ときの忘れものは「堀尾貞治・石山修武 二人展―あたりまえのこと、そうでもないこと―」を開催します。
堀尾貞治(1939~)の未発表ドローイングと、建築家石山修武(1944~)の新作銅版画及びドローイングをご覧いただきます。
会期:2017年3月31日[金]~4月15日[土] *日・月・祝日休廊

オープニングのご案内
3月31日(金)17:00~19:00 お二人を迎えてオープニングを開催します。ぜひお出かけください。
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石山修武は類稀なる仕掛け人である。
(布野修司『現代建築水滸伝 建築少年たちの夢』彰国社 174頁)

お正月に銀座のギャラリーせいほうで「石山修武・六角鬼丈 二人展―遠い記憶の形―」 が開催され、ときの忘れものはお二人の新作版画の版元として協力しました。
石山先生はここ数年、精力的に銅版画の制作に取り組んでいて、その第一弾としてギャラリーせいほうでは大小13点の新作銅版画を発表しました。
一方、六角鬼丈先生は、本格的な版画制作は今回が初めてで、シルクスクリーンによる新作8点を発表しました。ありがたいことに好評でたくさんのご注文をいただきましたが、六角先生の新作は(版数が多いため)まだ全部が刷り上がっておらず(刷り:石田了一さん)、ご注文いただいた皆様には申し訳ありませんが、いましばらくお待ちください。

石山先生はそんな版元の事情なんか一顧だにせず、次々と新しい企画をぶつけてくるので、そのパンチに弱小画廊(版元)は四苦八苦してあえいでおります。
石山ファンならずとも建築好きの方は「世田谷村スタジオGAYA日記」というブログをご存知でしょう。
ときの忘れもののブログは多数の執筆者で成り立っていますが、石山先生のブログは自ら「僕は実ハ、何かを書いていないと自滅してゆくタイプだ。」と述懐している通り、ただお一人でものすごい量の文章を連日書き続けています。
お書きになるのは構わないのですが、困るのは(涙)当方がまだ聞いてもいない、聞いてもまだ了解していない交渉中の企画までどんどんばらしてしまうことであります。
お正月の六角先生のときも、今回の堀尾先生との二人展についても、どんどん既成事実としてブログで書いてしままわれる。書いてから私どもに突如呼び出しがあり、
石山「今度、六角さんと二人展やることになったから、よろしく」
亭主「えっ、それで六角先生にはときの忘れもののことは話したんですか」
石山「いや、何も言ってない」

慌ててこちらから六角先生にご挨拶に駆けつける次第となるのですが・・・・・

愚痴を言っても始まらないですね。
惚れた者の弱みです。
ヘレンケラー記念塔雪原に屹立する[十勝ヘレン・ケラー記念塔]に登ったときの震えるような感動を忘れられません。石山先生はまさに画家的資質をもった建築家だと確信しました。でなければあんな闇の建築を作れるはずがない。2004年春から突如始まった銅版画制作は到底はじめてとは思われぬ銅版の刻みが見事です。さすが建築界の異端児、豊かな色彩のドローイングも素晴らしい。
とにかく、類稀なる仕掛け人の言うとおりに私達は東奔西走する以外にない。
お正月の六角先生との二人展に続き、石山先生が企てたのは関西で活躍する堀尾貞治先生との二人展です。お二人がいつどこで巡り合ったのかは存じませんが、石山先生の強い希望で今回の二人展が実現しました。

1939年生まれの堀尾貞治先生は、三菱重工に勤務する傍ら、美術活動を精力的に継続。1965年第15回具体美術展に出品。翌年具体の会員となり、1972年の解散まで参加しました。
吉原治良に師事し、「あたりまえのこと」をテーマに、年間100回以上の展示・パフォーマンスを行なっています。2013年にニューヨークのグッゲンハイム美術館で開催された具体展にも参加し、会場で繰り広げたパフォーマンスは大きな反響を呼びました。

1944年生まれの石山修武先生は、1966年早稲田大学を卒業し、1968同大学院建設工学科修士課程修了後、設計事務所を開設しました。1988年早稲田大学教授に就任、2014年に退任するまでプロフェッサー・アーキテクトとして多くの弟子を育て、また建築界を揺るがす建築作品を発表されてきました。現在、同大学名誉教授。設計事務所「スタジオGAYA」を開設し、精力的に設計活動を展開する傍ら、銅版画やドローイングの制作を行なっています。
主な建築作品:幻庵、開拓者の家、伊豆の長八美術館(吉田五十八賞)、リアス・アーク美術館(日本建築学会賞)、世田谷村(芸術選奨文部科学大臣賞)、ひろしまハウス(カンボジア・プノンペン)など。
1996年ヴェネチア・ビエンナーレでは瓦礫が散乱する廃墟を出現させ金獅子賞を受賞。
2008年には世田谷美術館で「建築がみる夢-石山修武と12の物語」展を開催しています。
著書も多く:『笑う住宅』(1986年、筑摩書房)、『現代の職人』(1991年 晶文社)『建築家、突如雑貨商となり至極満足に生きる』(1999年、デジタルハリウッド出版局)、『石山修武画文集 世田谷村日記』(2004年、ときの忘れもの)などがあります。

●今回の出品作品からいくつかご紹介します
大_01出品No.1)
堀尾貞治
《20 Oct 2016》
2016年
ドローイング
108.5×77.0cm
サインあり


大_04出品No.3)
堀尾貞治
《20 Oct 2016》
2016年
ドローイング
108.5×77.0cm
サインあり


20131108出品No.9)
堀尾貞治
《8 Nov 2013》
2013年
ドローイング
38.0x27.0cm
サインあり


20131122出品No.23)
堀尾貞治
《22 Nov 2013》
2013年
ドローイング
38.0x27.0cm
サインあり


20161203出品No.39)
堀尾貞治
《3 Dec 2016》
2013年
ドローイング
38.0x27.0cm
サインあり

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石山修武_ (4)出品No.54)
石山修武
《困難の重さにも足は耐えた》
2016年
銅版
Image size: 15.0x15.0cm
Sheet size: 26.0x25.3cm
Ed.5
サインあり


石山修武_ (16)出品No.57)
石山修武
《やがて廃墟を歩く足も出現した》
2016年
銅版
Image size: 15.0x15.0cm
Sheet size: 26.0x25.3cm
Ed.5
サインあり


CIMG0054出品No.59)
石山修武
《タイトル未定》
2004年
ドローイング、コラージュ
38.0x54.0cm
サインあり


ishiyama出品No.62)
石山修武
《気仙沼宝船》
2012年
ドローイング
54.0x38.0cm
サインあり


CIMG0071出品No.69)
石山修武
《リアスアーク美術館》
ドローイング
38.0x54.0cm
サインあり


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