磯崎新の版画制作 第2回
磯崎新版画集 ヴィッラ
1978年12月1日発行
現代版画センターエディション
シルクスクリーン4点組、刷り:石田了一
イメージサイズ:47.0×47.0cm
シートサイズ:65.0×50.0cm
限定75部 サインあり

ヴィッラYa
磯崎新「ヴィッラYa
1978年
シルクスクリーン
イメージサイズ:47.0×47.0cm
シートサイズ:65.0×50.0cm
Ed.75
サインあり

ヴィッラKr
磯崎新「ヴィッラKr
1978年
シルクスクリーン
イメージサイズ:47.0×47.0cm
シートサイズ:65.0×50.0cm
Ed.75
サインあり

ヴィッラKu
磯崎新「ヴィッラKu
1978年
シルクスクリーン
イメージサイズ:47.0×47.0cm
シートサイズ:65.0×50.0cm
Ed.75
サインあり

ヴィッラAo
磯崎新「ヴィッラAo
1978年
シルクスクリーン
イメージサイズ:47.0×47.0cm
シートサイズ:65.0×50.0cm
Ed.75
サインあり
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磯崎新版画集 ヴィッラ1978年カタログ

磯崎新版画集 ヴィッラ1978年


磯崎新のことば
<特に、外国に行ってみても感ずるわけですが、いろいろな建築家がぼくの建築を批評して、アート・オリエンテッドアーキテクト、芸術志向型の建築家だというんですね。そういう決めつけられ方がされてきたことは、ぼくの今までの生き方が映されており、ある意味では、ぼくの建築に対するかかわり方を言いきられたという気持がないではありません。
では、何故アート・オリエンテッドかと言うと、そんなにはっきりとぼく自身わからないけど、日本にもアート・オリエンテッドの建築家がいることはいるわけですが、彼らは日本古来の工芸的な志向をしていただけで、現代芸術と関係をもって考えていこうとしていた人は殆んどいませんでした。そんななかで、ぼくはいろいろなアーチストと友達になったわけです。60年代の初期には、東京ではネオダダの人達、荒川修作などと一緒に仕事をしようと計画したこともありました。
そんなこともあったけれど、ぼくにとっては、瀧口修造さんが道を開いてくれたような気がするのです。やっぱり滝口さんは詩人なんですが、芸術の広い領域をおおえる唯一の人だったし、いろいろな領域の中で生まれてくる一人一人にオリエンテーションをつけたように思っています。滝口さんはそんなことは言わないのだけれど、話をすることによって、大概の人は自然に影響を受けている。前にぼくは、滝口さんを触媒のような人だといったことがあるんですけど。しかしアーチストとしてやっていこうという気はさらさらないわけで、職業としては建築家としてやっていきたいわけです。むしろ建築の中に、美術と同じ次元で議論できる部分を発生させたい。自分の仕事の中にそういうものをくみいれたいという気が強いんです。だから、アート・オリエンテッドでいいと思います。>

<なかなか一言で言えないんですけれども、建築は、どうしても時代の中では後衛に属する部分だと思うんです。建築は最低限、それに関わる人々のコンセンサスが必要なわけです。ある先端的なアイデアが実現するまでには、その過程にいろいろな人たちを巻込まねばなりません。その場合、現実とのストラッグルが生ずるわけだけれど、イチかバチかという方法をとるのではなく、ほんのわずかでもかかわる人までをジワジワ引っぱり込んでいくことが必要だと思います。それが建築の表現に現れるかということを考えることが大切だと思います。イメージとどう接触するかということにあると思うんです。そういうことを触発し喚起するものを、ぼくは取出したいという気持があります。伝統的保守的なものを、そのまま使えば簡単なんですが、そうではない次元でやりたい。その場合、簡単なイメージを取出して、具体的なものに接合することになるんですね。
現在は以前とちがって、そんなに直接的に現れるとは思っていません。ですから、今の時点ではむしろ、一見コンセプトはわかりにくいといわれるけれども、出来あがったものは一般の人にかなり明瞭にわかってもらえる、そういう手がかりになりえる建築を考えてみたいという方向にあります。>
(磯崎新 『’77現代と声 版画の現在』25ページより)

「’77現代と声 版画の現在」表紙IMG_2286’77現代と声 版画の現在
編集:北川フラム (「現代と声」実行委員長)
発行:1978年9月5日
発行所:現代版画センター
執筆者、座談会、対談出席者:
靉嘔、オノサト・トシノブ、磯崎新、加山又造、小野具定、一原有徳、野田哲也、関根伸夫、元永定正、山田光春、岡部徳三、植田実、多木浩二、橋本誠二、吉村貞司、窪田般彌、尾崎正教、針生一郎、鈴木進、松永伍一、峯村敏明、立松和平、黒田三郎、大島辰雄、谷川俊太郎、松村寛、粟津潔、菅井汲、飯田善国、中原佑介、布野修司、北川フラム
*「現代と声」全国展は1977年10月21日の渋谷、ヤマハエピキュラスにおける「一日だけの展覧会」を皮切りに1978年2月まで全国を縦断して行われた。 それらの会場では展示のほかにパネルディスカッションをはじめとする様々なイヴェントが行われた。



●ときの忘れものは2017年に青山から〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました。もともと住宅だった阿部勤設計の建物LAS CASASを使って、毎月展覧会Web展)を開催し、美術書の編集事務所としても活動しています。
WEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>の特集も是非ご覧ください。
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