瀧口修造の造形的仕事を青山時代から継続して紹介してきた、東京・本駒込のギャラリー・ときの忘れものが、2014年と2015年の展覧会を記録した図録『瀧口修造展III・IV 瀧口修造とマルセル・デュシャン』を刊行した(9月1日付)。
デュシャンに関係した瀧口の仕事と、瀧口と交流した芸術家たちの作品が図録で共演し興味深い。テキストも適切で、晩年にかけての瀧口の仕事が整理され、俯瞰し見せていただけた感覚。実際の展示に立ち会えなかったので、ジャスパー・ジヨーンズの『夏の批評家』(セメント、ガラス、他)や荒川修作の<棺桶シリーズ>のミクストメデイアなどを図録で楽しませていただいた(感謝)。デカルコマニーの兄弟や姉妹や夫婦たちが、見開きのページで紹介されると、紙を剥がしている瀧口の「手」を連想してしまった、上手い仕掛けである。こうした「図録」に接すると、公立の美術館に苦言を呈したくなってしまう、いつも、敬愛に裏付けされた情熱が、人の心を豊かにする。--- 批評ではなく情熱を、学者ではなく在野を、無名をつらぬき、好きな事だけを続ければ、花開き、実を結ぶ。コレクターとして美術品の世界が個人的である事を願う。尚、「図録」は一冊2,500円(税別)で10月末までに申込された方には、税、送料サービスとの有り難い提案。英文併記なので、瀧口の仕事がますます世界に拡がると期待している。

石原輝雄さんのブログより)

マン・レイになってしまったひと、京都の石原輝雄さんが暖かな心のこもった書評を書いてくださいました。ありがとうございます。

かなり強い台風が西日本を襲いました。被害に遭われた方々にお見舞い申し上げます。

このブログを書いているときに気がついたのですが、おかげさまで数日前に日々の訪問者数が累計で100万人を超えました
息子たちがHPを開設してくれたのが1998年でした。その後、ブログという素人にも書き込める便利なものができ、更新せよという息子たちの命令に従い、ひたすら記事を書き、さらに多数の執筆者の皆さんの躍動感あふれる投稿によって、とうとう100万を超えました。
毎日更新が始まったのは2005年6月13日「ギャラリー新人日記」からです。この日入社したばかりの尾立麗子に「今日から毎日日記をつけブログに掲載するように」と社命をくだしたのですが、さすが薩摩の女傑だけあって無遅刻、無欠勤、休日を除いて一年間日記を書き続けました。
最初の読者は鹿児島のお母さんでした。「あの子が・・・・」と泣きながら毎日読んだと後に聞かされました。
あらためて読んで下さる皆様に心より御礼申し上げます。
これからも私たちが敬愛する作家たちの紹介と、お客様に楽しんでいただける内容の充実に努めたいと思っています。

造形作家としての瀧口修造を展示と図録によって紹介していきたいと「瀧口修造展-Ⅰ」を開催したのは2014年1月でした。
監修を瀧口研究の第一人者・土渕信彦さんにお願いし、ご遺族の全面的な協力を得て、『瀧口修造展 I』、『瀧口修造展 II』と図録を刊行し、ようやく今回『瀧口修造展 III・IV 瀧口修造とマルセル・デュシャン』にこぎつけました。二回の展覧会の記録を収めたのでページ数もぐっと増えました。

2017年10月末までにお申し込みいただいた方には特別価格:2,500円(税、送料サービス)でおわけします。メールにてお申し込みください。請求書を同封して代金後払いで発送します。
E-mail. info@tokinowasuremono.com

TAKIGUCHI_3-4『瀧口修造展 III・IV 瀧口修造とマルセル・デュシャン』
2017年
ときの忘れもの 発行
92ページ  21.5x15.2cm
テキスト:瀧口修造(再録)、土渕信彦、工藤香澄
ハードカバー  英文併記
デザイン:北澤敏彦
掲載図版:65点
通常価格:2,500円(税別、送料別途)

目次(抄):
・Personally Speaking 瀧口修造(再録)
・マルセル・デュシャン語録について 瀧口修造(再録)
・檢眼圖 だれの証拠品、だれが目撃者? 瀧口修造(再録)
・私製草子のための口上 瀧口修造(再録)
・「オブジェの店」を開く構想に関するノート 土渕信彦
・マルセル・デュシャンとマルチプル 工藤香澄

刊行を記念して◎10月27日(金)18時~中尾拓哉さんによるギャラリートーク<マルセル・デュシャン、語録とチェス>を開催します。
*要予約
:参加費1,000円(受付終了)
生誕130年、レディメイド登場100年! 現代美術の父マルセル・デュシャンの制作論における秘密を、チェスを手がかりに精緻に読み解いた力作『マルセル・デュシャンとチェス』の著者中尾拓哉さんを講師に迎えます。

中尾拓哉(なかお・たくや)
美術評論家。1981年生まれ。多摩美術大学大学院美術研究科博士後期課程修了。博士(芸術)。2014年に論考「造形、その消失において――マルセル・デュシャンのチェスをたよりに」で『美術手帖』通巻1000号記念第15回芸術評論募集佳作入選。単著に『マルセル・デュシャンとチェス』(平凡社、2017年)。

◆ときの忘れものでは「今週の特集展示:瀧口修造とマルセル・デュシャン」を開催しています
会期:2017年10月24日[火]~10月28日[土] 11:00~18:00
201710_TAKIGUCHIときの忘れもので2014年と2015年に開催した「瀧口修造展」の合同図録『瀧口修造展 III・IV 瀧口修造とマルセル・デュシャン』が完成しました。 その刊行を記念して、中尾拓哉さんを講師に迎えてギャラリートークを開催するとともに、瀧口修造のロトデッサンや水彩作品と『デュシャン語録』など、約10点をご覧いただきます。


中村美奈子さんが瀧口修造にオマージュした文鎮を制作しました。
中村美奈子 文鎮こげ茶、赤、緑、オレンジの4色あります。
一個:大5,500円 小5,000円(税別)
二個組:10,000円(税別)
三個組:14,000円(税別)
紙ケース付、送料は一律500円(何個でも)。
瀧口ファンならずとも手元に置きたくなるような色彩豊かな佳品です。特別頒布中ですのでどうぞご注文ください。


●六本木の国立新美術館で「安藤忠雄展―挑戦―」が開催されています。
会期:2017年9月27日[水]~12月18日[月]
オープニングのレポートはコチラをご覧ください。

●ときの忘れものは、〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました(詳しくは6月5日及び6月16日のブログ参照)。
電話番号と営業時間が変わりました。
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531 
営業時間=火曜~土曜の平日11時~18時。日・月・祝日は休廊。

JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。
12