こんにちわ、スタッフMです。
2022年4月27日に桐生・大川美術館へ行ってきましたので、写真満載でレポートいたします。
(大川美術館様の許可をいただいています)
都心から2時間半かけてJR「桐生」駅に到着。駅からタクシーで坂道を登り、着いたところは緑に囲まれた静かな場所。入口には、開催中の「生誕110年 みんなのオノサト・トシノブ展」の垂れ幕が掲げられていました。

IMG_8202大川美術館 入口。
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IMG_8211大川美術館の館内の案内。最上階から入り下っていくという順路。

IMG_8209まずは常設展の展示室1から。はじめは、フェルナン・レジェ「コンポジション」。

IMG_8247奥には川上澄生桂ゆきなどが並ぶ。

IMG_8241左から、マルク・シャガール「版画集『聖書』より ダビデとアブサロン」、「版画集『聖書』より ハープを手にしたダビデ」、「版画集『聖書』「列王記」より ソロモン」 1956年 リトグラフ

IMG_8235左)マックス・エルンスト 右)こちらもエルンスト

IMG_8229ジョアン・ミロ『4つの色』より 作品1~4 1975年 エッチング・アクアチント・紙

IMG_8256右から2番目は、熊谷守一「白ばら」油彩・板

IMG_8255階段を下って展示室2へ。階段の途中にも掛井五郎のブロンズが設置してあります。

IMG_8293「オノサト・トシノブと交流のあった画家たち」と題した展示室。
左から、靉嘔瑛九池田満寿夫、オノサト・トモコ、磯辺行久、柳原義達。

IMG_8277靉嘔「久保さんのイス」シルクスクリーン

IMG_8280瑛九「作品」1950年 フォト・デッサン

IMG_8273舟越保武「田沢湖のたつこ(エスキース)」1967年 ブロンズ

IMG_8299常設展を観終わり、ここからが「生誕110年 みんなのオノサト・トシノブ展」です。

オノサト・トシノブ(1912~1986)の略歴
1912年長野県生まれ。その後群馬県桐生に移り住む。本名・小野里利信。津田青楓洋画塾に学ぶ。35年黒色洋画展を結成。38年自由美術家協会会員となる(~56年、以後無所属)。41年に一兵卒として出征、戦後のシベリア抑留を経て48年に帰国後は桐生のアトリエでひたすら円を描き続けた。64年・66年にはベニス・ビエンナーレに日本代表として出品。戦前、戦後と親友の瑛九とともに前衛美術の道を歩み続けた。86年永逝。

IMG_83011970年代のオノサト・トシノブ。(モノクロ写真)

IMG_8308オノサト・トシノブ「電球とつりひも」1935年 油彩・カンヴァス

IMG_8312オノサト・トシノブ「紙ばり」1940年 墨・和紙・コラージュ

IMG_8372オノサト・トシノブ「作品」1959年 油彩・カンヴァス
今回の展覧会のフライヤーに使われている作品。

IMG_8318展示室2は一番広いフロア。オノサト大きな油彩も飾られています。その奥には・・・

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再現された松本竣介のアトリエが展示されています。
竣介のアトリエ再見プロジェクト」によって再現された下落合のアトリエ。
企画:公益財団法人 大川美術館
監修:松本莞
展示施工:株式会社 東京スタデオ
展示期間:2018年10月13日(土)ー2023年3月31日(金)※要確認
資金:クラウドファンディングによる(2018年6月1日から7月31日までの2か月間にわたり支援者を募った)

IMG_8341座卓。ここで原稿を書いたり読書をしたり素描を描いたりしていたそう。

IMG_8344座卓を拡大して撮影。机の上にペンあり。

IMG_8324「綜合工房」の手彫の看板。

IMG_8339竣介が手元に置いてくりかえし見ていたという書籍。左から「藤田嗣治画集」「モヂリアニ画集」「野田英夫作品集」。

IMG_8335墨壺(すみつぼ)と天秤(てんびん)。これらは実際に使用していたのではなくアトリエに置かれていたとのこと。

IMG_8352椅子とイーゼル

IMG_8326 - コピー写真左)蔵書の前の松本竣介 アトリエにて(1940年) 写真右)イーゼルの前に座る松本竣介

IMG_8350イーゼルの上にはパレット。

IMG_8336右側手前の白い棚は手製のもの。画材が並べられている。

IMG_8325セザンヌやデカルトの本

IMG_8337 kokokara急須や茶わんなど

IMG_8331松本竣介素描作品が飾られている。

IMG_8354松本竣介「自画像」1941年頃 鉛筆・紙

さて、ここからまたオノサト作品に戻りまして・・・

IMG_8374今回初公開となるオノサト・トシノブ「自画像」1933年頃 鉛筆・紙
本作は、オノサトとともにグループ・黒色洋画展を結成した野原隆平遺贈の作品とのこと。

IMG_8395オノサト・トシノブ「果物」1950年 油彩・カンヴァス
果物のフレッシュさが伝わる色彩。上手いですね。抽象画家の画力はこういう作品を見るとよくわかりますね。

IMG_8385オノサト・トシノブ「裸瑛九」1938年 水彩・紙
インパクト大の瑛九の姿。オノサトと瑛九の間柄がうかがえます。

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IMG_8405オノサト・トシノブ「人」 1949年 油彩・カンヴァス 116.7×91.0cm

IMG_8410オノサト・トシノブ「人」 1949年の部分拡大

IMG_84411950年代後半のベタ丸が並ぶ一室。平日でこの部屋を独り占めすることができました。至高の時間。

IMG_8439オノサト・トシノブ「四つの円」1958年 油彩・カンヴァス

IMG_8448展示室3・4・5・6は、また階段を降ります。

IMG_84571960年から円の分割がはじまります。

IMG_8462中でも私が魅かれたのは小品ですが、菓匠 青柳「サン・サブレ―」パッケージ原画の「作品」1965年頃 水彩・紙 です。お菓子のパッケージに使われていたとのことでオシャレですね。

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IMG_8476リトグラフやシルクスクリーンが並ぶ部屋もありました。

IMG_8483右には、リトグラフの逸品「59-B」。

IMG_8493資料も展示されていました。右から3番目に見えるのが「朱の丸」

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IMG_8486また階段を下ります。

IMG_8512現代版画センターのエディション作品も展示されていました。
右)オノサト・トシノブ《Tapestry A》1977年 捺染、布
左)オノサト・トシノブ《Tapestry B》1977年 捺染、布

IMG_8524最後の部屋には、桐生の住民の皆さん所蔵のオノサト版画やポスターが展示されているコーナー。担当学芸員の 小此木美代子先生に伺うと、桐生からみたオノサトを展示しようと企画したものだそう。地元紙1社で広報しただけで、「私こんなの持ってますあの人あれ持ってます」と次々と作品が集まってきて、会期中も作品が増えそうとのこと。瑛九の地元宮崎を思い出しながら地元の力はすごいなぁと思いました。
桐生まで行くのに時間はかかりますが、みなさんもぜひ大川美術館まで足を運んでみてはいかがでしょうか。
「生誕110年 みんなのオノサト・トシノブ展」は、6月19日までです。
スタッフM

●「生誕110年 みんなのオノサト・トシノブ展
会期:2022年4月23日~6月19日 *休館日:月曜
主催・会場:大川美術館
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●本日のお勧め作品はオノサト・トシノブです。
オノサト・トシノブ「銀河 Galaxy 」
オノサト・トシノブ「銀河 Galaxy」"Galaxy"
1981年  シルクスクリーン
イメージサイズ:43.7×100.0cm
シートサイズ:54.8×111.0cm
Ed.150  Signed  ※レゾネNo.174

●ときの忘れものは2017年に青山から〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました。阿部勤が設計した個人住宅だった空間で企画展の開催、版画のエディション、美術書の編集等を行なっています(WEBマガジン コラージ2017年12月号18~24頁の特集参照)。
JR及び南北線の駒込駅南口から徒歩約8分です。
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531 
E-mail:info@tokinowasuremono.com
http://www.tokinowasuremono.com/
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。*日・月・祝日は休廊