コロナ禍は終息どころか拡大の一途、加えて記録的な大雨で各地に被害が広がっています。被災された皆様には心よりお見舞い申し上げます。
県境を越えた移動に自粛が呼びかけられており、亭主はお盆の墓参りも今年は断念しました。
故郷群馬で開催中の展覧会にも残念ですが行けそうにありません。
亭主は1961年に高崎高校に入学したのですが、入学早々、教師たちが誇るべきタカチュウの先輩(旧制高崎中学卒業生)として名を挙げたのは土屋文明と蝋山正道の二人でした。
後に首相となった福田赳夫も中曽根康弘もタカチュウ出身ですが、教師たちが口にすることはありませんでした。
そんなことを思い出したのは、下記の展覧会場が群馬県立土屋文明記念文学館だからです。
「宮沢賢治ーみんなのほんとうのさいわいをさがしにー」展
会期:2021年7月10日(土)~9月20日(月、祝日)
※コロナ禍で昨年開催の予定が一年ずれ、ようやく開催にいたった展覧会です。
会場:群馬県立土屋文明記念文学館
群馬県高崎市保渡田町2000(Tel 027-373-7721)


本展では、童話「銀河鉄道の夜」、「注文の多い料理店」、「セロ弾きのゴーシュ」など数々の作品を生み出した宮沢賢治の生涯と作品の紹介を行います。
宮沢賢治は明治29(1896)年に岩手県花巻市で生まれ、文学・科学・農業・教育・宗教など、様々な分野で活躍しました。独特の世界観をもつ賢治の作品は、幅広い世代に愛され、親しまれています。賢治の人物像や作品世界を深く味わっていただければと思います。
※会期中、特別展示として、宮沢賢治「雨ニモマケズ手帳」原本を展示します。
展示期間:令和3年8月7日(土)~8月20日(金)
(群馬県立土屋文明記念文学館ホームページより)
8月29日(日)には実践女子大学名誉教授、公益財団法人日本近代文学館理事の栗原敦さんの講演もあります(申込受付終了)。
■土屋文明 明治23年(1890年)~平成2年(1990年)
明治23年、群馬県西群馬郡上郊(かみさと)村(現・高崎市)保渡田(ほどた)の農家に生まれる。幼少期は伯父の家で育てられ、伯父の膝の上で講談を聞くなど貴重な体験をする。高崎中学在学中から文学を志し、蛇床子の筆名で俳句や短歌を「アカネ」「ホトトギス」に投稿する。中学の国漢教師村上成之が根岸派の歌人、俳人であることを知り、成之に師事し自然主義文学の目を開かれる。
卒業後、成之の紹介により伊藤左千夫を頼って上京、左千夫の家に住み込み短歌の指導を受け「アララギ」に参加する。その後、一高を経て東大に進む。一高、東大の学友には、山本有三、近衛文麿、芥川龍之介、久米正雄らがいた。東大在学中から芥川、久米らと第三次「新思潮」の同人に加わり、井出説太郎の筆名で小説、戯曲を書いた。
大正6年、「アララギ」の選者に加わる。大正7年から13年まで、島木赤彦の紹介により諏訪高女の教頭として赴任し、諏訪高女、松本高女の校長を歴任する。大正14年、第一歌集『ふゆくさ』を出版、歌壇の絶賛をあびる。以後、実感的、生活的、即物的な作風で多くの歌集を出版するとともに万葉集の研究にも打ち込み万葉学者としての地位を確立する。昭和5年斎藤茂吉から編集発行人を引き継ぎアララギの指導的存在となる。昭和20年、戦災に遭い吾妻郡原町(現東吾妻町)川戸に6年半の疎開生活を送る。この間、渓谷沿いの静かな自然の中で自給自足の生活を送りながら、『万葉集私注』の執筆、「アララギ」の復興、アララギ地方誌の育成などに精力的に活動した。
昭和28年、日本芸術院会員、38年、宮中歌会始召人、59年、文化功労者、61年、文化勲章を受章する。平成2年、肺炎及び心不全により100歳で死去。
群馬県名誉県民、群馬町名誉町民、東京都名誉都民。
主な著書に『万葉集年表』、『万葉集私注』、『短歌入門』、『ふゆくさ』、『山谷集』、『韮菁集』、『山下水』、『青南集』等がある。
●カタログより


カタログにも記載があったとおり、草野心平の前橋(群馬県)移住の折から群馬県の文学者と直接的な交流があったであろう宮沢賢治。直接的な交流の有無は定かでないものの、萩原朔太郎の影響があった可能性もあります。
萩原氏の第一詩集『月に吠える』その挿画にも関心を持ったようです。
『月に吠える』には恩地孝四郎の挿画がありました。
宮沢賢治が恩地作品に影響を受けた作品を制作しているところは面白いです。
●今日のお勧め作品は、熊谷守一です。
熊谷守一 KUMAGAI Morikazu
《夜の月》
※原作1961年作
2019年 シルクスクリーン(刷り:石田了一)
33.0×23.8cm Ed.80 印あり
作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください。
●ときの忘れものは2017年に青山から〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました。もともと住宅だった阿部勤設計の建物LAS CASASを使って、毎月展覧会(Web展)を開催し、美術書の編集事務所としても活動しています。
WEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>の特集も是非ご覧ください。
ときの忘れものはJR及び南北線の駒込駅南口から徒歩約8分です。
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531
E-mail:info@tokinowasuremono.com
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。*日・月・祝日は休廊。
県境を越えた移動に自粛が呼びかけられており、亭主はお盆の墓参りも今年は断念しました。
故郷群馬で開催中の展覧会にも残念ですが行けそうにありません。
亭主は1961年に高崎高校に入学したのですが、入学早々、教師たちが誇るべきタカチュウの先輩(旧制高崎中学卒業生)として名を挙げたのは土屋文明と蝋山正道の二人でした。
後に首相となった福田赳夫も中曽根康弘もタカチュウ出身ですが、教師たちが口にすることはありませんでした。
そんなことを思い出したのは、下記の展覧会場が群馬県立土屋文明記念文学館だからです。
「宮沢賢治ーみんなのほんとうのさいわいをさがしにー」展
会期:2021年7月10日(土)~9月20日(月、祝日)
※コロナ禍で昨年開催の予定が一年ずれ、ようやく開催にいたった展覧会です。
会場:群馬県立土屋文明記念文学館
群馬県高崎市保渡田町2000(Tel 027-373-7721)


本展では、童話「銀河鉄道の夜」、「注文の多い料理店」、「セロ弾きのゴーシュ」など数々の作品を生み出した宮沢賢治の生涯と作品の紹介を行います。
宮沢賢治は明治29(1896)年に岩手県花巻市で生まれ、文学・科学・農業・教育・宗教など、様々な分野で活躍しました。独特の世界観をもつ賢治の作品は、幅広い世代に愛され、親しまれています。賢治の人物像や作品世界を深く味わっていただければと思います。
※会期中、特別展示として、宮沢賢治「雨ニモマケズ手帳」原本を展示します。
展示期間:令和3年8月7日(土)~8月20日(金)
(群馬県立土屋文明記念文学館ホームページより)
8月29日(日)には実践女子大学名誉教授、公益財団法人日本近代文学館理事の栗原敦さんの講演もあります(申込受付終了)。
■土屋文明 明治23年(1890年)~平成2年(1990年)
明治23年、群馬県西群馬郡上郊(かみさと)村(現・高崎市)保渡田(ほどた)の農家に生まれる。幼少期は伯父の家で育てられ、伯父の膝の上で講談を聞くなど貴重な体験をする。高崎中学在学中から文学を志し、蛇床子の筆名で俳句や短歌を「アカネ」「ホトトギス」に投稿する。中学の国漢教師村上成之が根岸派の歌人、俳人であることを知り、成之に師事し自然主義文学の目を開かれる。
卒業後、成之の紹介により伊藤左千夫を頼って上京、左千夫の家に住み込み短歌の指導を受け「アララギ」に参加する。その後、一高を経て東大に進む。一高、東大の学友には、山本有三、近衛文麿、芥川龍之介、久米正雄らがいた。東大在学中から芥川、久米らと第三次「新思潮」の同人に加わり、井出説太郎の筆名で小説、戯曲を書いた。
大正6年、「アララギ」の選者に加わる。大正7年から13年まで、島木赤彦の紹介により諏訪高女の教頭として赴任し、諏訪高女、松本高女の校長を歴任する。大正14年、第一歌集『ふゆくさ』を出版、歌壇の絶賛をあびる。以後、実感的、生活的、即物的な作風で多くの歌集を出版するとともに万葉集の研究にも打ち込み万葉学者としての地位を確立する。昭和5年斎藤茂吉から編集発行人を引き継ぎアララギの指導的存在となる。昭和20年、戦災に遭い吾妻郡原町(現東吾妻町)川戸に6年半の疎開生活を送る。この間、渓谷沿いの静かな自然の中で自給自足の生活を送りながら、『万葉集私注』の執筆、「アララギ」の復興、アララギ地方誌の育成などに精力的に活動した。
昭和28年、日本芸術院会員、38年、宮中歌会始召人、59年、文化功労者、61年、文化勲章を受章する。平成2年、肺炎及び心不全により100歳で死去。
群馬県名誉県民、群馬町名誉町民、東京都名誉都民。
主な著書に『万葉集年表』、『万葉集私注』、『短歌入門』、『ふゆくさ』、『山谷集』、『韮菁集』、『山下水』、『青南集』等がある。
●カタログより


カタログにも記載があったとおり、草野心平の前橋(群馬県)移住の折から群馬県の文学者と直接的な交流があったであろう宮沢賢治。直接的な交流の有無は定かでないものの、萩原朔太郎の影響があった可能性もあります。
萩原氏の第一詩集『月に吠える』その挿画にも関心を持ったようです。
『月に吠える』には恩地孝四郎の挿画がありました。
宮沢賢治が恩地作品に影響を受けた作品を制作しているところは面白いです。
●今日のお勧め作品は、熊谷守一です。
熊谷守一 KUMAGAI Morikazu《夜の月》
※原作1961年作
2019年 シルクスクリーン(刷り:石田了一)
33.0×23.8cm Ed.80 印あり
作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください。
●ときの忘れものは2017年に青山から〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました。もともと住宅だった阿部勤設計の建物LAS CASASを使って、毎月展覧会(Web展)を開催し、美術書の編集事務所としても活動しています。
WEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>の特集も是非ご覧ください。
ときの忘れものはJR及び南北線の駒込駅南口から徒歩約8分です。
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531
E-mail:info@tokinowasuremono.com
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。*日・月・祝日は休廊。
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