東京国立近代美術館で開催中の「福沢一郎展 このどうしようもない世界を笑いとばせ」は今年度の美術館企画では屈指の重量級で初期から晩年までの大作が並び、実に見ごたえのある展示です。
会期が残り少なくなりました( 5月26日まで)、まだ見ていない方、どうぞお見逃しなく。

大作中心なので、小品的なものは松本竣介の『雑記帳』に掲載されたドローイングなどがありますが、版画類はまったく展示されていません。

福沢一郎は1950年代から晩年までリトグラフや銅版を約140点ほど制作しました。
私たちには馴染みのある版画ですが、ここではその中から、久保貞次郎先生たちによって頒布された初期版画から、亭主がエディションしたものなどいくつかご紹介します。
福沢絵画の特徴である強烈な色彩、量感あふれる人体表現は版画においても見事に結実しています。

Fukuzawa Lithograph (8)福沢一郎

1955年  リトグラフ
イメージサイズ:33.0×23.0cm
シートサイズ:35.0×25.0cm
Ed.100  サインあり
※『福沢一郎全版画集』(玲風書房 2002年)No.3


Fukuzawa Lithograph (5)福沢一郎
夜の鳥
1956年  リトグラフ
イメージサイズ:56.0×44.0cm
シートサイズ:64.0×45.0cm
Ed.100  サインあり
※『福沢一郎全版画集』(玲風書房 2002年)No.9
※刷り:利根山光人
※出版:版画友の会
※第一回東京国際ビエンナーレ出品作品


Fukuzawa Lithograph (9)福沢一郎
人物(メキシコ)
1957年  リトグラフ
イメージサイズ:58.0×43.0cm
シートサイズ:75.0×56.0cm
Ed.100  サインあり
※『福沢一郎全版画集』(玲風書房 2002年)No.11
※刷り:女屋勘左衛門
※出版:版画友の会


Fukuzawa Lithograph (6)福沢一郎
ベールをかぶった女
1958年  リトグラフ
イメージサイズ:24.0×17.5cm
シートサイズ:38.0×28.0cm
Ed.100  サインあり
※『福沢一郎全版画集』(玲風書房 2002年)No.15
※刷り:女屋勘左衛門


Fukuzawa Lithograph (7)福沢一郎
作品名不詳
1958年頃  リトグラフ
イメージサイズ:26.0×18.0cm
シートサイズ:37.5×28.0cm
Ed.100  サインあり


Fukuzawa Lithograph (1)福沢一郎
ニンフを追う牧神
1979年  リトグラフ
イメージサイズ:80.0×60.5cm
シートサイズ:80.0×60.5cm
Ed.75  サインあり
※『福沢一郎全版画集』(玲風書房 2002年)No.75
※刷り:アトリエMMG
※現代版画センターエディション


Fukuzawa Lithograph (3)福沢一郎
石版画集『スペイン闘牛』より「騎馬闘牛
1979年  リトグラフ
イメージサイズ:42.0×57.0cm
シートサイズ:56.0×76.0cm
Ed.175  サインあり
※『福沢一郎全版画集』(玲風書房 2002年)No.78
※刷り:森版画工房
※現代版画センターエディション


Fukuzawa Lithograph (2)福沢一郎
「騎馬闘牛」別刷り
1979年  リトグラフ(和紙)
イメージサイズ:42.0×58.0cm
シートサイズ:57.0×77.0cm
Ed.5  サインあり
※現代版画センターエディション


Fukuzawa Lithograph (4)福沢一郎
石版画集『スペイン闘牛』より「ひるがえる赤きムレータ
1979年  リトグラフ
イメージサイズ:56.0×50.0cm
シートサイズ:76.0×56.0cm
Ed.175  サインあり
※『福沢一郎全版画集』(玲風書房 2002年)No.80
※刷り:森版画工房
※現代版画センターエディション

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東京国立近代美術館の「福沢一郎展 このどうしようもない世界を笑いとばせ」についての展覧会レビューは長年福沢一郎の研究に取り組んでこられた伊藤佳之さんのエッセイをぜひお読みください。
会場:東京国立近代美術館 1F 企画展ギャラリー
会期:2019年3月12日[火]- 5月26日[日]*休館日:月曜日
主催:東京国立近代美術館
出品協力:群馬県立近代美術館、富岡市立美術博物館・福沢一郎記念美術館、一般財団法人福沢一郎記念美術財団
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福沢一郎(1898-1992)は、昭和の戦前から戦後にかけて前衛美術運動の中心的役割を果たした画家です。1930年代にはフランスのシュルレアリスム(超現実主義)を日本に紹介するとともに、社会批評のメッセージを象徴的に表現した作品を次々と発表しました。戦時中は弾圧を受けますが、戦後はふたたび社会批評的な視点から人間群像の大作に取り組み、晩年には文化勲章を受章しました。
福沢は、対社会的な視点を貫きながらも、硬直したイデオロギーを主張するのではなく、ときに古典絵画を引用しながら問題を普遍化させ、ときに知的なユーモアをまじえて自由に描きました。本展は代表作《牛》(1936年)をはじめとする約90点の作品によって、彼の取り組みを今日的視点から再評価し、そして美術と社会との関係について考えようとするものです。(同展資料より)
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関根伸夫先生が5月13日アメリカで亡くなられました享年76でした。
ご子息・関根光才さんのfacebookによれば「葬儀はLAでBlum&Poeと近親者のみで行い、日本では秋に埼玉県立近代美術館で行われる展覧会に合わせてお別れ会が開かれる予定」とのことです。
20161029_sekine1私たちは1975年の現代版画センター企画・全国同時展「島州一・関根伸夫 クロスカントリー7,500km」以来、40数年にわたりご指導いただきました。
謹んでご冥福をお祈りします。


◆ときの忘れものでは「第311回企画◆葉栗剛展 」を開催します。
会期:2019年5月24日[金]―6月8日[土]11:00-19:00 ※日・月・祝日休廊
葉栗展
ときの忘れものは毎年アジアやアメリカのアートフェアに出展し、木彫作家・葉栗剛の作品をメインに出品しています。今回は、2014年以来二回目となる個展を開催し、国内未公開作品11点をご覧いただきます。
初日5月24日[金]17時よりオープニングを開催します。

●『DEAR JONAS MEKAS 僕たちのすきなジョナス・メカス
会期:2019年5月11日(土)~6月13日(木)
会場:OUR FAVOURITE SHOP 内 OFS gallery
〒108-0072 東京都港区白金5-12-21 TEL.03-6677-0575
OPEN 12:00-19:00(ただし展示最終日は17:00まで)
CLOSE: 月・火(祝日を除く)

●『光嶋裕介展~光のランドスケープ
会期:2019年4月20日(土)~5月19日(日)
会場:アンフォルメル中川村美術館
[開館時間]火・木・土・日曜日 祝日 9時~16時

●ときの忘れものは青山から〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました。
阿部勤設計の新しい空間についてはWEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>に特集されています。JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531 
E-mail:info@tokinowasuremono.com 
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。
*日・月・祝日は休廊。