「H氏写真コレクション展」
会期:2019年7月9日(火)~7月13日(土)
会場:ときの忘れもの
放流
伝説の雑誌『写真時代』の「超芸術トマソン」に始まり、クラシックカメラブームを牽引した『ライカ同盟』を経て私を写真の世界へと引き込んでくれた赤瀬川原平さんは、コレクションしたカメラを手放す(中古カメラ店に引き取ってもらう)ことを「放流」と呼んでいた。(と思う。今手元の何冊かの赤瀬川本をめくってみたのだがそのページ見つからず、ひょっとしたら記憶違いだったかと自分の老人力の高まりを実感することしばしである。ご存じの方はぜひ一報を「ときの忘れもの」までお願いする次第である)。
この言葉を最初に目にした時はさすがは芥川賞作家とその言葉のセンスに唸るばかりだったけれど、自分がコレクションを整理をする立場になって、この放流という言葉に込められたであろうあれやこれやを思って改めてこの先達の偉大さを噛みしめている。
死んだわけでも破産したわけでも離婚したわけでもないのだけれども(外国だとこの3つが個人のコレクション売り立ての3大理由だそうだ)、日本には高額な教育費という土壌に生息するスネカジリという怪物が棲んでいて、太くもないスネを囓られ尽くしてついに秘蔵の(というほどでもないが自分にとってはそれなりに愛着のある)コレクションまで侵食されたというわけである。
とはいえ、別にいやいなながら血涙滝の如しというわけではない。本棚とカラーボックスで壁の見えない我が家でいつ額装されるかもわからないままストレージボックスの中でカビとシミの恐怖と闘うよりは、きちんと額装され壁に掛けられて人の目に触れる方が作品にとってどれだけ幸せかわからない。
というわけで放流である。入札という網を打ってくださり、身銭を切って新しいオーナーとなってくださる方のエントリーを心からお待ちする次第である。(H)
●出品作品の一部をご紹介
Lot.3
赤瀬川原平
「伸びる水色」
2001年
Type C プリント
イメージサイズ:35.6x43.3cm
シートサイズ:35.6x43.3cm
Ed.1(1/1) Signed
Lot.10
石内都
「Mother's#38 赤のリップスティック」
2005年
Type C プリント
イメージサイズ:15.0x10.0cm
Ed.15(12/15) Signed
Lot.45
金子典子
「作品」
2003年
フォトグラム
イメージサイズ: 22.7x22.7cm
シートサイズ:35.5x27.6cm
Ed.1 Signed
Lot.51
北井一夫
三里塚「泥んこ道」
撮影1969年 プリント1996年
ゼラチンシルバープリント
イメージサイズ:25.4x37.8cm
シートサイズ:35.2x43.0cm
Ed.5(1/5) Signed
◆ときの忘れものは「H氏写真コレクション展」を開催します。
会期:2019年7月9日(火)~7月13日(土) *日・月・祝日休廊

●ときの忘れものは青山から〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました。
阿部勤設計の新しい空間はWEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>に特集されています。JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531
E-mail:info@tokinowasuremono.com
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。*日・月・祝日は休廊。
会期:2019年7月9日(火)~7月13日(土)
会場:ときの忘れもの
放流
伝説の雑誌『写真時代』の「超芸術トマソン」に始まり、クラシックカメラブームを牽引した『ライカ同盟』を経て私を写真の世界へと引き込んでくれた赤瀬川原平さんは、コレクションしたカメラを手放す(中古カメラ店に引き取ってもらう)ことを「放流」と呼んでいた。(と思う。今手元の何冊かの赤瀬川本をめくってみたのだがそのページ見つからず、ひょっとしたら記憶違いだったかと自分の老人力の高まりを実感することしばしである。ご存じの方はぜひ一報を「ときの忘れもの」までお願いする次第である)。
この言葉を最初に目にした時はさすがは芥川賞作家とその言葉のセンスに唸るばかりだったけれど、自分がコレクションを整理をする立場になって、この放流という言葉に込められたであろうあれやこれやを思って改めてこの先達の偉大さを噛みしめている。
死んだわけでも破産したわけでも離婚したわけでもないのだけれども(外国だとこの3つが個人のコレクション売り立ての3大理由だそうだ)、日本には高額な教育費という土壌に生息するスネカジリという怪物が棲んでいて、太くもないスネを囓られ尽くしてついに秘蔵の(というほどでもないが自分にとってはそれなりに愛着のある)コレクションまで侵食されたというわけである。
とはいえ、別にいやいなながら血涙滝の如しというわけではない。本棚とカラーボックスで壁の見えない我が家でいつ額装されるかもわからないままストレージボックスの中でカビとシミの恐怖と闘うよりは、きちんと額装され壁に掛けられて人の目に触れる方が作品にとってどれだけ幸せかわからない。
というわけで放流である。入札という網を打ってくださり、身銭を切って新しいオーナーとなってくださる方のエントリーを心からお待ちする次第である。(H)
●出品作品の一部をご紹介
Lot.3赤瀬川原平
「伸びる水色」
2001年
Type C プリント
イメージサイズ:35.6x43.3cm
シートサイズ:35.6x43.3cm
Ed.1(1/1) Signed
Lot.10石内都
「Mother's#38 赤のリップスティック」
2005年
Type C プリント
イメージサイズ:15.0x10.0cm
Ed.15(12/15) Signed
Lot.45金子典子
「作品」
2003年
フォトグラム
イメージサイズ: 22.7x22.7cm
シートサイズ:35.5x27.6cm
Ed.1 Signed
Lot.51北井一夫
三里塚「泥んこ道」
撮影1969年 プリント1996年
ゼラチンシルバープリント
イメージサイズ:25.4x37.8cm
シートサイズ:35.2x43.0cm
Ed.5(1/5) Signed
◆ときの忘れものは「H氏写真コレクション展」を開催します。
会期:2019年7月9日(火)~7月13日(土) *日・月・祝日休廊

●ときの忘れものは青山から〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました。
阿部勤設計の新しい空間はWEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>に特集されています。JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531
E-mail:info@tokinowasuremono.com
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。*日・月・祝日は休廊。
コメント