今週のおすすめ作品・宮脇愛子「AIKO MIYAWAKI 1959-1989 Utsurohi」展ポスター

「AIKO MIYAWAKI 1959-1989 Utsurohi」展ポスター
シルクスクリーン
ポートレイト撮影:マン・レイ
ポスターデザイン:磯崎新
刷り:岡部徳三
1989年
87.7×62.1cm
宮脇愛子のサインあり
マン・レイの刷り込みサインあり
1962年、マン・レイは、唐突に宮脇にポートレートの撮影を申し出ます。それはもしかすると彼の最後のポートレート撮影であったかもしれません。
「しばらく写真はとっていないが・・・」といいながら、或る日、何を思ったか急に、マン・レイが私のポートレートをとるといい出しました。そういえば、それまで私はカメラを持っているマン・レイを見たことがありませんでした。すっかり戸惑ってしまっている私にはかまわず、マン・レイは中二階にある小アトリエに置かれてあった古い箱型のカメラをごそごそといじりはじめました。ライトを動かしてつまずいたりしているマン・レイに、私ははらはらさせられたりしました。昔、子供のころよく行かされた写真館で見たことのあるような黒い布をかぶって、マン・レイが私にポーズをとらせたのですが、その日、私が黒いフランネルの洋服につけていたブローチが気に入っていたらしく、あちらこちらにつけかえさせたりするのです。それに手の組み方もいろいろとやかましくいわれ、油彩具のしみこんだあまり美しくない手をとられるのがいやで、私はぶつぶつ文句をいい続けていました。あとで考えてみると、ダ・ヴィンチのモナリザのポーズを真似させてとっていたのでした。ダ・ヴィンチとはおよそ似ても似つかないモナリザのポートレートではあるもののその写真が、おそらくマン・レイのとった最後のポートレートになってしまいました。
宮脇愛子『はじめもなく終りもない―ある彫刻家の軌跡』(1991年、岩波書店)より抜粋
上掲のマン・レイ作品を巧みに組み合わせ、宮脇愛子の立体作品をあしらった「UTSUROHI」ポスターは磯崎新のデザインです。
刷りは日本の版画におけるシルクスクリーンの表現可能性を広げてきたパイオニア・岡部徳三。同作以外にもオノサト・トシノブ、靉嘔、横尾忠則、ナム・ジュン・パイク、ジョン・ケージ、前田常作、ジョナス・メカスら多数の作家の作品を手掛けています。
作品の詳細については下記アドレスまで「件名」「お名前」「連絡先(住所)」とご用件を記入してご連絡ください。
info@tokinowasuremono.com
お電話でのご連絡も受け付けております。
03-6902-9530
◆「ポートレイト/松本竣介と現代作家たち」展
2025年4月16日(水)~4月26日(土)11:00-19:00 ※日・月・祝日休廊
出品作家:松本竣介、野田英夫、舟越保武、小野隆生、靉嘔、池田満寿夫、宮脇愛子+マン・レイ、北川民次、ジャン・コクトーほか
●松本莞さんが『父、松本竣介』(みすず書房刊)を刊行されました。ときの忘れものでは莞さんのサインカード付本書を頒布するとともに、年間を通して竣介関連の展示、ギャラリートークを開催してゆく予定です。
『父、松本竣介』の詳細は1月18日ブログをお読みください。
ときの忘れものが今まで開催してきた「松本竣介展」のカタログ5冊も併せてご購読ください。
画家の堀江栞さんが、かたばみ書房の連載エッセイ「不手際のエスキース」第3回で「下塗りの夢」と題して卓抜な竣介論を執筆されています。
著者・松本莞
『父、松本竣介』
発行:みすず書房
判型:A5変判(200×148mm)・上製
頁数:368頁+カラー口絵16頁
定価:4,400円(税込)+梱包送料650円
●ときの忘れものの建築は阿部勤先生の設計です。
建築空間についてはWEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>に特集されています。
〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531 E-mail:info@tokinowasuremono.com
http://www.tokinowasuremono.com/
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。日・月・祝日は休廊。
JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。


「AIKO MIYAWAKI 1959-1989 Utsurohi」展ポスター
シルクスクリーン
ポートレイト撮影:マン・レイ
ポスターデザイン:磯崎新
刷り:岡部徳三
1989年
87.7×62.1cm
宮脇愛子のサインあり
マン・レイの刷り込みサインあり
1962年、マン・レイは、唐突に宮脇にポートレートの撮影を申し出ます。それはもしかすると彼の最後のポートレート撮影であったかもしれません。
「しばらく写真はとっていないが・・・」といいながら、或る日、何を思ったか急に、マン・レイが私のポートレートをとるといい出しました。そういえば、それまで私はカメラを持っているマン・レイを見たことがありませんでした。すっかり戸惑ってしまっている私にはかまわず、マン・レイは中二階にある小アトリエに置かれてあった古い箱型のカメラをごそごそといじりはじめました。ライトを動かしてつまずいたりしているマン・レイに、私ははらはらさせられたりしました。昔、子供のころよく行かされた写真館で見たことのあるような黒い布をかぶって、マン・レイが私にポーズをとらせたのですが、その日、私が黒いフランネルの洋服につけていたブローチが気に入っていたらしく、あちらこちらにつけかえさせたりするのです。それに手の組み方もいろいろとやかましくいわれ、油彩具のしみこんだあまり美しくない手をとられるのがいやで、私はぶつぶつ文句をいい続けていました。あとで考えてみると、ダ・ヴィンチのモナリザのポーズを真似させてとっていたのでした。ダ・ヴィンチとはおよそ似ても似つかないモナリザのポートレートではあるもののその写真が、おそらくマン・レイのとった最後のポートレートになってしまいました。
宮脇愛子『はじめもなく終りもない―ある彫刻家の軌跡』(1991年、岩波書店)より抜粋
上掲のマン・レイ作品を巧みに組み合わせ、宮脇愛子の立体作品をあしらった「UTSUROHI」ポスターは磯崎新のデザインです。
刷りは日本の版画におけるシルクスクリーンの表現可能性を広げてきたパイオニア・岡部徳三。同作以外にもオノサト・トシノブ、靉嘔、横尾忠則、ナム・ジュン・パイク、ジョン・ケージ、前田常作、ジョナス・メカスら多数の作家の作品を手掛けています。
作品の詳細については下記アドレスまで「件名」「お名前」「連絡先(住所)」とご用件を記入してご連絡ください。
info@tokinowasuremono.com
お電話でのご連絡も受け付けております。
03-6902-9530
◆「ポートレイト/松本竣介と現代作家たち」展
2025年4月16日(水)~4月26日(土)11:00-19:00 ※日・月・祝日休廊
出品作家:松本竣介、野田英夫、舟越保武、小野隆生、靉嘔、池田満寿夫、宮脇愛子+マン・レイ、北川民次、ジャン・コクトーほか●松本莞さんが『父、松本竣介』(みすず書房刊)を刊行されました。ときの忘れものでは莞さんのサインカード付本書を頒布するとともに、年間を通して竣介関連の展示、ギャラリートークを開催してゆく予定です。
『父、松本竣介』の詳細は1月18日ブログをお読みください。
ときの忘れものが今まで開催してきた「松本竣介展」のカタログ5冊も併せてご購読ください。
画家の堀江栞さんが、かたばみ書房の連載エッセイ「不手際のエスキース」第3回で「下塗りの夢」と題して卓抜な竣介論を執筆されています。
著者・松本莞『父、松本竣介』
発行:みすず書房
判型:A5変判(200×148mm)・上製
頁数:368頁+カラー口絵16頁
定価:4,400円(税込)+梱包送料650円
●ときの忘れものの建築は阿部勤先生の設計です。
建築空間についてはWEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>に特集されています。
〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531 E-mail:info@tokinowasuremono.com
http://www.tokinowasuremono.com/
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。日・月・祝日は休廊。
JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。

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