第1回ときの忘れものエディション展~建築家たち
会期:2020年7月21日(火)~8月8日(土)
出品:安藤忠雄、石山修武、磯崎新、光嶋裕介、六角鬼丈
ときの忘れものは1995年6月に南青山に開廊して以来、多くのアーティストと協働して版画や写真のエディションを制作してきました。
開廊25周年を記念して版元としての活動も知っていただきたくシリーズ企画「ときの忘れものエディション展」を開催いたします。
第1回として5人の建築家に制作していただいたエディション作品をご紹介します。
私たちが版元として最初に建築家のエディションに取り組んだのは現代版画センター時代、磯崎新先生に版画制作を依頼したことに遡ります。
1977年の「’77現代と声」全国展企画において、現代美術の第一線で活躍する作家(油彩、日本画、版画、彫刻、建築)から9作家を選び、新作版画の制作を依頼しました。既成のジャンル以外に初めて「建築」を加え、磯崎新先生を口説いたのが始まりです。
「’77現代と声」には<ヴィッラ>シリーズを、同年のサンパウロ・ビエンナーレ展には巨大なスケールの<空洞としての美術館>連作をエディションしてはるばるブラジルまで出展しました。

*2001年12月15日「百二十の見えない都市」連作、リトグラフの描画をする磯崎新先生
ときの忘れものとしては1999年より銅版画集『栖 十二』や連刊画文集『百二十の見えない都市』など約200種類の版画(シルクスクリーン、銅版画、リトグラフ)をエディションしています。
次に取り組んだのが安藤忠雄先生です。
1984年現代版画センター時代に初めてシルクスクリーンを2点を制作していただきました。直後に、現代版画センターは倒産してしまい、安藤先生には大変ご迷惑をおかけしてしまいました。
それから14年後の1998年にときの忘れものよりシルクスクリーンの大判ポートフォリオ10点組「安藤忠雄版画集 1998」をエディションすることができました。

*2002年大阪・安藤事務所での打ち合わせ
石山修武先生のエディションには、今回のWEB展の映像を制作している塩野哲也さんが深く関与しています。塩野さんは雑誌『室内』の編集部員で、主宰者山本夏彦さんが亡くなった後、独立して事務所を開き、石山先生の画文集をプロデュースしました。石山先生がご自身のブログで日々書き続けている「世田谷村日記」を本にするにあたり、それに挿入する銅版画をときの忘れものでエディションしてくれないかと塩野さんから提案されました。以降石山先生は銅版画にのめりこみます。最初のエディション「石山修武画文集 世田谷村日記 ここになまみの建築家がいます」以来、ときの忘れものでは現在までに100種類以上の銅版画をエディションしています。
ご自身のブログにも銅版画に向き合う様子「鉄筆やら、ノミやらで銅版を彫る。厳密に言えば銅版の表面の極薄の表皮を彫ったり、かきむしったりする」様子がが記されています。

*2005年 南青山・ときの忘れものにて銅版画制作中の石山修武先生
アメリカ生まれの光嶋裕介さんは早稲田大学で石山研究室に学び、学生時代からときの忘れもので磯崎先生や石山先生の版画作品を見て刺激を受けていたようです。ドイツで修行した後、帰国して間もなく2008年より白井版画工房に通い銅版画を制作し始めました。当初から一貫して幻想都市風景をテーマに制作、2011年にときの忘れものから「銅版画集 Landscape at Night」を刊行しました。その後はシルクスクリーンにも挑戦し、自ら漉いた越前和紙にドローイングを描くなど本業の建築設計の傍ら精力的に制作活動を続けています。

2012年 版画にサインを入れている光嶋裕介さん
磯崎アトリエOBであり、東京芸大教授として活躍されていた六角鬼丈先生にはいつか版画をつくっていただきたいと思っていたのですが、なかなか機会に恵まれませんでした。2016年にようやくシルクスクリーン8点の制作が実現し、2017年銀座のギャラリーせいほうでの「石山修武・六角鬼丈 二人展―遠い記憶の形―」で発表しました。その後も六角先生とは新作のための打ち合わせを続けていたのですが、病に倒れ2019年にお亡くなりになられました。まだこれからというときに、残念でなりません。

2017年ギャラリーせいほうでの二人展にて、六角鬼丈先生と植田実先生(Photo by 六角美瑠)
今までエディションした建築家(安藤忠雄、石山修武、磯崎新、光嶋裕介、六角鬼丈)の版画を展示し、動画を撮影、YouTubeに公開しました。
本展はコロナウイルス感染拡大防止のため、アポイントメント制とします。
近日中に戸田穣先生(昭和女子大学・環境デザイン学部環境デザイン学科 専任講師)による「建築家のドローイング」についてインタビューしたVTRを公開します。
ギャラリーで展示をご覧になりたい方は、前日までにメールにてご予約ください。
*古今東西の建築家のドローイングについてはジョヴァンニ・バティスタ・ピラネージからル・コルビュジエまで15人を論じたブログの八束はじめ・彦坂裕のリレー連載「建築家のドローイング」も併せてお読みください。
◆「開廊25周年 第1回ときの忘れものエディション展―建築家たち」
会期=2020年7月21日[火]―8月8日[土]

磯崎新《影 2》
ときの忘れものはこの6月に開廊25周年を迎えることができました。展覧会の企画と版画の版元として今日まで歩んでこれた感謝をこめて、25年間にエディションした建築家5人(安藤忠雄、石山修武、磯崎新、光嶋裕介、六角鬼丈)の版画を展示し、動画を撮影、YouTubeに公開します。
●ときの忘れものは青山から〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました。
阿部勤設計の新しい空間はWEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>に特集されています。JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531
E-mail:info@tokinowasuremono.com
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。*日・月・祝日は休廊。
会期:2020年7月21日(火)~8月8日(土)
出品:安藤忠雄、石山修武、磯崎新、光嶋裕介、六角鬼丈
ときの忘れものは1995年6月に南青山に開廊して以来、多くのアーティストと協働して版画や写真のエディションを制作してきました。
開廊25周年を記念して版元としての活動も知っていただきたくシリーズ企画「ときの忘れものエディション展」を開催いたします。
第1回として5人の建築家に制作していただいたエディション作品をご紹介します。
私たちが版元として最初に建築家のエディションに取り組んだのは現代版画センター時代、磯崎新先生に版画制作を依頼したことに遡ります。
1977年の「’77現代と声」全国展企画において、現代美術の第一線で活躍する作家(油彩、日本画、版画、彫刻、建築)から9作家を選び、新作版画の制作を依頼しました。既成のジャンル以外に初めて「建築」を加え、磯崎新先生を口説いたのが始まりです。
「’77現代と声」には<ヴィッラ>シリーズを、同年のサンパウロ・ビエンナーレ展には巨大なスケールの<空洞としての美術館>連作をエディションしてはるばるブラジルまで出展しました。

*2001年12月15日「百二十の見えない都市」連作、リトグラフの描画をする磯崎新先生
ときの忘れものとしては1999年より銅版画集『栖 十二』や連刊画文集『百二十の見えない都市』など約200種類の版画(シルクスクリーン、銅版画、リトグラフ)をエディションしています。
次に取り組んだのが安藤忠雄先生です。
1984年現代版画センター時代に初めてシルクスクリーンを2点を制作していただきました。直後に、現代版画センターは倒産してしまい、安藤先生には大変ご迷惑をおかけしてしまいました。
それから14年後の1998年にときの忘れものよりシルクスクリーンの大判ポートフォリオ10点組「安藤忠雄版画集 1998」をエディションすることができました。

*2002年大阪・安藤事務所での打ち合わせ
石山修武先生のエディションには、今回のWEB展の映像を制作している塩野哲也さんが深く関与しています。塩野さんは雑誌『室内』の編集部員で、主宰者山本夏彦さんが亡くなった後、独立して事務所を開き、石山先生の画文集をプロデュースしました。石山先生がご自身のブログで日々書き続けている「世田谷村日記」を本にするにあたり、それに挿入する銅版画をときの忘れものでエディションしてくれないかと塩野さんから提案されました。以降石山先生は銅版画にのめりこみます。最初のエディション「石山修武画文集 世田谷村日記 ここになまみの建築家がいます」以来、ときの忘れものでは現在までに100種類以上の銅版画をエディションしています。
ご自身のブログにも銅版画に向き合う様子「鉄筆やら、ノミやらで銅版を彫る。厳密に言えば銅版の表面の極薄の表皮を彫ったり、かきむしったりする」様子がが記されています。

*2005年 南青山・ときの忘れものにて銅版画制作中の石山修武先生
アメリカ生まれの光嶋裕介さんは早稲田大学で石山研究室に学び、学生時代からときの忘れもので磯崎先生や石山先生の版画作品を見て刺激を受けていたようです。ドイツで修行した後、帰国して間もなく2008年より白井版画工房に通い銅版画を制作し始めました。当初から一貫して幻想都市風景をテーマに制作、2011年にときの忘れものから「銅版画集 Landscape at Night」を刊行しました。その後はシルクスクリーンにも挑戦し、自ら漉いた越前和紙にドローイングを描くなど本業の建築設計の傍ら精力的に制作活動を続けています。

2012年 版画にサインを入れている光嶋裕介さん
磯崎アトリエOBであり、東京芸大教授として活躍されていた六角鬼丈先生にはいつか版画をつくっていただきたいと思っていたのですが、なかなか機会に恵まれませんでした。2016年にようやくシルクスクリーン8点の制作が実現し、2017年銀座のギャラリーせいほうでの「石山修武・六角鬼丈 二人展―遠い記憶の形―」で発表しました。その後も六角先生とは新作のための打ち合わせを続けていたのですが、病に倒れ2019年にお亡くなりになられました。まだこれからというときに、残念でなりません。

2017年ギャラリーせいほうでの二人展にて、六角鬼丈先生と植田実先生(Photo by 六角美瑠)
今までエディションした建築家(安藤忠雄、石山修武、磯崎新、光嶋裕介、六角鬼丈)の版画を展示し、動画を撮影、YouTubeに公開しました。
本展はコロナウイルス感染拡大防止のため、アポイントメント制とします。
近日中に戸田穣先生(昭和女子大学・環境デザイン学部環境デザイン学科 専任講師)による「建築家のドローイング」についてインタビューしたVTRを公開します。
ギャラリーで展示をご覧になりたい方は、前日までにメールにてご予約ください。
*古今東西の建築家のドローイングについてはジョヴァンニ・バティスタ・ピラネージからル・コルビュジエまで15人を論じたブログの八束はじめ・彦坂裕のリレー連載「建築家のドローイング」も併せてお読みください。
◆「開廊25周年 第1回ときの忘れものエディション展―建築家たち」
会期=2020年7月21日[火]―8月8日[土]

磯崎新《影 2》ときの忘れものはこの6月に開廊25周年を迎えることができました。展覧会の企画と版画の版元として今日まで歩んでこれた感謝をこめて、25年間にエディションした建築家5人(安藤忠雄、石山修武、磯崎新、光嶋裕介、六角鬼丈)の版画を展示し、動画を撮影、YouTubeに公開します。
●ときの忘れものは青山から〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました。
阿部勤設計の新しい空間はWEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>に特集されています。JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531
E-mail:info@tokinowasuremono.com
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。*日・月・祝日は休廊。
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