静岡にあるバー「COMBLE コンブレ」をご存じでしょうか。
静岡駅から徒歩10分ほどの場所にあるこのバーは、倉俣史朗先生が内装を手掛けた数少ない現存する店舗です。

偶然ですが、私ときの忘れものスタッフMは、静岡市出身で実家が静岡駅から徒歩圏内。中高生の頃は、このバーの周辺で遊んでいました。
まさかこんな場所に倉俣先生のバーがあるなんて!
知ったときにはコンブレさんは休業中だったのですが、インスタグラムで営業再開の報せを受けまして、さっそくお伺いしました。

IMG_8035奥から入口を撮影。

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故・倉俣史朗デザインの数少ない空間。
日常を忘れさせる空間でゆったりとお過ごしください。
静岡市葵区呉服町2-7静専ビル2F
OPEN 19:00~25:00(L.O.24:00)

日祝、第二月曜日休業
「CoMbLe コンブレ」さんのインスタグラムより引用
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当時コンブレを担当した五十嵐久枝先生によると、
倉俣先生は「このお店を東京に持って帰りたい」とまでおっしゃったそうです。
『倉俣史朗読本』(2012年、株式会社ADP)P.241より

IMG_8047内装。壁が継ぎ目なく広がっているように見えるOSBの壁。

1988年にオープンした「COMBLE コンブレ」。
現在までにすこし内装が変わった部分もあるとのことでしたが、倉俣先生の世界を感じられる素晴らしい空間でした。

倉俣史朗先生の設計といえば、新橋にあった寿司店「きよ友」が香港の美術館「M+」にコレクションされたことは大きなニュースとなりました。
解体作業などの動画はこちらから
ポーラ美術館の学芸員・東海林洋先生のエッセイ「香港訪問記2:M+とCHAT」はこちらから
まさか「きよ友」がお店ごと海外へ行ってしまうとは想像していませんでしたが、コンブレは飲みに行ける倉俣バーとして残り続けて欲しいと思います。

IMG_8054黄色いカウンターがアクセントになっていて美しい。

IMG_8057木のチップを押し固めてつくった板材OSBでできた壁と扉。

IMG_8019机の脚は、Blue Champagneと同じブルー色。

IMG_8028椅子。よく見ると4本脚なのに上の1本が抜けているデザイン。

IMG_8029倉俣先生が選んだドイツ製の電飾らしい。

IMG_8022Lamp(Oba-Q)

IMG_8017倉俣作品に合わせたような色のおつまみ!

IMG_8021床に埋め込まれたLEDが光る。形が三種類あるそう。

IMG_8069内装に見惚れていると、オーナーの中山昌彦さんが当時の図面を見せてくださいました。本当にありがとうございました。

IMG_8063貴重な当時の図面。

IMG_8064半月状のカウンターの図面。

IMG_8058中山さんが大切に保管されている図面。

IMG_8040トイレの入り口。不思議なドア。

IMG_8039トイレの中には横尾忠則デザインの《倉俣史朗の世界(原美術館)》ポスターが飾られていました。

IMG_8045右がオーナーの中山昌彦さん。左が私スタッフM。当時の貴重なお話本当にありがとうございました。また必ず伺います。

IMG_8016入口。外から。

IMG_8012店舗の外の看板。「CoMbLe」という店名は、倉俣先生が命名。フランス語で「満たす」という意味と聞いたそう。店名のロゴも倉俣先生が作ったそうです。

皆様もぜひ静岡にお越しの際は、コンブレへ行ってみてください!
今年の11月からは世田谷美術館にて「倉俣史朗のデザイン ― 記憶のなかの小宇宙 」が開催予定です。(富山県美術館、京都国立近代美術館へ巡回予定)
12月にはときの忘れもので「倉俣史朗展」を開催します。
倉俣先生の作品にまた多くの注目が集まりそうです。
スタッフM

◆「倉俣史朗展」
会期=2023年12月8日(金)~23日(土)11:00-19:00 日曜・月曜・祝日休み
会場:ときの忘れもの
倉俣史朗展案内状_表面1200
ときの忘れものは2017年に青山から駒込に移転しましたが、偶然にも倉俣史朗はこの街で生まれ、近くの昭和小学校を卒業されました。来年生誕90年を迎える倉俣史朗のゆかりの地で「倉俣史朗展」を開催します。

倉俣史朗の限定本『倉俣史朗 カイエ Shiro Kuramata Cahier 1-2 』を刊行しました。


限定部数:365部(各冊番号入り)
監修:倉俣美恵子、植田実
執筆:倉俣史朗、植田実、堀江敏幸
アートディレクション&デザイン:岡本一宣デザイン事務所
体裁:25.7×25.7cm、64頁、和英併記、スケッチブック・ノートブックは日本語のみ
価格:7,700円(税込) 送料1,000円
詳細は3月24日ブログをご参照ください。
お申込みはこちらから

ジョナス・メカスの映像作品27点を収録した8枚組のボックスセット「JONAS MEKAS : DIARIES, NOTES & SKETCHES VOL. 1-8 (Blu-Ray版/DVD版)」を販売しています。
映像フォーマット:Blu-Ray、リージョンフリー/DVD PAL、リージョンフリー
各作品の撮影形式:16mmフィルム、ビデオ
制作年:1963~2014年
合計再生時間:1,262分
価格等については、3月4日ブログをご参照ください。

●ときの忘れものは2017年に青山から〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました。阿部勤が設計した個人住宅だった空間で企画展の開催、版画のエディション、美術書の編集等を行なっています(WEBマガジン コラージ2017年12月号18~24頁の特集参照)。
JR及び南北線の駒込駅南口から徒歩約8分です。
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531 
E-mail:info@tokinowasuremono.com
http://www.tokinowasuremono.com/
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。*日・月・祝日は休廊