野口琢郎のエッセイ「京都西陣から」 第36回
不思議なご縁と叔父の事
いつもお世話になっているときの忘れものさんが移転される事を知った時はびっくりしました。
新たなギャラリーは東京の駒込にある建築家の阿部勤さんが設計されたLAS CASAS、元々は個人住宅だった建物で、窓が多く自然光がたくさん入る素晴らしい場所のようで、以前綿貫さんが僕のメールを転載してくださったので、読まれた方もおられるかもと思いますが、改めて不思議なご縁のお話を書こうと思います。
移転の話がギャラリーブログに載った時、両親にも知らせるとびっくりした様子で、実はそのLAS CASASを設計をされた阿部勤さんは、父の兄、野口潔が坂倉準三建築研究所に勤めていた時の先輩で、当時日芸の写真学科の学生だった父は、アルバイトでよく坂倉さんの所で建築模型の撮影をしていたので、阿部さんの事もよく知っているとの事でした。
残念ながら叔父の野口潔は3年前に癌で亡くなってしまったのですが、不思議なご縁だなと思いました。
叔父は坂倉準三建築研究所での最後の仕事で徳島の大塚国際美術館を設計し、退社後にODA(開発途上地域の開発を主たる目的とする政府及び政府関係機関による国際協力活動)でベトナムやケニヤに行き、設計、責任者兼現場監督で学校を建て、その後東京の建築事務所で働いていました。
生きていてくれたならもっと色んな話を聞いてみたかった尊敬する叔父です。
2001年ハノイにて
叔父(左)と父
2002年ケニア・ナイロビにて


画像、叔父と父が二人で写っているのが2001年ハノイへ父と二人で叔父の現場を訪ねに行った時に僕が撮影したもので、この時はブルドーザーやクレーン車の運転操縦の訓練学校の建設をしていました。
他3枚が2002年ナイロビで父が撮ったもので、この時はジョモケニアッタ大学の校舎を建設中でした。
子供の頃から時々京都へ帰ってきた叔父の印象は、短気で気性の激しい僕の父と正反対で、いつも穏やかで、きっと声を荒げることなんて無いのではと思っていました。でも後に聞いた話では、仕事の現場では信念を曲げない頑固な人で、声を荒げる事もよくあったそうなので、やはり仕事の場では頑固な血筋なのかなと思います。
いつか大塚国際美術館に行ってから、また改めて叔父の事も書きたいと思います。
新たなときの忘れものさんでは来年個展を開催させて頂く予定なので、自然光の多く入る美しいギャラリーで展示できるのが楽しみです。
あと、関係無いですが最近あった嬉しい出来事、なんとファンレターが届きました。
ファンレター
こんな手書きのファンレターをもらえる事なんて滅多になくて、それもまだ中学生の男の子、なんだかもの凄く嬉しくて元気が出ました。
◯◯君ありがとう、花火の作品もまた作りますね。
画集もいつか必ず作るので、待っていてください、これからもがんばります。
(のぐち たくろう)
■野口琢郎 Takuro NOGUCHI(1975-)
1975年京都府生まれ。1997年京都造形芸術大学洋画科卒業。2000年長崎市にて写真家・東松照明の助手に就く。2001年京都西陣の生家に戻り、家業である箔屋野口の五代目を継ぐため修行に入る。その後も精力的に創作活動を続け、2004年の初個展以来毎年個展を開催している。
●今日のお勧め作品は野口琢郎です。
野口琢郎
"Landscape#32"
2014年
箔画(木パネル、漆、金・銀・プラチナ箔、石炭、樹脂、透明アクリル絵具)
227.3×145.5cm
サインあり
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください。
ときの忘れものの通常業務は平日の火曜~土曜日です。日曜、月曜、祝日はお問い合わせには返信できませんので、予めご了承ください。
◆「移転記念コレクション展」
会期:2017年7月8日(土)~7月29日(土) 11:00~18:00 ※日・月・祝日休廊
※靴を脱いでお上がりいただきますので、予めご了承ください。
※駐車場はありませんので、近くのコインパーキングをご利用ください。
出品作家:関根伸夫、北郷悟、舟越直木、小林泰彦、常松大純、柳原義達、葉栗剛、湯村光、瑛九、松本竣介、瀧口修造、オノサト・トシノブ、植田正治、秋葉シスイ、光嶋裕介、野口琢郎、アンディ・ウォーホル、草間彌生、宮脇愛子、難波田龍起、尾形一郎・優、他

ときの忘れものは、〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました(詳しくは6月5日及び6月16日のブログ参照)。
電話番号と営業時間が変わりました。
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531
営業時間=火曜~土曜の平日11時~18時。日・月・祝日は休廊。

JR及び南北線の駒込駅南口から約8分、名勝六義園の正門からほど近く、東洋文庫から直ぐの場所です。
◆野口琢郎のエッセイ「京都西陣から」は毎月15日の更新です。
不思議なご縁と叔父の事
いつもお世話になっているときの忘れものさんが移転される事を知った時はびっくりしました。
新たなギャラリーは東京の駒込にある建築家の阿部勤さんが設計されたLAS CASAS、元々は個人住宅だった建物で、窓が多く自然光がたくさん入る素晴らしい場所のようで、以前綿貫さんが僕のメールを転載してくださったので、読まれた方もおられるかもと思いますが、改めて不思議なご縁のお話を書こうと思います。
移転の話がギャラリーブログに載った時、両親にも知らせるとびっくりした様子で、実はそのLAS CASASを設計をされた阿部勤さんは、父の兄、野口潔が坂倉準三建築研究所に勤めていた時の先輩で、当時日芸の写真学科の学生だった父は、アルバイトでよく坂倉さんの所で建築模型の撮影をしていたので、阿部さんの事もよく知っているとの事でした。
残念ながら叔父の野口潔は3年前に癌で亡くなってしまったのですが、不思議なご縁だなと思いました。
叔父は坂倉準三建築研究所での最後の仕事で徳島の大塚国際美術館を設計し、退社後にODA(開発途上地域の開発を主たる目的とする政府及び政府関係機関による国際協力活動)でベトナムやケニヤに行き、設計、責任者兼現場監督で学校を建て、その後東京の建築事務所で働いていました。
生きていてくれたならもっと色んな話を聞いてみたかった尊敬する叔父です。
2001年ハノイにて叔父(左)と父
2002年ケニア・ナイロビにて

画像、叔父と父が二人で写っているのが2001年ハノイへ父と二人で叔父の現場を訪ねに行った時に僕が撮影したもので、この時はブルドーザーやクレーン車の運転操縦の訓練学校の建設をしていました。
他3枚が2002年ナイロビで父が撮ったもので、この時はジョモケニアッタ大学の校舎を建設中でした。
子供の頃から時々京都へ帰ってきた叔父の印象は、短気で気性の激しい僕の父と正反対で、いつも穏やかで、きっと声を荒げることなんて無いのではと思っていました。でも後に聞いた話では、仕事の現場では信念を曲げない頑固な人で、声を荒げる事もよくあったそうなので、やはり仕事の場では頑固な血筋なのかなと思います。
いつか大塚国際美術館に行ってから、また改めて叔父の事も書きたいと思います。
新たなときの忘れものさんでは来年個展を開催させて頂く予定なので、自然光の多く入る美しいギャラリーで展示できるのが楽しみです。
あと、関係無いですが最近あった嬉しい出来事、なんとファンレターが届きました。
ファンレターこんな手書きのファンレターをもらえる事なんて滅多になくて、それもまだ中学生の男の子、なんだかもの凄く嬉しくて元気が出ました。
◯◯君ありがとう、花火の作品もまた作りますね。
画集もいつか必ず作るので、待っていてください、これからもがんばります。
(のぐち たくろう)
■野口琢郎 Takuro NOGUCHI(1975-)
1975年京都府生まれ。1997年京都造形芸術大学洋画科卒業。2000年長崎市にて写真家・東松照明の助手に就く。2001年京都西陣の生家に戻り、家業である箔屋野口の五代目を継ぐため修行に入る。その後も精力的に創作活動を続け、2004年の初個展以来毎年個展を開催している。
●今日のお勧め作品は野口琢郎です。
野口琢郎"Landscape#32"
2014年
箔画(木パネル、漆、金・銀・プラチナ箔、石炭、樹脂、透明アクリル絵具)
227.3×145.5cm
サインあり
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※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください。
ときの忘れものの通常業務は平日の火曜~土曜日です。日曜、月曜、祝日はお問い合わせには返信できませんので、予めご了承ください。
◆「移転記念コレクション展」
会期:2017年7月8日(土)~7月29日(土) 11:00~18:00 ※日・月・祝日休廊
※靴を脱いでお上がりいただきますので、予めご了承ください。
※駐車場はありませんので、近くのコインパーキングをご利用ください。
出品作家:関根伸夫、北郷悟、舟越直木、小林泰彦、常松大純、柳原義達、葉栗剛、湯村光、瑛九、松本竣介、瀧口修造、オノサト・トシノブ、植田正治、秋葉シスイ、光嶋裕介、野口琢郎、アンディ・ウォーホル、草間彌生、宮脇愛子、難波田龍起、尾形一郎・優、他
ときの忘れものは、〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました(詳しくは6月5日及び6月16日のブログ参照)。
電話番号と営業時間が変わりました。
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531
営業時間=火曜~土曜の平日11時~18時。日・月・祝日は休廊。

JR及び南北線の駒込駅南口から約8分、名勝六義園の正門からほど近く、東洋文庫から直ぐの場所です。
◆野口琢郎のエッセイ「京都西陣から」は毎月15日の更新です。
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