので、なかなかお会いできるタイミングの無かった綿貫さんご夫妻に久しぶりに会え、色々なお話ができてとても良かったです。


上)Nii Fine Artsブース、 下)ときの忘れものブース


プレビュー終了後はレセプションに顔を出し、その後新居さんと綿貫さんご夫妻と合同で晩御飯を頂きました。

ちなみに、私の母方の祖父祖母は元々大分の人なので、実は私は半分は九州男児です。
祖父祖母は大分県に産まれ、お見合い結婚してすぐに東京へ、祖父はいすゞ自動車の設計部に入りました。
戦争が始まり祖父は一人東京に残り、家族は長野県佐久市に疎開。
終戦の翌年に長野で私の母が産まれ、5歳まで長野で暮らし、やっと東京へ戻れる時期になり鵠沼海岸に家を買ったそうです。
祖父はその後、いすゞ自動車の子会社で自動車部品株式会社の創立社長となり、会社には銅像があるそうです。
子供の頃、鵠沼の家に遊びに行った時、よく昔の話を聞きました。
軍曹の目の前で、自分の開発した6輪駆動の車が沼地をスイスイ走ったんだよと。
なので自分に南下傾向があるのはその血のせいかもなんて時々思います。
ART FAIR ASIA FUKUOKA は10、11日と一般公開でした。
このフェアは昨年から始まり、今年が二回目の開催な事もあって、同じホテル型のフェア、ART OSAKA程のお客様の多さはありませんでしたが、初めてアートフェアというものに来られた方も多いようで、ホテルの部屋に展示というのもとても新鮮なようで、楽しそうに観ておられる印象がありました。
今回二泊だけの滞在だったのであまり福岡を満喫する事はできませんでしたが、二日目の夜、この間ジャカルタのアートフェアで展示通訳などでお世話になった福岡在住の徳永さんにご案内頂き、美味しいラーメンを食べ、屋台街を少し歩き、バーにも行く事ができて、少し福岡の空気を感じる事ができました。


考えてみると国内のアートフェア出展は数年前の京都、昨年の東京と毎年の大阪位で海外が多いので、何かアジアの他の国にいるような気分もしました。
また行ける機会があれば、次回はもう少しゆっくり滞在したいと思います。
(のぐち たくろう)
■野口琢郎 Takuro NOGUCHI(1975-)
1975年京都府生まれ。1997年京都造形芸術大学洋画科卒業。2000年長崎市にて写真家・東松照明の助手に就く。2001年京都西陣の生家に戻り、家業である箔屋野口の五代目を継ぐため修行に入る。その後も精力的に創作活動を続け、2004年の初個展以来毎年個展を開催している。
●今日のお勧め作品は、野口琢郎です。
野口琢郎「kotodama」
2016年
箔画(Lacquer, Gold/Silver/Platinum foil, Charcoal, Resin on Wood panel)
33.3×24.2cm
サインあり
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください。
ときの忘れものの通常業務は平日の火曜~土曜日です。日曜、月曜、祝日はお問い合わせには返信できませんので、予めご了承ください。
◆野口琢郎のエッセイ「京都西陣から」は毎月15日の更新です。
コメント