2018年は自然災害などで多くの人々が苦しんだ一年でした。
西日本を襲った豪雨、記憶にないほどの夏の猛暑、北海道や大阪での大地震など、犠牲になった方、すべてを失った方々などにはお見舞いの言葉もありません。
国民を守るべき政治はこれまた機能不全というような有様で、暗澹たる気持ちにもなります。

ときの忘れものは何とか無事に年を越せそうです。
これもお客様たちのご愛顧あったればこそと、感謝申し上げます。
若いスタッフたちが成長し、海外のアートフェアに今年は4都市に出展しました(シンガポール、ニューヨーク、台北、マイアミ)。
いずれも留守は老兵二人ですが、それでも国内の出張はずいぶんとあちこちに出かけました。
思いだすだけでも函館、札幌、福井、高崎、真岡、京都、宝塚、福岡、愛媛・・・

コラージ2月号:87ページから「版画の景色 現代版画センターの軌跡」展特集(画面をクリックしてください)
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私たちにとって2018年の一番大きな出来事は埼玉県立近代美術館で開催していただいた「版画の景色 現代版画センターの軌跡」展でした。
亭主の無能、非力から倒産した現代版画センターは全国の会員、支部の人たちによって支えられていました。
1974~1985年の700点余のエディション作品はこれら多くの善意の人たちの出資によって生み出されたものであり、そのことだけは後世にきちんと伝え、残したいと思いました。
幸い、埼玉県立近代美術館が278点の作品と、関連資料の寄贈を受けてくださり、あのような大掛かりな展覧会が実現しました。

現代版画センターの生みの親は亭主が高校一年から親炙した高崎の実業家・井上房一郎さんと、その導きで知った久保貞次郎先生でした。
埼玉の展覧会の終わったあと、偶然のきっかけから、6月に井上邸(レーモンド自邸の写し)を久しぶりに訪ねるツアーを開催することができました。

コラージ7月号:1ページから「高崎と井上房一郎、レーモンド」特集(画面をクリックしてください)
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さらに10月には恩師久保貞次郎先生の23回忌に合わせ、「久保貞次郎の会」主催の栃木県真岡の久保講堂を訪ねるツアーに参加し、久保先生の墓前に埼玉の展覧会の顛末をご報告いたしました。

コラージ12月号:25ページから「真岡にて 久保貞次郎と遠藤新」特集(画面をクリックしてください)
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ありがたいことに、ウエブマガジン「コラージ」(編集・発行:塩野哲也)がそれぞれを特集してくださいました。
どうぞクリックしてページをめくりお読みください。

また7月には恩人の唐牛眞喜子さんの墓参に北海道函館に参りました。
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亭主は道内くまなく版画の行商をして歩きましたが、社長は初めての函館でした。


180707-09_函館・札幌_12昨年秋、唐牛眞喜子さんが亡くなりました。
ご主人の健太郎さんが眠る函館の墓地で納骨式と偲ぶ会が開催されました。
墓石は秋山祐徳太子先生のデザインです。


180707-09_函館・札幌_14海を見下ろす小高い山の中腹に二人は眠ります。
1985年の倒産で全てを失ったとき、「令子さん、これからどうするの」と声をかけてくれ、ご主人がつくったヨットスクールへ就職させてくれたのが眞喜子さんでした。


180707-09_函館・札幌_29故人のお人柄でしょう、夏とは思えない冷たい雨のなか、昔の左翼から右翼まで全国から大勢の人が集まりました。


180707-09_函館・札幌_30ちょっとピンボケですが


180707-09_函館・札幌_34函館きっての料亭で偲ぶ会が開かれました。


180707-09_函館・札幌_35健太郎さん、眞喜子さんの遺影


180707-09_函館・札幌_40奥には秋山祐徳太子先生の姿も。

180707-09_函館・札幌_41老若男女、60年代に学生だった人から、当時生まれてもいなかった若い人たちまでがお二人を偲び懇談しました。
右列、奥から二人目は一水会の鈴木邦男さん。


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唐牛健太郎さん、堀江謙一さんとヨットの会社をつくった五嶋徳雄さんと久しぶりの再会、社長の元上司です。

函館で美味しいものをたくさん戴き、翌朝は電車でとことこ札幌に。
TMO(高崎高校マンドリン・オーケストラ)蝦夷支部の後輩たちと一杯やって、3日目のお目当ては、
180707-09_函館・札幌_48安藤忠雄先生の「頭大仏


180707-09_函館・札幌_50広大な公園墓地、スケールの大きさに圧倒されました。

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180707-09_函館・札幌_86真駒内から札幌芸術の森へ


180707-09_函館・札幌_85高崎高校の後輩の佐藤健一さん(右)はマンドラの名手で、小樽商大に進み「 小樽商大プレクトラムアンサンブル 」をつくり、道内のマンドリン界でいまも活躍されています。
亭主の現代版画センター時代には、札幌支部を担ってくれました。


下の写真はTMO(高崎高校マンドリン・オーケストラ)が廃部寸前に追い込まれた2000年に、いざ鎌倉と全国のOBたちが集まり、定期演奏会を復活させたときのものですが、上から二段目の中央でマンドラを奏でているのが佐藤健一さん、指揮しているのは亭主です。

TMO第33回定演2000年8月

高崎高校マンドリン・オーケストラ創立40周年記念第33回定期演奏会
日時:2000年8月13日
会場:高崎市文化会館
このとき舞台には60数名がのぼりましたが、現役部員(高校生)は僅か6名でした
全国から馳せ参じたOBと賛助の女性たち(高崎女子高のOGたち)が数名の高校生を囲み復活の狼煙をあげたのでした。
あれから18年、難聴の亭主は既に舞台からは降り、毎年夏の定演には切符のモギリで参加しています。
下は今年夏、函館、札幌の旅から帰って間もない7月16日に開催された第51回定期演奏会の写真です。現役部員が激増し、OBとあわせると舞台に乗り切れないほどでした。
TMO51回定演2018年7月16
日時:2018年7月16日
会場:レーモンド設計の群馬音楽センター
主催:高崎高校マンドリン・オーケストラOB会
どのくらい部員が激増したかといいますと、下の記念写真でTシャツを着ているのが現役部員(高校生)でファーストマンドリン(1M)からコントラバスまで、6パートが色別になっていてます。1・2・3年生あわせて67名(! 涙)。
余りに多くて裏方のOBたちの多くは舞台に上らず、客席から静かに現役生を見守っています。
長生きはするものですね。まさか亭主の存命中に部員が60人を超す日がくるなんて・・・・・
TMO51回定演記念写真2018年7月
1960年創立以来、ときには部員ゼロの年度もありましたが、歴代のOBたちのバトン・リレーで今日を迎えることができました。
亭主に強要され高崎まで聴きに駆けつけてくださった多くの皆様にも御礼を申し上げます。

最後に、亭主は常に社長に従い婦唱夫随の旅を続けておりますが、今年はお供をさせてもらえないこともありました。
20181109日土小学校女4人旅
某月某日四国の山の中、日土小学校に美女4人旅をしたときのもの。木造のモダニズム建築の傑作です。


年末年始ご案内
ときの忘れものの年内営業は明日29日までです。
2018年12月30日(日)~2019年1月7日(月)は冬季休廊いたします。
新年の営業は1月8日(火)から「第27回 瑛九展」を開催します。
ブログは年中無休、毎日更新しますのでお楽しみください。

●ときの忘れものは〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました。阿部勤設計の新しい空間についてはWEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>に特集されています。
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531 E-mail:info@tokinowasuremono.com 
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。日・月・祝日は休廊。
JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。
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