専修大学(神田校舎)で主催・トリシャ・ブラウン研究会、協力・株式会社プロセスアートの「TRISHA BROWN:ポスト・モダンダンスから現在まで―映像を交えて」という映像上映とトーク+ディスカッションが15時から催されていた。14時に行くと、専修大学教授の貫成人さんとプロセスアートの中谷芙二子さんと田坂さんがすでに会場設営に取り掛かっていた。私はぱくきょんみさんと配布物の準備をした。中谷芙二子さんは、きっと20人くらいしか来ないと思う・・・とおっしゃっていたが、100枚用意していた配布物が十数枚しか残らなかったほど、次から次へとお客様がいらっしゃった。美学者/舞踊批評家・貫先生が司会進行を務め、ゲストは霧の彫刻家・中谷芙二子さん、ダンサー/振付家・厚木凡人さん、美学者/埼玉大学教養学部教授・外山紀久子さん。最初に30分程のトリシャ・ブラウン初期作品映像が流れた。音のない中、トリシャ・ブラウンが動き出す。腕、手首、足、足首、体の重心の動きが力強く、その力強さや呼吸がまるで太極拳のようだと私は思った。どのタイミングで動きだし、次にどんな動きをするのか、またいつ止まるのか、全く先が読めない。『トリシャ・ブラウン――思考というモーション』で執筆戴いた石井達朗さんの文章が蘇ってきた。ダンサーが少しの支えで壁を歩き、また洗濯物がアスレチックに引っかかっているようなものに、ダンサー自身も引っかかり移動する・・・という身体の極限の可能性を見た気分になった。ゲストである中谷芙二子さんのトークでは、《オパール・ループ/雲#72503》の霧を発生させる装置の制作、メイキングの話をしてくださった。私は、『トリシャ・ブラウン――思考というモーション』で執筆戴いた中谷芙二子さんの原稿を5、6回(いやそれ以上かも・・・)は読んでいるので少しは知った気でいたが、この「#72503」が表す意味を知らずにいた。この数字は、《オパール・ループ/雲#72503》の公演を行なった日のニューヨークの気象台の測候所のナンバーらしい。外山紀久子さんのトークではポスト・モダンの話をしてくださり、厚木凡人さんのトークでは、自ら身体を動かしながら度肝を抜かれたダンスの話やマース・カニングハムの動きをして見せ、笑いありのちょっぴり辛口トークで会場を沸かせた。18時半頃全てが終了し、私も打ち上げに参加した。詩人、音楽家の方もみなダンスに興味を持っており、トリシャ・ブラウンのダンスをおもしろいと思っていることを知った。厚木凡人さんは質問に身体を使いながら、足首の動きバレエの「1番2番・・・5番」などを見せて丁寧に答えてくださった。最近、芸大に通って授業受けているような、そういう感覚です。
2006.3.12
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