先日、名古屋で開催中の国際芸術祭「あいち2022」に行ってきました(10月10日まで)。
塩見允枝子先生が出品している「スペシャル・ポエム:移動のイヴェント 2022版」に、なんと! 私尾立は光栄なことに参加させていただきました。
「スペシャル・ポエム:移動のイヴェント」には18か国、61名の方が参加したそうで、会場には大きな世界地図となって、61人の多種多様な移動が報告されていました。地図上の東京に私の「移動のイヴェント」の報告も見つけ、感無量でした。
 「スペシャル・ポエム:移動のイヴェント」は、「いつ、何を何処から何処へ、どのように移動させたかを知らせてください。」という、ある一定の期間に何を移動させたか報告するというもの。毎日のように自分も物も移動しいているし、簡単と思われるかもしれませんが、意識して何かを移動させること、そして言葉にして報告することはなかなか難しい。しかも私はこの期間、コロナに感染してしまい、家から一歩も移動ができなかったこともあり、何を移動したらいいのか迷いに迷いました。奇をてらわず、日常の中でささやかな「移動のイヴェント」を実行し、無事報告をしました。
あいち2022に行かれた方は、是非私の移動のイヴェントの報告を探してみてください。
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 8月6日には「あいち2022」で開催された塩見允枝子先生の 公演を2作品鑑賞してきました。
塩見允枝子パフォーマンス作品『~音と詞と行為の時空~』「詞と概念を演奏する」
塩見 允枝子パフォーマンス作品『~音と詞と行為の時空~』「ピアノ×パフォーマンス」

 塩見先生は作曲家・演出家としてパフォーマンスを観客席で見守り、パフォーマンスを行うのは音大や芸大を卒業したそれぞれの道でご活躍されている男女8名。
「ピアノ×パフォーマンス」は、出演者が発する言葉と、ピアノやギター、鍵盤ハーモニカなどの楽器、また見たことも聞いたこともない音が出る楽器や、楽器ではないけれど音が出るもの(缶や風船やメトロノーム他多数)を使い、パフォーマンスが行なわれました。
どのパフォーマンスも夢中になるほど面白く、特に強烈な印象だったパフォーマンス「幽閉された奏鳴曲」は、響板がはずされたグランドピアノでベートーヴェンの「月光」を弾いている最中に、別のパフォーマー3名がハンマーみたいなもので弦などのピアノの内部を叩きまくるというもの。叩く音が雑音なはずなのにそうとは感じられず、衝撃的で、圧巻でした。
 「詞と概念を演奏する」では、ことば遊びのようなパフォーマンスがあり、私は聴覚を集中させて、パフォーマーが発する言葉にどんなルールがあるのだろうと考えながら鑑賞しました。どの作品も目を見張るものがあり、1公演45分があっという間に過ぎ、私は息をするのを忘れるくらい夢中になっていました。
塩見先生のパフォーマンスをより多くの方に観ていただきたいので、東京でも是非公演をしていただきたいと願います。

明日2日からときの忘れもので開催する『塩見允枝子+フルクサス』をご案内します。
会期=2022年9月2日[金]~9月17日[土]  11:00-19:00 ※日・月・祝日休廊

 本展では、塩見允枝子(b.1938)の《スペイシャル・ポエムへの招待状セット》や、様々な音楽が入ったCD の破片が散りばめられた〈夢見るための枕〉シリーズ、音楽的コンセプトが各小瓶の中に詰まった《音楽の小瓶 #1~#14》など約25点の作品を展示します。吹き抜けには、それぞれの星座を観測するための窓を作成した連作〈星座を観るための窓〉10点をご覧いただきます。
また、貴重なフルクサス新聞や、ジョージ・マチューナス(1931-1978)、ナム・ジュン・パイク(1932-2006)、靉嘔(b.1931)、斉藤陽子(b.1929)、アレン・ギンズバーグ(1926-1997)、ジョナス・メカス(1922-2019)、ヨーゼフ・ボイス(1921-1986)、マース・カニングハム(1919-2009)、ジョン・ケージ(1912-1992)などフルクサスの作家たちの作品も併せてご覧いただきます。

 この展覧会の記念として『塩見允枝子+フルクサス』カタログを刊行します。
特装版(Ed.35)27,500円、限定版(Ed.365)3,300円です。

塩見先生ご自身に企画監修いただいた特装版には、1990年に作曲された「マチューナスへの鎮魂曲」オリジナル・カセットテープと同曲の塩見先生による自筆譜、サイン入りはがきがアタッシュケースに収納されています(限定35部)。
詳しくは8月28日ブログをご参照ください。

『塩見允枝子+フルクサス SHIOMI Mieko+FLUXUS』限定版カタログ
・塩見允枝子/作品点数:30点 図版点数:46図 挿図:12図(日英) 
・フルクサス/9作家・作品点数:28点 図版点数:47図
(ジョージ・マチューナス、ナム・ジュン・パイク、靉嘔、斉藤陽子、アレン・ギンズバーグ、ジョナス・メカス、ヨーゼフ・ボイス、マース・カニングハム、ジョン・ケージ)
  執筆:塩見允枝子「フルクサスの回想」「主要作品解説」
  編集・デザイン:柴田卓
  写真:Colla: J 塩野哲也
  資料作成:尾立麗子、松下賢太
  翻訳:新澤悠、勝見美生
  体裁:サイズ24.0cm×16.0cm、110頁、日本語・英語併記
  発行:ときの忘れもの
限定版(365部) 3,300円 送料250円
アタッシェケース入り特装版(限定35部)27,500円 送料1,500円
  A)カタログ本体限定番号入り、サイン入りはがき
  B)「マチューナスへの鎮魂曲」オリジナルカセットテープ
  C)同曲の塩見允枝子自筆譜面・サイン入り(限定35部)
  D)収納用アタッシェケース

●「塩見允枝子+フルクサス」展
会期=2022年9月2日(金)~9月17日(土)※日・月・祝日休廊
塩見展DM表