沖縄建築を見て回る
1月末に画廊沖縄さんと琉球絵画家・仁添まりなさんと打合せがあり、沖縄に行ってきました。
東京は極寒の中、那覇空港へ到着。空港を出た瞬間重くて生温かい空気を感じながらも、寒さから解放され縮こまっていた体が喜びました。
画廊亭主が「大名旅行をしてきなさい!」と「出張」ではなく「旅行」とはっきり言っていたので、仕事が終わったあとは旅行気分で思いっきり楽しみました。一人沖縄建築ツアーをしましたので、ご報告します。
まずは国場幸房設計の[那覇市役所](2012年竣工)を訪ねました。高層ビルがガタガタガタと崩れ落ちたような綺麗だけれど荒々しさもあるインパクト大の建築。
沖縄の強い日差しの負荷を低減するため、また省エネのために施された壁面緑化と屋上緑化。沖縄も冬なのでさすがに緑は少ないですが・・・
建物の真ん中は贅沢にも大きく吹き抜かれ、回廊できるようになっており、働いている人々が渡り廊下に出て外を眺めたり、煙草をふかしている人がいて気持ちよさそうでした。





宿泊先は亭主推薦の[ムーンビーチ リゾートミュージアム(旧ホテルムーンビーチ)]。
こちらも国場幸房設計です(1975年、2023年リニューアル)。沖縄にはたくさんのリゾートホテルがありますが、このホテルはその先駆けのリゾートホテルだそうで、ドコモモジャパンにも選定されています。
スリランカの建築家・ジェフリー・バワの「熱帯建築」を想起させる建築(行ったことはありませんが)。築50年弱なので、緑も生い茂り、ジャングル化された屋内。個室以外はほとんど外に開放的されています。プライベートビーチあり、プールありで、一人で来るのはもったいなかった。次回は家族旅行で泊まりたいものです。









翌日は朝からタクシーを貸し切り名護市へ(沖縄の主な交通手段が車しかない)。
「遠いけど絶対見てきなさい!」と言われた[名護市庁舎]。1981年、象設計集団+アトリエ・モビルの設計による[名護市庁舎]は、日本建築学会賞など多数受賞した名建築。
車窓から突如現れた赤と白のストライプの異質な建築に驚愕し、しばらく呆然としました。なんというか・・・廃墟感(いい意味で)、それがかっこいいのです。
バルコニーとピロティの面積が広く、建物のほとんどが屋外。風が通り抜けるために通気性のある沖縄特有の花ブロックが使用されたり、テラスの屋根はレンガが完全にふさがれておらず通気性がある。この建築も沖縄の風土にあわせてつくられています。所々に正方形のカラーガラスを施しており、かわいらしさもある。
名護市庁舎、地震がきたときに津波を回避するため、高台に新築する計画もあったようですが予算などの関係で断念し、[名護市庁舎]の存続については検討中だそうです。これを見ないと沖縄の建築は語れませんので、まだ見ていない方は早めに見ておくことをおすすめします。















この後は首里城に行き、ガイドさんから沖縄の歴史を学ぶ。
最後にあまり時間がなかったのですが、[沖縄県立博物館・美術館](2007年、設計:石本建築事務所+二基設計)に立ち寄りました。この建築もまた異質で迫力あり。とにかく沖縄は通気性と遮光が必須なんだとよくわかりました。







短い滞在でしてが、本州では見ることのできない、沖縄ならではの代表的な沖縄建築を見ることができました。
(おだち れいこ)
●本日のお勧め作品は沖縄在住の仁添まりなです。
仁添まりな
《琉球花鳥 ニライカナイの孔雀》
2023年
紙本着彩/岩絵具、水干絵具、金泥、プラチナ泥、墨
130.8×97.5cm(F60)
サインあり
作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください。
*画廊亭主敬白
ときの忘れものが個展などを開催してきた作家はなぜか東京在住が少ない。
佐藤研吾さんは福島、杉山幸一郎さんはスイス、伊藤公象先生は茨城、光嶋裕介さんは神戸、塩見允枝子先生は大阪、葉栗剛先生は愛知、そして仁添まりなさんは沖縄在住です。
作家を知り最上の展示を実現するにはたとえどんなに遠くてもアトリエを訪ねて打ち合わせを重ねることになります。しっかり仕事をしたら「大名旅行」もOK、ということで副社長は最上の沖縄建築を見て回ってきたようです。
亭主がカルトンケースをぶら下げて全国を行商して歩いたのは1970年代ですが、もちろん沖縄も周りました。暖かく迎えてくださった大浜用光先生、大嶺實清先生たちの縁がいまの私たちの基礎になっています。
●ときの忘れものの建築は阿部勤先生の設計です。
建築空間についてはWEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>に特集されています。
〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531 E-mail:info@tokinowasuremono.com
http://www.tokinowasuremono.com/
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。日・月・祝日は休廊。
JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。

1月末に画廊沖縄さんと琉球絵画家・仁添まりなさんと打合せがあり、沖縄に行ってきました。
東京は極寒の中、那覇空港へ到着。空港を出た瞬間重くて生温かい空気を感じながらも、寒さから解放され縮こまっていた体が喜びました。
画廊亭主が「大名旅行をしてきなさい!」と「出張」ではなく「旅行」とはっきり言っていたので、仕事が終わったあとは旅行気分で思いっきり楽しみました。一人沖縄建築ツアーをしましたので、ご報告します。
まずは国場幸房設計の[那覇市役所](2012年竣工)を訪ねました。高層ビルがガタガタガタと崩れ落ちたような綺麗だけれど荒々しさもあるインパクト大の建築。
沖縄の強い日差しの負荷を低減するため、また省エネのために施された壁面緑化と屋上緑化。沖縄も冬なのでさすがに緑は少ないですが・・・
建物の真ん中は贅沢にも大きく吹き抜かれ、回廊できるようになっており、働いている人々が渡り廊下に出て外を眺めたり、煙草をふかしている人がいて気持ちよさそうでした。





宿泊先は亭主推薦の[ムーンビーチ リゾートミュージアム(旧ホテルムーンビーチ)]。
こちらも国場幸房設計です(1975年、2023年リニューアル)。沖縄にはたくさんのリゾートホテルがありますが、このホテルはその先駆けのリゾートホテルだそうで、ドコモモジャパンにも選定されています。
スリランカの建築家・ジェフリー・バワの「熱帯建築」を想起させる建築(行ったことはありませんが)。築50年弱なので、緑も生い茂り、ジャングル化された屋内。個室以外はほとんど外に開放的されています。プライベートビーチあり、プールありで、一人で来るのはもったいなかった。次回は家族旅行で泊まりたいものです。









翌日は朝からタクシーを貸し切り名護市へ(沖縄の主な交通手段が車しかない)。
「遠いけど絶対見てきなさい!」と言われた[名護市庁舎]。1981年、象設計集団+アトリエ・モビルの設計による[名護市庁舎]は、日本建築学会賞など多数受賞した名建築。
車窓から突如現れた赤と白のストライプの異質な建築に驚愕し、しばらく呆然としました。なんというか・・・廃墟感(いい意味で)、それがかっこいいのです。
バルコニーとピロティの面積が広く、建物のほとんどが屋外。風が通り抜けるために通気性のある沖縄特有の花ブロックが使用されたり、テラスの屋根はレンガが完全にふさがれておらず通気性がある。この建築も沖縄の風土にあわせてつくられています。所々に正方形のカラーガラスを施しており、かわいらしさもある。
名護市庁舎、地震がきたときに津波を回避するため、高台に新築する計画もあったようですが予算などの関係で断念し、[名護市庁舎]の存続については検討中だそうです。これを見ないと沖縄の建築は語れませんので、まだ見ていない方は早めに見ておくことをおすすめします。















この後は首里城に行き、ガイドさんから沖縄の歴史を学ぶ。
最後にあまり時間がなかったのですが、[沖縄県立博物館・美術館](2007年、設計:石本建築事務所+二基設計)に立ち寄りました。この建築もまた異質で迫力あり。とにかく沖縄は通気性と遮光が必須なんだとよくわかりました。







短い滞在でしてが、本州では見ることのできない、沖縄ならではの代表的な沖縄建築を見ることができました。
(おだち れいこ)
●本日のお勧め作品は沖縄在住の仁添まりなです。
仁添まりな《琉球花鳥 ニライカナイの孔雀》
2023年
紙本着彩/岩絵具、水干絵具、金泥、プラチナ泥、墨
130.8×97.5cm(F60)
サインあり
作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください。
*画廊亭主敬白
ときの忘れものが個展などを開催してきた作家はなぜか東京在住が少ない。
佐藤研吾さんは福島、杉山幸一郎さんはスイス、伊藤公象先生は茨城、光嶋裕介さんは神戸、塩見允枝子先生は大阪、葉栗剛先生は愛知、そして仁添まりなさんは沖縄在住です。
作家を知り最上の展示を実現するにはたとえどんなに遠くてもアトリエを訪ねて打ち合わせを重ねることになります。しっかり仕事をしたら「大名旅行」もOK、ということで副社長は最上の沖縄建築を見て回ってきたようです。
亭主がカルトンケースをぶら下げて全国を行商して歩いたのは1970年代ですが、もちろん沖縄も周りました。暖かく迎えてくださった大浜用光先生、大嶺實清先生たちの縁がいまの私たちの基礎になっています。
●ときの忘れものの建築は阿部勤先生の設計です。
建築空間についてはWEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>に特集されています。
〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531 E-mail:info@tokinowasuremono.com
http://www.tokinowasuremono.com/
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。日・月・祝日は休廊。
JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。

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