在宅勤務の昼休みに走って観てきた。1908年撮影という古さを感じさせないアジェの作品、「地獄」という名の装飾的なキャバレー入口(=ボマルツィオの奇想庭園的)を撮ったドアノーの写真、個展を見逃していた前衛的な奈良原一高まで観られた。インクジェットでないプリントの美しさを再発見。明日まで。
(20220729/lentil_beansさんのtwitterより)>

昨日は猛暑の中、ご近所さんから、遠くは広島から、珍しく千客万来でした。
長~~い間、売れなかった風間健介の名作がようやく売れ、社長はほっ!

ときの忘れものの来廊者は通常は一日お一人か、数人。
昨日のように10人もいらしたら100倍の「千客万来」と称しております(笑、白髪三千丈)。

それにしてもこの暑さの中「昼休みに走って観てきた」は嬉しいですね。

シリーズ企画「銀塩写真の魅力展」もそろそろネタ切れになってきたのであと数年は開催できないでしょう。本日が最終日です。お見逃しなく。

ところで、ブログ解析によると人気記事が1位から30位までが表示されるのですが、
7月1日~29日の間のベスト10は、順位が大激変でした。

1. 2022-07-05 小国貴司のエッセイ「かけだし本屋・駒込日記」第58回
2. 2022-07-18 石原輝雄のエッセイ「美術館でブラパチ」第15回 東京都写真美術館
3. 2022-07-22 井戸沼紀美のエッセイ「二十二日の半券」第12回『WANDA/ワンダ』
4. 2018-05-04 「中心のある家」阿部勤邸を訪ねて
5. 2022-07-11 中村哲医師とペシャワール会を支援する7月頒布会
6. 2022-07-01 大竹昭子のエッセイ「迷走写真館~一枚の写真に目を凝らす」第114回
7. 2022-07-12 ポーラ美術館を訪ねて
8. 2022-07-15 「銀塩写真の魅力 Ⅷ展」7月19日~7月30日
9. 2022-07-03 瀧口修造のエッセイ「現前するガウディ」
10. 2022-07-16 丹下敏明のエッセイ「ガウディの街バルセロナより」第3回

大竹昭子さん、杉山幸一郎さんが長い間、ベスト3の常連だったのですが、今月は予想外でした。
お近くの古本屋さんBOOKS青いカバの小国さんがいきなり首位。ご本人もキョトンとしてました。
続いて京都のマン・レイイスト石原輝夫さんが僅差の第2位、美術館からは黙殺されましたが、やはり見ている人はいるのですね。
第3位の井戸沼さん(ブログ連載の最年少執筆者)は選ぶ映画のラインナップが秀逸なので、いつも多くの方に読まれており、ベスト10の常連になりました。
余談ですが、今月井戸沼さんが取り上げたのは『WANDA/ワンダ』。監督・主演のバーバラ・ローデンは、エリア・カザン監督の「草原の輝き」に出演していたことを今回初めて知りました。ナタリー・ウッドは亭主もファンで、思わず高校生の頃愛唱していたワーズワースの詩編が口をついてでました。
 草の輝くとき 花美しく咲くとき 
 ふたたび それは帰らずとも 嘆くなかれ-- 
 その奥に秘められし 力を見出すべし

第4位は、ほとんどが当月の記事なのに4年も前の記事「「中心のある家」阿部勤邸を訪ねて」。今月だけでなく、毎月繰り返し繰り返し読まれています。
わがときの忘れものの建築空間も阿部先生の設計です。

doisneau_06_Un-regard-obliqueNo.4
ロベール・ドアノー
"Un regard oblique" 斜めの視線
1948年撮影(1978年プリント)
ゼラチンシルバープリント
イメージサイズ:33.5x37.7cm
シートサイズ:50.7x60.8cm


アジェ Port dans la rue Ean deNo.5
ジャン=ウジェーヌ・アジェ
"Port dans la rue Eau de Robec, Rouen"
1908年(1977年プリント)
ゼラチンシルバープリント
イメージサイズ:23.3×17.4cm
シートサイズ:23.8×17.5cm
※ピエール・ガスマンによるプリント


イモージン・カニンガムNo.6
イモージン・カニンガム
横たわったフェニックス
1968年(1990年プリント)
ゼラチンシルバープリント(エステート版)
イメージサイズ:48.0×38.0cm
シートサイズ:70.5×55.5cm
作家名と印のエンボスあり

s-マン・レイ_顔No.7
マン・レイ
》(『ファースト・ステップス』より)
1920年(1971年プリント)
ゼラチンシルバープリント
イメージサイズ:25.2×14.2cm
シートサイズ:25.2×14.2cm
Ed.8(E.A..)
裏面にスタンプあり


narahara_17_wthv3No.10
奈良原一高
写真集〈消滅した時間〉より《二つのごみ罐-ニュー・メキシコ、1972》
1972年 (Printed 1975)
ゼラチンシルバープリント
イメージサイズ:26.9×39.9cm
シートサイズ:40.6×50.8cm
サインあり


01
イモージン・カニンガム《横たわったフェニックス》



04
奈良原一高 Ikko NARAHARA
澁澤龍彦 オマージュ〈スター・レクイエムーシブサハ〉(7) ユニコーン(一角獣)の乗り心地は… と (6) サド侯爵に逢いましたか…


05
奈良原一高 Ikko NARAHARA
澁澤龍彦 オマージュ〈スター・レクイエムーシブサハ〉(5) ヒヤデス星団の香り… と (4) スバル風…


06
奈良原一高 Ikko NARAHARA
澁澤龍彦 オマージュ〈スター・レクイエムーシブサハ〉(3) アルデバランの幾何学… と (2) プレアデス星団の彼方に何が見えますか…



07
マン・レイ《ジャン・コクトー》 と 《顔》(『ファースト・ステップス』より)


08
ロベール・ドアノー "Les cantinieres be la foi" と ジャン=ウジェーヌ・アジェ "Port dans la rue Eau de Robec, Rouen"


09
ロベール・ドアノー "Un regard oblique" 斜めの視線 と "La baiser de l'Hotel de Ville, Paris" パリ市庁舎前のキス と "L'ENFER" キャバレー地獄


10


11
風間健介《夕張 清水沢発電所(1)》



14
風間健介《清水沢宮前町》


15
風間健介《北炭清水沢発電所(解体途中)》


16
風間健介《真谷地地区》


17
奈良原一高 写真集〈消滅した時間〉より《二つのごみ罐-ニュー・メキシコ、1972》


銀塩写真の魅力VIII展
会期=2022年7月19日(火)~7月30日(土) 11:00-19:00 ※日・月・祝日休廊

銀塩写真の魅力展_表
銀塩写真の魅力展_裏

 20世紀は映像の時代でした。写真を筆頭に、映画、テレビなどの発明は人々の世界を一挙に広げ、情報が目に見える形でいきわたる時代になりました。
 写真についていえば、ゼラチン・シルバー・プリント(銀塩写真)の時代でした。写真家は当時最先端のゼラチンシルバープリントを使い作品を生み出してきました。しかし今世紀に入るや、銀塩写真を中心とするアナログ写真は、デジタルカメラの進化により消え行く運命にあるといっても過言ではありません。
 ときの忘れものではアナログ技術によって創造された作品の魅力を広く知っていただこうと2009年から「銀塩写真の魅力展」をシリーズ企画として開催してきました。
 第8回目となる本展は、ジャン=ウジェーヌ・アジェ(1857-1927)、イモージン・カニンガム(1883-1976)、マン・レイ(1890-1976)、ロベール・ドアノー(1912-1994)、奈良原一高(1931-2020)、風間健介(1960-2017)たちの銀塩写真を展示します。

●ときの忘れものは2017年に青山から〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました。阿部勤が設計した個人住宅だった空間で企画展の開催、版画のエディション、美術書の編集等を行なっています(WEBマガジン コラージ2017年12月号18~24頁の特集参照)。
JR及び南北線の駒込駅南口から徒歩約8分です。
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531 
E-mail:info@tokinowasuremono.com
http://www.tokinowasuremono.com/
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。*日・月・祝日は休廊