真夏にホカロン
先日来ご案内している「瀧口修造と作家たちー清家コレクション展(入札)」の開催が近づいてきました。
何とか笑顔でお客様をお迎えしたいと、養生に努めておりますが、医者に患部を温めるよう指示され、この暑いのにホカロンで過ごしております(確かに痛みは和らぐ)。
今回の展覧会には、蒐集したご本人、清家克久さんが上京され、初日と二日目に在廊されます。
7月7日(金)15時~18時、
7月8日(土)14時~17時ですが、
変更になる場合もありますのでお問い合わせください。
ぜひ蒐集したご本人のレクチャーを受けながら、入札にご参加ください。
清家さんは瀧口修造の熱心なコレクターであり、長年にわたり蒐集してきた瀧口とその関連作家たちについて、ときの忘れもののブログで「瀧口修造を求めて」(全12回)、「瀧口修造と作家たち ― 私のコレクションより ―」(全14回)を連載されてきました。
そのコレクションの中から23作家の26点を選び、展示するとともに、リスクの少ない中間落札方式で全点を頒布します。
出品作家は、瀧口修造、加納光於、駒井哲郎、ジャン・フォートリエ、アントニ・タピエス、アンリ・ミショー、浜口陽三、藤田嗣治、池田満寿夫、靉嘔、小山田二郎、古茂田守介、中川幸夫、八木一夫、吉原治良、松澤宥、ジョアン・ミロ、サム・フランシス、野中ユリ、マン・レイ、ポール・エリュアール、篠原佳尾、ヴォルスです。
本日は、ジャン・フォートリエ、アントニ・タピエス、アンリ・ミショーの作品をご紹介いたします。
No.5 ジャン・フォートリエ《鶺鴒》
《鶺鴒》
1942(クチュリエ版1962-64年エッチング、アクアチント
10.7×12.8cm/28.0×38.0cm
サインあり
Ed. 50
※紙ヤケあり。シート上部に記載あり。






画像をクリックすると拡大します。
〈ジャン・フォートリエ(1898―1964)の銅版画。何故か鳥の名前が付けられているが、描かれているのは裸婦のトルソであろう。裸婦は初期の頃からの主要なテーマで、この作品は第二次世界大戦下に制作され、後年に刷られたものと思われる。〉
〈フォートリエといえばマチエールに注目されがちだが、本人は「デッサンが感動を固定し、マチエールや色はその後にやって来る」と述べ、デッサンの重要性を強調している。この作品からもそれを伺うことができる。〉
(清家克久「瀧口修造と作家たち~私のコレクションより」第5回フォートリエより)
No.6 アントニ・タピエス《Deux O》
《Deux O》
1984
エッチング
14.2×22.5cm/30.0×42.7cm
サインあり
Ed. 65
※紙ヤケあり。ホクシングあり。





画像をクリックすると拡大します。
〈彼の絵はしばしば壁に例えられるが、スペイン語でタピエスは壁を意味するというのも偶然だろうか。本作品も黄土色の壁に描かれた落書きのように見える二つの記号の絶妙な間合いが禅画か書を連想させるが、タイトルの「Deux 0」(二つの零)は東洋的な「無」と関連しているのかもしれない。〉
〈瀧口修造とアントニ・タピエスとの交流は1958年のヴェネツィア・ビエンナーレの審査でタピエスが新人賞を受けたことに始まるが、「スペインのタピエスはいわゆるアンフォルメルの系列に属した作家だが、ふしぎな造形感で感動をあたえた。」(読売新聞1958年6月23日「ヴェニス・ビエンナーレ展に出席して」『点』(みすず書房 1963年1月刊所収)と報告している。〉
(清家克久「瀧口修造と作家たち~私のコレクションより」第6回アントニ・タピエスより)
No.7 アンリ・ミショー《ひとのかたち(仮題)》
《ひとのかたち(仮題)》
リトグラフ
30.0×24.5cm/56.5×36.0cm
サインあり
Ed. 10
※良好。






画像をクリックすると拡大します。
〈私が初めてアンリ・ミショーの作品を見たのは1985年2月に上京した折の事で、京橋にあった「かねこ・あーとギャラリー」の個展だった。会場に向かう途中で「南天子画廊」から出てきた武満徹とサム・フランシスの姿を目撃したが、もしかすると二人はミショー展を見た後だったのかもしれない。〉
〈(本作品は)直筆サイン入りで、エディションはⅢ/Xと記入されているが、調べたところでは70部限定の別刷り作品と思われる。〉
(清家克久「瀧口修造と作家たち~私のコレクションより」第7回アンリ・ミショー)
●「瀧口修造と作家たちー清家コレクション展(入札)」
会期=2023年7月7日[金]~7月15日[土] 11:00-19:00 ※日・月・祝休


●ときの忘れものは2017年に青山から〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました。阿部勤が設計した個人住宅だった空間で企画展の開催、版画のエディション、美術書の編集等を行なっています(WEBマガジン コラージ2017年12月号18~24頁の特集参照)。
JR及び南北線の駒込駅南口から徒歩約8分です。
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531
E-mail:info@tokinowasuremono.com
http://www.tokinowasuremono.com/
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。*日・月・祝日は休廊
先日来ご案内している「瀧口修造と作家たちー清家コレクション展(入札)」の開催が近づいてきました。
何とか笑顔でお客様をお迎えしたいと、養生に努めておりますが、医者に患部を温めるよう指示され、この暑いのにホカロンで過ごしております(確かに痛みは和らぐ)。
今回の展覧会には、蒐集したご本人、清家克久さんが上京され、初日と二日目に在廊されます。
7月7日(金)15時~18時、
7月8日(土)14時~17時ですが、
変更になる場合もありますのでお問い合わせください。
ぜひ蒐集したご本人のレクチャーを受けながら、入札にご参加ください。
清家さんは瀧口修造の熱心なコレクターであり、長年にわたり蒐集してきた瀧口とその関連作家たちについて、ときの忘れもののブログで「瀧口修造を求めて」(全12回)、「瀧口修造と作家たち ― 私のコレクションより ―」(全14回)を連載されてきました。
そのコレクションの中から23作家の26点を選び、展示するとともに、リスクの少ない中間落札方式で全点を頒布します。
出品作家は、瀧口修造、加納光於、駒井哲郎、ジャン・フォートリエ、アントニ・タピエス、アンリ・ミショー、浜口陽三、藤田嗣治、池田満寿夫、靉嘔、小山田二郎、古茂田守介、中川幸夫、八木一夫、吉原治良、松澤宥、ジョアン・ミロ、サム・フランシス、野中ユリ、マン・レイ、ポール・エリュアール、篠原佳尾、ヴォルスです。
本日は、ジャン・フォートリエ、アントニ・タピエス、アンリ・ミショーの作品をご紹介いたします。
No.5 ジャン・フォートリエ《鶺鴒》
《鶺鴒》1942(クチュリエ版1962-64年エッチング、アクアチント
10.7×12.8cm/28.0×38.0cm
サインあり
Ed. 50
※紙ヤケあり。シート上部に記載あり。






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〈ジャン・フォートリエ(1898―1964)の銅版画。何故か鳥の名前が付けられているが、描かれているのは裸婦のトルソであろう。裸婦は初期の頃からの主要なテーマで、この作品は第二次世界大戦下に制作され、後年に刷られたものと思われる。〉
〈フォートリエといえばマチエールに注目されがちだが、本人は「デッサンが感動を固定し、マチエールや色はその後にやって来る」と述べ、デッサンの重要性を強調している。この作品からもそれを伺うことができる。〉
(清家克久「瀧口修造と作家たち~私のコレクションより」第5回フォートリエより)
No.6 アントニ・タピエス《Deux O》
《Deux O》1984
エッチング
14.2×22.5cm/30.0×42.7cm
サインあり
Ed. 65
※紙ヤケあり。ホクシングあり。





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〈彼の絵はしばしば壁に例えられるが、スペイン語でタピエスは壁を意味するというのも偶然だろうか。本作品も黄土色の壁に描かれた落書きのように見える二つの記号の絶妙な間合いが禅画か書を連想させるが、タイトルの「Deux 0」(二つの零)は東洋的な「無」と関連しているのかもしれない。〉
〈瀧口修造とアントニ・タピエスとの交流は1958年のヴェネツィア・ビエンナーレの審査でタピエスが新人賞を受けたことに始まるが、「スペインのタピエスはいわゆるアンフォルメルの系列に属した作家だが、ふしぎな造形感で感動をあたえた。」(読売新聞1958年6月23日「ヴェニス・ビエンナーレ展に出席して」『点』(みすず書房 1963年1月刊所収)と報告している。〉
(清家克久「瀧口修造と作家たち~私のコレクションより」第6回アントニ・タピエスより)
No.7 アンリ・ミショー《ひとのかたち(仮題)》
《ひとのかたち(仮題)》リトグラフ
30.0×24.5cm/56.5×36.0cm
サインあり
Ed. 10
※良好。






画像をクリックすると拡大します。
〈私が初めてアンリ・ミショーの作品を見たのは1985年2月に上京した折の事で、京橋にあった「かねこ・あーとギャラリー」の個展だった。会場に向かう途中で「南天子画廊」から出てきた武満徹とサム・フランシスの姿を目撃したが、もしかすると二人はミショー展を見た後だったのかもしれない。〉
〈(本作品は)直筆サイン入りで、エディションはⅢ/Xと記入されているが、調べたところでは70部限定の別刷り作品と思われる。〉
(清家克久「瀧口修造と作家たち~私のコレクションより」第7回アンリ・ミショー)
●「瀧口修造と作家たちー清家コレクション展(入札)」
会期=2023年7月7日[金]~7月15日[土] 11:00-19:00 ※日・月・祝休


●ときの忘れものは2017年に青山から〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました。阿部勤が設計した個人住宅だった空間で企画展の開催、版画のエディション、美術書の編集等を行なっています(WEBマガジン コラージ2017年12月号18~24頁の特集参照)。
JR及び南北線の駒込駅南口から徒歩約8分です。
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531
E-mail:info@tokinowasuremono.com
http://www.tokinowasuremono.com/
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。*日・月・祝日は休廊
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