*画廊亭主敬白
臨時休廊27日目。
土渕信彦さんの近況報告にある通り、画廊巡り、美術館周遊を日課としてきた方々と会うこともままならない日々ですが、今はただただ無事の再会を願うばかりです。
「一日限定! 破格の掘り出し物」、本日は意外と思われるでしょうが、ちょっと目先を変えて焼き物です。
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佐藤和彦
灰陶釉彩文壷 1980年頃
高さ22.0×幅30.0×奥行12.0cm

倉庫の奥深く眠っているものには例えば奈良ホテルの屋根瓦(桐箱入り)なんてものもあります(なにせ辰野金吾設計ですからね)。しかしなぜあるのか不明なものも少なくありません。佐藤和彦さんの壺、40年くらい前に買ったことは間違いないのですが、どこで買ったのか全く記憶がない。
あの当時、渋谷・鉢山町にあった現代版画センター企画室の傘立ては三輪龍作(ハイヒールで有名な)の大きなオブジェでした。社長が学生時代に久保先生に連れられていった海上雅臣さんのオークションで買ったもので、皆さんが乱暴に傘を入れるものだから端が欠けてしまった。J画廊のJさんが「こんな欠けちゃ売りもんにならないよ」と金欠の亭主から二束三文で持って行き、ちょこっと修復してン十万円で売ったとか(笑)。社長の怒るまいことか。
社長のセンスで、加藤清之、八木一夫、鈴木治、加茂田章二、金城次郎、大嶺實清さんなどの焼き物がいろいろありました。現代美術が今よりもジャンルを超えて人びとに意識されていた時代でした。そんな時代の佐藤さんの作品、花など活けて楽しんでください。