Artists Recently 第２回／中村 潤
私は、京都のまあまあな街中に住んでいる。昼は旅行客、夜は仕事帰りの方、深夜はすっかり酔っぱらったみなさんが家の前を行き交い、人々の気配が生活の一部となっている。しかし、3月末以降、気配はシュンっと無くなって、「こんなに静かな日常があるのか！」と驚く。鳥たちはやけに元気で、「ちゅん ちゅ ちゅんちゅん」という声で目覚める日もあった。二十数年この家に住んで初めての経験をした。なんだかうれしい。
2020/4/3
カラスの花見に遭遇
家の中に積極的にいると、本当に歩かなくなるし、日を浴びたくなるものだ。洗濯物を干すために物干しに出ることも「外気にあたる」という意味で外出の一つに含んで良いことにした。
買い物のためにスッと店に入ってパパッと済ませて帰宅するのに慣れた頃、たまに行く食料品店の2階に雑貨屋さんが入っていたことを思い出し、覗いてみる。レンコン柄の手拭い、きれいな水色のスプーン、シール、はがき、うさぎの絵が描かれた水筒……ウキウキする！ なにこれ！ かわいい。うれしい。
そういえば、ここしばらくスーパーやドラッグストアの棚しか見てなかった！ こういうのんがズラーと棚に並んでるとこが見たかったんや！ と心の中で叫ぶ。
この数ヶ月でできなくなったことも多かったが、できるようになったこともあった。
しわを寄せずにえんどう豆を茹でることに成功。
2020/4/18
しわを寄せずに茹でられたえんどう豆
一緒に住む母が、生まれて初めて筍の水煮の瓶詰めに成功。
2020/4/19
母、筍の水煮の瓶詰めに成功
毎日ストレッチすることが習慣づいた。
ゴミの分別が丁寧になった。
スーパーの閉店時間の繰り上げにより夕食の時間が早くなり、夜が長くなった。
職場の小学校が4月からオンライン授業となり、担当の図工もオンラインで実施。オンラインで人と話すことが苦ではなくなった。
2020/6/24
対面授業用のフェイスシールドを作る
テレビにつっこみ、ラジオに大笑いし、音楽に合わせて一人踊り、じっと本を読む。一緒に暮らす母や父との無駄話に救われ、毎日ごはんをつくって食べて寝る。こういった日常とともに、私の作品制作生活は静かに続く。
「糸糸の法則 20」
2019
刺繍糸
h,41×w,13×d,0.2cm
「もちてつき」
2019
紙
h,120×φ,100cm
（なかむら めぐ）
＊ときの忘れものの取り扱い作家たちの近況をお届けするArtists Recentlyの第2回目は、2019年4月12日～4月27日にときの忘れもので開催した『Tricolore2019―中村潤・尾崎森平・谷川桐子展』や2019年7月5日～2019年7月7日に開催された『ART OSAKA 2019』のときの忘れものブースに出品いただいた中村潤さんです。
来年秋にときの忘れもので個展を計画しています。
■中村潤 Megu NAKAMURA
1985年京都府生まれ。2009 年京都市立芸術大学美術学部美術科彫刻専攻卒業。2011年京都市立芸術大学大学院 美術研究科彫刻専攻修了。現在, 京都府在住。
個展：2012年ギャラリーSUZUKI/京都, 2013・2014年美濃和紙の里会館/岐阜, 2013・2015年 GLAN FABRIQUE ギャラリー“ la galerie”/大阪, cafe and gallery HANARE/兵庫, 2017年アートスペース虹/京都, 2018年横浜市民ギャラリーあざみ野エントランスロビー/神奈川, gallery morning kyoto/京都。その他グループ展やワークショップに多数参加。
受賞歴：「2008年度 京都市立芸術大学作品展」奨励賞, 「2009年度 京都市立芸術大学作品展」奨励賞, 「ゲンビどこでも企画公募2011展」審査員賞・谷尻誠賞, 「清流の国ぎふ芸術祭 Art Award IN THE CUBE2017」入賞, 「京都府新鋭選抜展2018 Kyoto Art for Tomorrow」メディア賞・読売新聞社賞。
メディア：2014年「シャキーン！」NHK Eテレ (番組内コーナーで作品紹介)
●本日のお勧め作品は中村潤です。
中村潤 Megu NAKAMURA
《はた》
2019
方眼紙、糸くず、針金
30×30×20cm
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
◆「ジョナス・メカス展」は終了しましたが、WEB展はユーチューブでご覧いただけます。
展示作品・風景紹介
メカス日本日記の会・木下哲夫さん 特別インタビュー〈ジョナス・メカスとの40年〉
●ときの忘れものは青山から〒113-0021 東京都文京区本駒込５丁目４の１ LAS CASAS に移転しました。
阿部勤設計の新しい空間はWEBマガジン＜コラージ2017年12月号18～24頁＞に特集されています。JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531
E-mail:info@tokinowasuremono.com
営業時間＝火曜～土曜の平日11時～19時。＊日・月・祝日は休廊。
私は、京都のまあまあな街中に住んでいる。昼は旅行客、夜は仕事帰りの方、深夜はすっかり酔っぱらったみなさんが家の前を行き交い、人々の気配が生活の一部となっている。しかし、3月末以降、気配はシュンっと無くなって、「こんなに静かな日常があるのか！」と驚く。鳥たちはやけに元気で、「ちゅん ちゅ ちゅんちゅん」という声で目覚める日もあった。二十数年この家に住んで初めての経験をした。なんだかうれしい。
2020/4/3カラスの花見に遭遇
家の中に積極的にいると、本当に歩かなくなるし、日を浴びたくなるものだ。洗濯物を干すために物干しに出ることも「外気にあたる」という意味で外出の一つに含んで良いことにした。
買い物のためにスッと店に入ってパパッと済ませて帰宅するのに慣れた頃、たまに行く食料品店の2階に雑貨屋さんが入っていたことを思い出し、覗いてみる。レンコン柄の手拭い、きれいな水色のスプーン、シール、はがき、うさぎの絵が描かれた水筒……ウキウキする！ なにこれ！ かわいい。うれしい。
そういえば、ここしばらくスーパーやドラッグストアの棚しか見てなかった！ こういうのんがズラーと棚に並んでるとこが見たかったんや！ と心の中で叫ぶ。
この数ヶ月でできなくなったことも多かったが、できるようになったこともあった。
しわを寄せずにえんどう豆を茹でることに成功。
2020/4/18しわを寄せずに茹でられたえんどう豆
一緒に住む母が、生まれて初めて筍の水煮の瓶詰めに成功。
2020/4/19母、筍の水煮の瓶詰めに成功
毎日ストレッチすることが習慣づいた。
ゴミの分別が丁寧になった。
スーパーの閉店時間の繰り上げにより夕食の時間が早くなり、夜が長くなった。
職場の小学校が4月からオンライン授業となり、担当の図工もオンラインで実施。オンラインで人と話すことが苦ではなくなった。
2020/6/24対面授業用のフェイスシールドを作る
テレビにつっこみ、ラジオに大笑いし、音楽に合わせて一人踊り、じっと本を読む。一緒に暮らす母や父との無駄話に救われ、毎日ごはんをつくって食べて寝る。こういった日常とともに、私の作品制作生活は静かに続く。
「糸糸の法則 20」2019
刺繍糸
h,41×w,13×d,0.2cm
「もちてつき」2019
紙
h,120×φ,100cm
（なかむら めぐ）
＊ときの忘れものの取り扱い作家たちの近況をお届けするArtists Recentlyの第2回目は、2019年4月12日～4月27日にときの忘れもので開催した『Tricolore2019―中村潤・尾崎森平・谷川桐子展』や2019年7月5日～2019年7月7日に開催された『ART OSAKA 2019』のときの忘れものブースに出品いただいた中村潤さんです。
来年秋にときの忘れもので個展を計画しています。
■中村潤 Megu NAKAMURA
1985年京都府生まれ。2009 年京都市立芸術大学美術学部美術科彫刻専攻卒業。2011年京都市立芸術大学大学院 美術研究科彫刻専攻修了。現在, 京都府在住。
個展：2012年ギャラリーSUZUKI/京都, 2013・2014年美濃和紙の里会館/岐阜, 2013・2015年 GLAN FABRIQUE ギャラリー“ la galerie”/大阪, cafe and gallery HANARE/兵庫, 2017年アートスペース虹/京都, 2018年横浜市民ギャラリーあざみ野エントランスロビー/神奈川, gallery morning kyoto/京都。その他グループ展やワークショップに多数参加。
受賞歴：「2008年度 京都市立芸術大学作品展」奨励賞, 「2009年度 京都市立芸術大学作品展」奨励賞, 「ゲンビどこでも企画公募2011展」審査員賞・谷尻誠賞, 「清流の国ぎふ芸術祭 Art Award IN THE CUBE2017」入賞, 「京都府新鋭選抜展2018 Kyoto Art for Tomorrow」メディア賞・読売新聞社賞。
メディア：2014年「シャキーン！」NHK Eテレ (番組内コーナーで作品紹介)
●本日のお勧め作品は中村潤です。
中村潤 Megu NAKAMURA《はた》
2019
方眼紙、糸くず、針金
30×30×20cm
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
◆「ジョナス・メカス展」は終了しましたが、WEB展はユーチューブでご覧いただけます。
展示作品・風景紹介
メカス日本日記の会・木下哲夫さん 特別インタビュー〈ジョナス・メカスとの40年〉
●ときの忘れものは青山から〒113-0021 東京都文京区本駒込５丁目４の１ LAS CASAS に移転しました。
阿部勤設計の新しい空間はWEBマガジン＜コラージ2017年12月号18～24頁＞に特集されています。JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531
E-mail:info@tokinowasuremono.com
営業時間＝火曜～土曜の平日11時～19時。＊日・月・祝日は休廊。
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