「Tricolore2021―根岸文子・宇田義久・釣光穂」(予約制/WEB展)
会期=2021年4月2日(金)~4月17日(土) アポイントメント制 
11:00-19:00 ※日・月・祝休

*観覧ご希望の方は事前に(当日でも構いませんので)メールまたは電話にてご予約ください。
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グループ展「Tricolore」は、ときの忘れものが3名のアーティストを選出する企画展で、今回で三回目となります(2019年2010年)。
平面と立体、いずれも鮮やかな色彩ですが、それぞれ彩りが異なる3人の作家の展示を昨春に予定していたのですが、コロナウイルス禍で延期し、ようやく開催に漕ぎつけました。

根岸文子さんは美大卒業後に銅版画を学ぶためスペインに渡り、その後、タブローの制作を始め、現在もマドリードで精力的に制作活動を行なっています。根岸さんの明るい作品からは、開放的なラテンのイメージを感じ、色とりどりの独特な色遣いが特徴です。今回は繊細な絹に描いており、絹のしなやかさが質感をまろやかにしています。

宇田義久さんは岩手県盛岡市に住むアーティストです。作品制作において、盛岡の風土から受ける影響もあるようで、川の流れや水の循環など地球環境という壮大なテーマを「水槽」というシリーズです。技法を常に探求しており、独自の制作方法を編み出しています。うるおいのある画面は、これから水が循環されようとしている深海の中のようで、神秘的な作品です。

金沢で制作活動を行う釣光穂さんは、陶芸の手びねりという伝統的な技術を扱いながらも、手編みのニットのようにみえるオブジェを制作しています。陶器でできているのに、軟らかそうな見た目の相反する感じが面白く、また、優しい色の組み合わせにより、古代の土器を模したような形が、釣さんの手で愛らしいものになっています。金太郎飴のような《キンタローマリリン》は独創的で面白い作品です。

作風も色彩も三者三様のユニークな作品を是非ご覧ください。
3名とも遠くにお住まいなので、一堂に会してのギャラリートークは叶いませんでしたが、zoom取材をさせていただきました。その様子をWeb展で公開しますので、どうぞ楽しみに。

●根岸文子
jardin secreto DR根岸文子
jardin secreto DR
2021年
絹にアクリル画
60x33cm
サインあり

無題IZ根岸文子
無題IZ
2021年
絹にアクリル画
60x33cm
サインあり

negishi_82根岸文子
行く川の流れII
2021年
絹にアクリル画
27x22cm
サインあり

根岸文子【ステートメント】
絹はしなやかで、重量感があり、不思議な輝きを持つ素材です。
それは、遠い昔に中国で生まれ、国を超え、海を渡り、日本へ伝えられた素晴らしい宝物です。
何千年も前から、人類に敬愛されてきた絹。
そして、私という存在は、今まで流れてきた長い時間の結果であり、これから起こりうる未来の原因の一部でもあります。
素晴らしい宝物である絹の上に、生まれる前の遠い記憶に潜むような感動的な世界、そして美を探し求め、より多くの人と共感したいと願いつつ作品を制作しています。
絹の上に直接作品を描いていきます。
失敗が許されず、一筆づつ慎重に作業を進めます。
成功というのは、やってみないと分かりません。
人生と同じようなものですね。
頭の中の理想郷をこの絹の上に現実の物として映し出せるよう、日々努めます。
そして、その日々の努めが、理想郷を垣間見る為の、唯一の方法だと思っています。
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● 宇田義久
宇田 作品2宇田義久
aquarium 21-2
2021年
パネル・アクリル・ウレタンニス
91x113cm 
サインあり

宇田作品5宇田義久
水位 21-3
2021年
パネル・アクリル・ウレタンニス
68x18cm 
サインあり

宇田作品7宇田義久
水の記憶 21-2
2021年
パネル・アクリル・ウレタンニス
22.7x15.8cm
サインあり

宇田義久 【ステートメント】
「aquarium」 (水槽)というタイトルをつけた作品のシリーズは、夏に冷房無しでは生きることが厳しくなってきた私たちと、水質や水温などの環境を管理した水槽でしか生きられない、熱帯魚との似た境遇を表しています。すでに滅んでしまったのか、画面を満たす水には魚はいません。透明で澄んだ美しい水は、微生物も生きられない毒水の時もあります。
海から運ばれてきた雲は、雨となって地上に水をもたらし、多くの生物を育んできました。これは人間が誕生する前から繰り返されてきた、自然の大きなシステムのひとつです。しかし、人類が地球環境を侵し続ける現在、多くの生物が危機に瀕していると言います。自然の恩恵を受けながらも、それを侵さなければならない、そんな矛盾の中で私たちは生きています。温暖化や異常気象に脅かされる近年、地球が私たちを拒絶しているのかと感じる時があります。私がここ数年「水」や「気象」をテーマにした作品を作っているのは、そんな寂しい思いが発端かもしれません。
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●釣光穂
ぴろぴろ blu釣光穂
ぴろぴろ blu
2019年
陶土 磁土 顔料
25×27×39cm
サインあり

キンタローマリリン blu釣光穂
キンタローマリリン blu
2020年
陶土 磁土 顔料
9×16×9cm
サインあり

みみつき blu釣光穂
みみつき blu
2020年
陶土 磁土 顔料
14×14×14cm
サインあり

釣光穂 【ステートメント】
日常にあるものやつくる行為を尺度を変えて見つめなおした表現を探求しています。
やきものの原始的な技法であるひもづくりを応用し、土を細く伸ばし撚り合せて積み上げて成形しています。
制作の時間の蓄積で日常の記憶を留め、明るい色彩を与えてやきものの身近で不思議なイメージに繋げようとしています。
普遍的なつくることの喜びや日常の楽しさを感じていただければ幸いです。

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塩見允枝子のエッセイ「フルクサスの回想」第5回を掲載しました。合わせて連載記念の特別頒布会を開催しています。
AAA_0930塩見允枝子先生には11月から2021年4月までの6回にわたりエッセイをご執筆いただきます。3月28日には第5回目の特別頒布会を開催しました。お気軽にお問い合わせください。


埼玉県立近代美術館で「リサーチ・プログラム:関根伸夫と環境美術」が 4月18日(日)まで開催され、関根伸夫(1942-2019)による環境美術の仕事が、写真、図面、スケッチブック、映像等で紹介されています。
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●東京・アーティゾン美術館で「Steps Ahead: Recent Acquisitions 新収蔵作品展示」展が5月9日[日]まで開催され、オノサト・トシノブ、瀧口修造、元永定正、倉俣史朗など現代美術の秀作が多数展示されています。

●東京・天王洲アイルの寺田倉庫 WHAT で「謳う建築」展が5月30日(日)まで開催され、佐藤研吾が出品しています。

●ときの忘れものが青山から〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転して3年が経ちました。もともと住宅だった阿部勤設計の建物LAS CASASを使って、毎月展覧会(Web展)を開催しています。
WEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>の特集も是非ご覧ください。
ときの忘れものはJR及び南北線の駒込駅南口から徒歩約8分です。
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531 
E-mail:info@tokinowasuremono.com 
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。*日・月・祝日は休廊。