Artists Recently 第3回/野口琢郎 「ご無沙汰しております」

毎月の連載が終了してから数ヶ月経ち、久しぶりに原稿を書かせて頂くのを懐かしく思いつつ、近況の報告をさせて頂きます。
コロナウィルス拡大の影響で色々な事が変わってしまった2020年もあっという間に10月。
作家の仕事で家族を守っていけるのかと考えたり、それでも作るしかないと理解しつつも、制作意欲が少し落ちてしまっていたので、
あまり作品のストックを作る事ができないまま日々が過ぎていってしまっていました。
ただ日常生活では2月に生まれた息子 琳太郎の日々の成長ぶりが凄くて、あっという間にハイハイできるようになり、
すでにつかまり立ちを始め、感情表現も豊かになっていて、毎日ドタバタしながらも癒やしと刺激をもらっています。
どんどん手の届く高さが上がっていくので、部屋の大改造をしたり、そこら中に怪我防止のクッションを取り付けたり、
赤ちゃん用のヘルメットを買ったり、考える事は多くあったので、ただぼやっと過ごしてしまったという感覚ではなかったです。
昔から父に「人生で一番大変なのは子供を育てる事や」とよく言われていたので、まだ8ヶ月とはいえ、その言葉が少し理解できるように思います。
毎日、僕より多くの時間を琳太郎と過ごし、奮闘してくれている妻には本当に感謝しています。

そんな中、有り難くも過去のご縁のお陰で色々と動き始めました。
8年程前に、何かのテレビ番組に出演したのを観て頂き、京都での親子展にお越し頂いたお客様から急にお電話があり、
この方はとある会社の専務理事なのですが、来年5月にオープンする公共施設に会社から寄贈する為の作品を制作して頂けますかとのお話を頂きました。
依頼の内容は縦2mの横幅5m、以前ロームシアター京都に設置された洛中洛外図風の作品で、その地方の観光名所を散りばめて欲しいとの事で、
有り難くお請けする事に致しました。
先日現地に行き、色々な名所を案内頂き、現場の視察もしてきました。
納期は4月半ば、恐らく制作には半年近くかかると思うので、もう構想に入っています。
僕にとっては過去最大の作品でとても大変な作業になりますが、今後もこれ以上のサイズの作品を制作する事はなかなか無いと思うので、
自分の代表作になるような、良い作品を制作したいと思います。

また、9月から京都で開催されているKYOTOGRAPHIE京都国際写真祭と(公財)京都市景観・まちづくりセンターがコラボレーションし、
京町家の未来へのビジョンを発信する展覧会「Machiya Vision」のインスタレーション展示の中で、僕のインタビューも流して頂きました。
この「Machiya Vision」のイベントはすでに終了致しましたが、インタビューの様子がYou Tubeでもご視聴頂けます。
喋りが噛み噛みで恥ずかしいのですが、家の様子は綺麗に撮って頂いているので、ぜひご視聴頂ければと思います。

Machiya Visionサイト→ http://kyoto-machisen.jp/machiya-vision/
野口琢郎インタビュー映像→ https://www.youtube.com/watch?v=rsTkRmoPAUw&feature=youtu.be

あと、先日親友のフォトグラファー谷口 巧に家族写真を撮ってもらいました。
地元の船岡山公園で自然光だけで撮ってもらった写真は素晴らしくて、本当に良い記念になりました。

2020Noguchi_0009

自分と同じ白シャツにデニムで揃えたくて、琳太郎の服は無印で買いましたが、こんなの着るともう少年みたいです。
僕はちょっと太り過ぎですが 笑
家族写真、これから毎年撮ってもらえるそうなので楽しみですが、来年撮る頃にはきっと琳太郎は自分の足で立っているのだろうと思うと、、
何かもう感慨深いというか、この写真に写る今の琳太郎をしっかりと記憶に刻んでおこうと思いました。

IMG_5275

最後に、先日夕方に見事な虹が見えました。今年は美しい自然の景色や海を眺めに行くこともできませんでしたが、
この虹を見て少し心が洗われるような気がしました。

では、長々と申し訳ありません、また色々と進んだ頃に近況報告をさせて頂きます。
のぐち たくろう

野口琢郎 Takuro NOGUCHI(1975-)
1975年京都府生まれ。1997年京都造形芸術大学洋画科卒業。2000年長崎市にて写真家・東松照明の助手に就く。2001年京都西陣の生家 箔屋野口に戻り、西陣織に使われる引箔製造の技法を応用し箔画作家として活動を開始、2004年に初個展開催、以来毎年個展を行なっている。ときの忘れものでは2012年2014年2018年に個展開催。
ホームページhttp://noguchi-takuro.com/

●お知らせ
(公財)京都市景観・まちづくりセンターとKYOTOGRAPHIE京都国際写真祭がコラボレーションして開催した、京町家の未来へのビジョンを発信する展覧会「Machiya Vision」。
そのホームページに野口琢郎さんのインタビューが掲載されています。

野口琢郎|Takuro NOGUCHI/Machiya Vision from Machiya Vision on Vimeo.



●本日のお勧め作品は野口琢郎です。
noguchi-54_azure野口琢郎 Takuro NOGUCHI
"Azure"
2020年
箔画/木パネル、漆、金、銀箔、石炭、アクリル絵具、樹脂
55.0×100.0cm
Signed
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