<瑛九は一九三六年にフォト・デッサン集「眠りの理由」を公にしたが、この種のフォトグラムのかなり早い仕事であった。しかしそれは技法の新らしさよりも、かれが写真の媒材を画家の欲望でほしいままに扱ってきたということに意義があった。かれは写真専門家の技術意識にとらわれず、光と印画紙とのあいだに、かれのヴィジョンは飛び跳ねるのである。その態度は戦後のフォト・デッサンでいっそう露骨に現われてきた。だから私が「光の創作版画」と呼びたくなったのも自然であろう。私は版画からも写真は生れたのだという歴史観を抱いているものだが、瑛九はどんな契機からか、この光の定着にとりつかれ、こんどはいわば逆の径路をとったかのように銅版画、ついで石版画に手を染めていった。いま銅版画集「不安な街」を取りだしてみると、銅版画としては素朴な技術とフォルムであるとはいえ、官能的なものがなまなましく鮮魚の腹のように現われている。ここに瑛九の芸術に見え隠れしている生のもうひとつの秘密があるのだろう。
(瀧口修造「ひとつの軌跡 瑛九をいたむ」より、『美術手帖』1960年5月号)>
「第33回瑛九展/湯浅コレクション」を開催中です。
会期:前期=2023年6月2日(金)~6月17日(土)/後期=6月20日(火)~6月24日(土) 11:00-19:00 ※日・月・祝日休廊
*前期の全作品のデータは5月31日ブログをご参照ください。
※価格についてはメールにてお問合せください。
今回出品する瑛九のフォト・デッサンの中には、生前アメリカで企画された(結局は実現しなかった)個展のためにいったんはアメリカに渡り、その後日本に戻ってきた作品も含まれています。人や動物などに切り抜いた型紙を使って光でデッサンをした複雑な「フォト・デッサン」を是非ご覧ください。
























こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください。
●展覧会に合わせてカタログを刊行しました。
『第33回瑛九展/湯浅コレクション』図録
発行日:2023年6月2日
発行:有限会社ワタヌキ/ときの忘れもの
図版:40点
写真:15点
執筆:大谷省吾(東京国立近代美術館)、小林美紀(宮崎県立美術館)、工藤香澄(横須賀美術館)
翻訳:小川紀久子、新澤悠(ときの忘れもの)
編集:Curio Editors Studio
デザイン:柴田卓
体裁:B5判、84頁、日本語・英語併記
価格:2,750円(税込)+送料250円
◆「第33回瑛九展/湯浅コレクション」
前期=2023年6月2日(金)~6月17日(土)/後期=6月20日(火)~6月24日(土)
11:00-19:00 ※日・月・祝日休廊
カタログを刊行しました。詳しくは5月20日ブログをお読みください。

(瀧口修造「ひとつの軌跡 瑛九をいたむ」より、『美術手帖』1960年5月号)>
「第33回瑛九展/湯浅コレクション」を開催中です。
会期:前期=2023年6月2日(金)~6月17日(土)/後期=6月20日(火)~6月24日(土) 11:00-19:00 ※日・月・祝日休廊
*前期の全作品のデータは5月31日ブログをご参照ください。
※価格についてはメールにてお問合せください。
今回出品する瑛九のフォト・デッサンの中には、生前アメリカで企画された(結局は実現しなかった)個展のためにいったんはアメリカに渡り、その後日本に戻ってきた作品も含まれています。人や動物などに切り抜いた型紙を使って光でデッサンをした複雑な「フォト・デッサン」を是非ご覧ください。
























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『第33回瑛九展/湯浅コレクション』図録
発行日:2023年6月2日
発行:有限会社ワタヌキ/ときの忘れもの
図版:40点
写真:15点
執筆:大谷省吾(東京国立近代美術館)、小林美紀(宮崎県立美術館)、工藤香澄(横須賀美術館)
翻訳:小川紀久子、新澤悠(ときの忘れもの)
編集:Curio Editors Studio
デザイン:柴田卓
体裁:B5判、84頁、日本語・英語併記
価格:2,750円(税込)+送料250円
◆「第33回瑛九展/湯浅コレクション」
前期=2023年6月2日(金)~6月17日(土)/後期=6月20日(火)~6月24日(土)
11:00-19:00 ※日・月・祝日休廊
カタログを刊行しました。詳しくは5月20日ブログをお読みください。

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