2022年のクリスマスに生誕100周年を迎え、2023年には世界各地で記念上映や展覧会が行なわれたジョナス・メカス。ときの忘れものでは、その101歳のお誕生日を祝して、1日限りの映画上映会を12月26日(火)に開催します。

メカスさんの映画と言えば次々に場面が切り替わる、多幸感あふれるフィルムが印象的ですが、実はデジタルカメラを手にしてからは長回しをしたり、時にナーバスな一面をのぞかせたりしているのをご存知でしょうか。今回の企画では、そんなメカスさんの「意外な一面」も覗くことのできる映像作品を3本選んでみました。DVD / Bru-rayボックスに収録されていない貴重な作品もございますので、ぜひこの機会に足をお運びください。

(協力:メカス日本日記の会)

◆上映作品

『アレン・ギンズバーグの最後の3日間』
Scenes from Allen’s Last Three Days on Earth as a Spirit
1
1997年4月5日、ニューヨークのイースト・ヴィレッジで亡くなった詩人アレン・ギンズバーグ。長年の友人であったメカスがギンズバーグの最後の3日間を記録したフィルム。

『ファクトリーの時代』
A few notes on Andy’s Factory
2
アンディ・ウォーホルの活動拠点だった「ファクトリー」について語るメカスの映像が中心。
その他、道行く人へのインタビューや自らにカメラを向けて室内を歩く長回しなど。
『ジョナス・メカス―ノート、対話、映画』(せりか書房)によると、メカスがウィーンで開催されたアンディ・ウォーホルの展覧会で、 講演を行う代わりに送ったビデオなのだとか。

『グリーンポイントからの手紙』
Letter from Greenpoint
3
2004年2月、30年間暮らしたソーホーからブルックリンのグリーンポイントに引っ越した。
人生の長い時間を過ごした住まいを引き払うとときの思いがテーマ。
そして新しい場所、新しい家、新しい友人たち、新しい考え、新しい経験についても、このビデオのテーマ。

このビデオのテーマはビデオそのものでもある。パリの親友ドミニク・デュボスクの最近の手紙に、わたしの代弁をしてもらおう。
「きみはとうとうこの憎たらしいビデオカメラを、大昔から(今でもほとんどの人には)テープレコーダー以外の何物でもなかったビデオカメラを手なずけたのではないか。今ではキノックたちが夢に見た、人間の目と同じようにものを見るカメラになった。むろんそれはカメラを手なずけるだけのことではない。それより重要なのは、背後にあるエネルギ―だ。死そのものを胚胎する生命の動きにすばらしく勇気づけられて、またやる気がでた。ありがとう」ドミニクの言わんとするところは、わたしも同感だ、こういうことだ。1949年にボレックスで撮影を始めたとき、それを完全に手の内に収めるのに15年かけた。ボレックスが自分の思うとおりに動くようになるまでに、それだけの時間がかかった。1987年に最初のソニーのビデオカメラを手に入れたとき、今度は違うと思った。ところがそんなことはない。今になってようやく、ビデオカメラを15年間使った後にようやく、カメラがわたしの目、わたしの身体の延長になったと感じることができる。これこそ、わたしの初めての本当のビデオ作品と思える」――ジョナス・メカス

『グリーンポイントからの手紙』について、『ジョナス・メカス―ノート、対話、映画』(せりか書房)より引用


◆イベント概要
開催日:2023年12月26日(火)

13:00~『アレン・ギンズバーグの最後の3日間』
(1997年/67分)
※日本語字幕なし

15:00~『ファクトリーの時代』
(1999年/64分)

※満席

17:00~『グリーンポイントからの手紙』
(2004年/80分)
※日本語字幕あり

要予約、参加費各回おひとり1,000円
参加をご希望の方は info@tokinowasuremono.com まで
「ジョナス・メカス上映会参加希望」の件名で、お名前、参加希望回、参加人数、お電話番号を明記の上ご連絡ください。

※各回定員8名、先着順の受付とさせていただきます。
※全作DVDでの上映となります。

●本日のお勧め作品はジョナス・メカスです。
mekas_01_walden_08
WALDEN #08"DEEP OF WINTER"
2005年
ラムダプリント
30.0x20.0cm
Ed.10
サインあり
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください


◆埼玉県立近代美術館で「イン・ビトウィーン」展が開催中です(会期:2023.10.14 [土] - 2024.1.28 [日]、出品作家:早瀬龍江、ジョナス・メカス林芳史、潘逸舟)。
ときの忘れものも少しお手伝いしました。招待券が若干あるので、ご希望の方はメールでお申込みください。

●ときの忘れものはジョナス・メカスの映像作品27点を収録した8枚組のボックスセット「JONAS MEKAS : DIARIES, NOTES & SKETCHES VOL. 1-8 (Blu-Ray版/DVD版)」を販売しています。
同ボックスは今年度の『ボローニャ復元映画祭(Il Cinema Ritrovato)』で「ベストボックスセット賞」を受賞しました。
映像フォーマット:Blu-Ray、リージョンフリー/DVD PAL、リージョンフリー
各作品の撮影形式:16mmフィルム、ビデオ
制作年:1963~2014年
合計再生時間:1,262分
価格:
Blu-Ray版:18,000円(税込)
DVD版:15,000円(税込)

商品の詳細は3月4日ブログをご参照ください。
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから

●ときの忘れものの建築は阿部勤先生の設計です。
photo (2)
建築空間についてはWEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>に特集されています。
〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531 
E-mail:info@tokinowasuremono.com 
http://www.tokinowasuremono.com/
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。日・月・祝日は休廊。
JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。