ときの忘れものは近く移転しますが、青山での最後となる「植田正治写真展―光と陰の世界―Part I」を開催中です。27日までですので、どうぞお見逃しなく。

今日は植田正治作品を所蔵している国内の美術館をいくつかご紹介します。
もちろん下記以外の美術館で所蔵しているところも多々あると思いますが、それは他の機会にご紹介いたします。

植田正治写真美術館
植田正治の故郷境湊に近い鳥取県西伯郡伯耆町に1995年に開館(設計:高松伸)、植田正治の作品1万2千点が収蔵されています。
いつでも植田正治の作品を見られる美術館で、現在は<植田正治の「かたち」 写真における造形表現>展が開催されています(2017年6月4日まで、火曜日(祝祭日の場合は翌日)は休館)。
植田正治美術館フライヤー2
植田正治美術館フライヤー


東京都写真美術館
所蔵点数:299件
代表作品:《妻のいる砂丘風景(III)》、《ボクのわたしのお母さん》、〈童暦〉、〈砂丘〉、〈白い風〉、〈音のない風景〉など。
ueda_03_tuma-iii_large植田正治
《妻のいる砂丘風景(III)》1950年頃


ボクのワタシのお母さん植田正治《ボクのわたしのお母さん》1950年
*『植田正治のつくりかた』(2013年、青幻舎)より転載

都写美クロージングパーティ101Fメインエントランスへと続く外壁には、ロベール・ドアノー、ロバート・キャパ、植田正治の大型パネルが展示されています。
植田正治「妻のいる砂丘風景(III)」(2014年9月22日撮影:綿貫不二夫)


米子市美術館
所蔵点数:写真作品170点+資料3点=173点
代表作品:《自写像》、《小狐登場》
子狐植田正治
《小狐登場》1948年
*植田正治『写真とボク』(2010年、クレヴィス)より転載


九州産業大学美術館
所蔵点数:12点
代表作品:〈風景の光景〉シリーズ((1970~80年に制作、40×52cm)計10点)

清里フォトアートミュージアム(Kmopa)
所蔵点数:5点
代表作品:《少女たち》1945年 サイズ 20.4×31.6cm 
     《カコ》1949年 サイズ 27.0×24.1cm
     《土門拳とモデル》1949年 サイズ 23.7×27.9cm
カコ植田正治《カコ》1949年
*『植田正治作品集』(2016年、河出書房新社)より転載


横浜美術館
所蔵点数:11点
代表作品:《子守り(田園の1)》1938年、ゼラチン・シルバー・プリント、28.5×22.5cm

東京国立近代美術館
所蔵点数:17点
代表作品:《少女四態1939》、《パパとママとコドモたち》、《妻のいる砂丘風景(III)》など。
少女四態植田正治《少女四態》1939年
*『植田正治作品展 砂丘劇場』(1992年、JCIIフォトサロン)より転載

ueda_01_papamama植田正治
《パパとママとコドモたち》1949年


東川町文化ギャラリー
所蔵点数:10点
代表作品:すべて〈砂丘〉シリーズ、1949年、1950年、1983年、1986年、16x20インチ。

以上、8館をご紹介しました。
それぞれが所蔵する作品点数と代表作名については、各館からお答えいただきました。記して謝意を表します。
植田正治作品の展示予定については、各美術館にお問合せください。
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又、7月から山梨県立美術館で開催されるコレクション展にも、植田正治作品が出品されます。
●フジフイルム・フォトコレクション「私の1枚」
会期:2017年7月1日[土]~8月20日[日]
会場:山梨県立美術館
幕末に写真が渡来してから150年余り、日本では多くの優れた写真家が作品を残してきました。
本展では、その中でも特に重要な101人が撮影した「この1枚」と呼べる代表作を銀塩プリントで展示し、日本写真史の軌跡をご紹介します。
日本写真の黎明期を支えたフェリーチェ・ベアトや下岡蓮杖の作品を筆頭に、写真に絵画的表現を追求した20世紀初頭の芸術写真、写真としての独立した芸術を目指した1930年代の新興写真、戦前戦後に活躍した木村伊兵衛、土門拳、植田正治、林忠彦などが見せた多種多様な表現、そして今日現役で活動する写真家たちの作品など、日本写真史を語る上で欠かせない作品を展示します。甲府市出身の日下部金兵衛、富士山を多く撮影した岡田紅陽、白籏史朗など、山梨にゆかりのある写真家の作品も含まれます。
写真が今まで以上に身近になった今日こそ、日本写真史の流れを改めて見直します。(山梨県立美術館HPより転載)

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●今日のお勧め作品は、植田正治です。
22植田正治
〈白い風〉より
1978年
Type-Cプリント
Image size: 7.4×10.9cm
Sheet size: 8.2×11.7cm

07植田正治
〈白い風〉より
1978年
Type-Cプリント、木製パネル
Image size: 22.0×32.6cm
Panel size: 41.5×52.0cm

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※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください

◆ときの忘れものは青山に編集事務所を構えてから30年近くなりますが、諸般の事情によりここを引き払い移転することになりました。
ただいま開催中の「植田正治写真展―光と陰の世界―Part I」が青山での最後の企画展となります。
会期:2017年5月13日[土]―5月27日[土] *日・月・祝日休廊
201705UEDA_DM
初期名作から晩年のカラー写真など15点をご覧いただきます。出品リストはコチラをクリックしてください。