今週のおすすめは佐藤研吾さんによるピンホールカメラ。昨年末「佐藤研吾展 くぐり間くぐり」で発表された同作は、3月のアートフェア東京に出品展示します。

sato-79 (1)

《くぐり抜けるためのハコ1》
2024年
木(ケヤキ、アラスカ桧、ラワン)、アルミ、柿渋、鉄媒染
W30.0×D50.0×H155.0cm
サインあり
作品の見積り請求、在庫確認はメール(info@tokinowasuremono.com)またはお電話(03-6902-9530)で承ります。「件名」「お名前」「連絡先(住所)」とご用件を記入してご連絡ください。

●作家ステートメント
リアルを確かめるために、向こう側を見つめる、向こう側を作る。ひょっとすると矛盾しているが、そんな感覚な気がしてきた。過去を視て、未来を探す。遠くの世界に思いを馳せながら、日頃の生活に取り組む。限定的な自己についてを探求し、大きな世界の構造を掴み取る。もしかすると世界はどこかで領域付けられ分断しているのかもしれないが、分断された向こう側を必死に覗き込む努力をする。その試みはおそらく、見るという光の速さでなし得るものではなく、潜る(もぐる)、あるいは潜る(くぐる)と言い表すくらいのある種の困難さもあるだろう。

ピンホールカメラの撮影にはとても時間がかかる。これが本当に光の所業なのかと思うほどに遅い。光は穴の中をズルズルとくぐり抜けているようだ。今回の制作では、カメラの前に鏡を据え置く。カメラのシャッターを開き、鏡の向こう側へとくぐり、世界を覗き込む。そうして撮影された写真もまたその世界の鏡像であるに違いない。あるいは向こう側なのか。イマージュからイマージュへ、少々の時間をかけて、くぐり抜けていく。



●「アートフェア東京19(2025)」に出展します
3000d520
会期=2025年3月6日(木)~3月9日(日)
会場:東京国際フォーラム B2FホールE/B1Fロビーギャラリー
出品作家:靉嘔、瑛九、倉俣史朗、佐藤研吾、塩見允枝子、ジョナス・メカス、細江英公、松本竣介
*出品内容は2月26日ブログに掲載しました。

*画廊亭主敬白
年度末も近く、毎度のことながら画廊も資金繰りに苦労する時期です。
幸いいくつかの美術館が余った予算(万一に備えて予算を使い切らずに残しておいた)で、私どものコレクションを購入してくださることになりホッと一息ついています。
2月26日東京新聞には<贋作の可能性浮上 独警察と連携調査 徳島県立近代美術館が6720万円で購入「自転車乗り」 高知でも浮上>という記事が掲載されています。
徳島はジャン・メッツァンジェ、高知県立美術館はハインリヒ・カンペンドンク作ということで購入した作品が、ドイツの贋作作家ウォルフガング・ベルトラッキによる贋作ではないかという疑惑です。購入担当の学芸員はもちろん、収めた画廊さんは今頃たいへんだなあ・・・

●ときの忘れものの建築は阿部勤先生の設計です。
建築空間についてはWEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>に特集されています。
〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531 E-mail:info@tokinowasuremono.com 
http://www.tokinowasuremono.com/
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。日・月・祝日は休廊。
JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。
photo (2)