橋本凌一のフォトエッセイ「メモランダム東京百景」
第5回「現役近代建築物」
現役近代建築物 とっくに齢百歳やもうじき齢百歳が近代の意 つくもがみ(九十九神・付喪神)でありながら稼働中の現役バリバリであることに敬服 鳥居も注連縄も無く時間という装飾が映える神殿 褒め過ぎ感ゼロで羞じらうことなく見惚れられる 耐震基準や消防法や保守管理費や維持費etc. 諸問題山積の峠を 超えて来た勇者
2021年9月9日
三田二丁目の「綱町三井倶楽部」本館(コンドル設計) 立ち入り禁止の百八歳 その背後には広大な森(庭園) 開東閣(三菱)やら安田庭園やら r > g 資本主義って凄いなあ

2022年3月1日
本富士警察署斜め前の「さかえビル」(1934年竣工の登録有形文化財) 立哨の警官の視線を背に感じながら立ち止まること暫し

2021年8月26日
高輪消防署二本木出張所 ドイツ表現主義の建築物 88歳の現役 その前に立つと感じてしまうのも その佇まいから匂い立つのも侘び すみません

2023年1月9日
「目白日立クラブ」 築95年 澄みきった空の冷たさ 白亜のアンシンメトリー 美 寒さなんか忘れる かつては上流階級の息子たちの学習院の・現在は独占資本日立の「寮」だよ とか自分に口をとんがらす17歳の自分

2021年10月20日
グランドプリンスホテル高輪 ネオ・バロック様式の旧竹田宮邸 近代・現代・現在を体現し続けて齢百拾 ここで結婚式をするのはただBAERUから!の現時点

2023年8月29日
自由学園の明日館 午後8時少し前 朝昼夜いつだってここで足止めさせられてしまう いちゃもんのひとつもつけてみたい が いつだってここでしばらくボーっとさせられてしまう で 去る

2022年9月22日
千住中居町のNTT東日本千住ビル 山田守のあの聖橋の少し後の作品とのこと 築90数年 そのモダニズムなど解らぬまま脇に措く 口では言えぬ初期昭和の味わいがしっとりとして深い 現役 稼働中

2024年3月8日
銀座線浅草駅 浅草地下商店街 【水漏れあり】お気をつけくださいとコーンポストに 年季のいききった床の染みに見えるのは天井由来の水 背中を丸くしてがに股で歩く快楽(けらくと読む)がいつ来たってあるここ

2024年7月1日
銀座四丁目 教文館と聖書館の共同ビルの玄関ホール 大理石の黒さと複雑な装飾の天井の白さ 入った瞬間の静謐 案内パネル壁の奥は実は二にして一に見える階段 一にして二の建物だから レーモンドの設計

2023年11月17日
あの頃はまだ歴史にされていない そこで生きた者は古希を見ても「かたりべ」にはなれない 東大本郷 工学部列品館 黒ずんでいる所は半世紀前のあのときの火の痕という噂あり

2021年9月8日
仙台坂上の日本基督教団安藤教会 百四歳 暗緑色のステンドグラス 小体(こてい)な味わいは侘びの趣

2021年10月12日
広尾小学校 見惚れた「寂」 校門の脇に埋め込まれたプレートには「文化庁登録有形文化財」 右方から守衛さんがサーっと迫って来たのでそそくさと離れて不審者になってしまった夕刻

2024年2月7日
背後は隅田川護岸 両国橋(右側緑色の構造物)のたもと 竣工年不明戦前建築物の佇まい 雪の日に思い出したのは入口左側の一枚板に墨書の社名板 「風雪に耐えた○○」という言葉が頭をよぎって

2023年11月20日
東大附属病院 ある? スロープを下り切る 半地下に入ってみる ホルマリンのプールがある? 強烈な匂いが充ちている? とか 黄昏の悪魔に妄想させられる 『死者の奢り』は思い出せない

2021年6月4日
明治学院大学 美しいと立ち止まる自分 美しいと思ってしまう自分を訝る自分 美しい筈がネェ!と思う自分も自覚 ただ佇む第二京浜の歩道

2021年8月21日
新橋二丁目の堀商店(錠前の老舗) 二代目堀ビルは竣工して99年 売却されてシェアオフィスに改装とのこと いいことなんだろう多分

・連載・橋本凌一のフォトエッセイ「メモランダム東京百景」は毎月6日の更新です。次回更新は2025年2月6日です。どうぞお楽しみに。
●ときの忘れものの建築空間についてはWEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>に特集されています。

〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS ときの忘れもの
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531
E-mail:info@tokinowasuremono.com
http://www.tokinowasuremono.com/
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。日・月・祝日は休廊。
JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。
第5回「現役近代建築物」
現役近代建築物 とっくに齢百歳やもうじき齢百歳が近代の意 つくもがみ(九十九神・付喪神)でありながら稼働中の現役バリバリであることに敬服 鳥居も注連縄も無く時間という装飾が映える神殿 褒め過ぎ感ゼロで羞じらうことなく見惚れられる 耐震基準や消防法や保守管理費や維持費etc. 諸問題山積の峠を 超えて来た勇者
2021年9月9日
三田二丁目の「綱町三井倶楽部」本館(コンドル設計) 立ち入り禁止の百八歳 その背後には広大な森(庭園) 開東閣(三菱)やら安田庭園やら r > g 資本主義って凄いなあ

2022年3月1日
本富士警察署斜め前の「さかえビル」(1934年竣工の登録有形文化財) 立哨の警官の視線を背に感じながら立ち止まること暫し

2021年8月26日
高輪消防署二本木出張所 ドイツ表現主義の建築物 88歳の現役 その前に立つと感じてしまうのも その佇まいから匂い立つのも侘び すみません

2023年1月9日
「目白日立クラブ」 築95年 澄みきった空の冷たさ 白亜のアンシンメトリー 美 寒さなんか忘れる かつては上流階級の息子たちの学習院の・現在は独占資本日立の「寮」だよ とか自分に口をとんがらす17歳の自分

2021年10月20日
グランドプリンスホテル高輪 ネオ・バロック様式の旧竹田宮邸 近代・現代・現在を体現し続けて齢百拾 ここで結婚式をするのはただBAERUから!の現時点

2023年8月29日
自由学園の明日館 午後8時少し前 朝昼夜いつだってここで足止めさせられてしまう いちゃもんのひとつもつけてみたい が いつだってここでしばらくボーっとさせられてしまう で 去る

2022年9月22日
千住中居町のNTT東日本千住ビル 山田守のあの聖橋の少し後の作品とのこと 築90数年 そのモダニズムなど解らぬまま脇に措く 口では言えぬ初期昭和の味わいがしっとりとして深い 現役 稼働中

2024年3月8日
銀座線浅草駅 浅草地下商店街 【水漏れあり】お気をつけくださいとコーンポストに 年季のいききった床の染みに見えるのは天井由来の水 背中を丸くしてがに股で歩く快楽(けらくと読む)がいつ来たってあるここ

2024年7月1日
銀座四丁目 教文館と聖書館の共同ビルの玄関ホール 大理石の黒さと複雑な装飾の天井の白さ 入った瞬間の静謐 案内パネル壁の奥は実は二にして一に見える階段 一にして二の建物だから レーモンドの設計

2023年11月17日
あの頃はまだ歴史にされていない そこで生きた者は古希を見ても「かたりべ」にはなれない 東大本郷 工学部列品館 黒ずんでいる所は半世紀前のあのときの火の痕という噂あり

2021年9月8日
仙台坂上の日本基督教団安藤教会 百四歳 暗緑色のステンドグラス 小体(こてい)な味わいは侘びの趣

2021年10月12日
広尾小学校 見惚れた「寂」 校門の脇に埋め込まれたプレートには「文化庁登録有形文化財」 右方から守衛さんがサーっと迫って来たのでそそくさと離れて不審者になってしまった夕刻

2024年2月7日
背後は隅田川護岸 両国橋(右側緑色の構造物)のたもと 竣工年不明戦前建築物の佇まい 雪の日に思い出したのは入口左側の一枚板に墨書の社名板 「風雪に耐えた○○」という言葉が頭をよぎって

2023年11月20日
東大附属病院 ある? スロープを下り切る 半地下に入ってみる ホルマリンのプールがある? 強烈な匂いが充ちている? とか 黄昏の悪魔に妄想させられる 『死者の奢り』は思い出せない

2021年6月4日
明治学院大学 美しいと立ち止まる自分 美しいと思ってしまう自分を訝る自分 美しい筈がネェ!と思う自分も自覚 ただ佇む第二京浜の歩道

2021年8月21日
新橋二丁目の堀商店(錠前の老舗) 二代目堀ビルは竣工して99年 売却されてシェアオフィスに改装とのこと いいことなんだろう多分

・連載・橋本凌一のフォトエッセイ「メモランダム東京百景」は毎月6日の更新です。次回更新は2025年2月6日です。どうぞお楽しみに。
●ときの忘れものの建築空間についてはWEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>に特集されています。

〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS ときの忘れもの
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531
E-mail:info@tokinowasuremono.com
http://www.tokinowasuremono.com/
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。日・月・祝日は休廊。
JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。
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