
飯田善國 Yoshikuni IIDA「HAPPY BIRTHDAY」
1976年 Silkscreen 刷り:石田了一
イメージサイズ:18.0×20.0cm Ed.750
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今春2006年4月19日に亡くなられた彫刻家の飯田善國先生は、1972年に詩人・西脇順三郎との合作詩画集『Chromatopoiema』(クロマトポエマ)を制作されました。
このとき、飯田先生はアルファベット26文字にそれぞれ色を決め、文字を色に置き換えるという方法を考案します。すなわち西脇の18篇の英詩を画面に散りばめ、同一のアルファベット同士を決められた色の帯でつなげることにより、「色彩詩」という独自のアートを誕生させたのでした。詩人の言葉(文字)を一定のルールのもとに色彩化させ、瑞々しい色彩と躍動する造形によるシルクスクリーン作品が生まれました。
ご紹介する「HAPPY BIRTHDAY」は、その「色彩詩」の方法を用いた愛すべき小品です。
向かって左側に「HAPPY BIRTHDAY」、右側に「TANJYOBI OMEDETO」の文字が配され、それぞれの文字が美しい色玉で繋がっています。生まれて間もない現代版画センターの誕生祝い(創立2周年記念作品)として飯田先生が制作してくださったものです。
◆作家の紹介/飯田善國(いいだ よしくに 1923-2006)
足利市に生まれる。1949年慶應義塾大学(美学美術史学専攻)卒業後、東京芸術大学に再入学し、1953年同大学油画科を卒業。1956年、絵画を勉強しにローマに渡るが、彫刻家ファッツィーニに塑像を学ぶ。ウィーン、ベルリンなどヨーロッパ各地で活躍し、数々の賞を得る。67年帰国後、彫刻やステンレスのモニュメントや評論、詩作など多彩な活動を続ける。 1983年法政大学工学部建築学科教授となる。
主な著書:著書『見えない彫刻』(1977 小沢書店)、『ピカソ』20世紀思想家文庫5(1983 岩波書店)、詩集『見知らぬ町で』(1983 思潮社)など多数。
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