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<<ギャラリーときの忘れものだより>>
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開催中のイリナ・イオネスコの展覧会も今日が最終日です。印刷物ではない、実際のプリントの美しさを見にいらしてください。
来週も写真展が続きます。10日から18日まで「都市への視線」と題して、13名の写真家が街や人の表情を捉えた作品約40点を展示いたします。良く知られたロベール・ドアノーの「市庁舎前のキス」やアンドレ・ケルテスの「おどけた踊り子」を始め、都市の現実を冷徹にフィルムに収めたウィージー、プリントに着彩して独特な作品を制作するチェコの写真家ヤン・ソーデック、映像作家ジョナス・メカスらの多彩な作品をご覧いただきます。
また現在開催中の、コレクター放出の古書セールも引き続き行います。
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<<今週の話題~写真はどうなる>>
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先日、写真専門のオークション会社による初めてのオークションに参加というか立ち会ってまいりました。開始時間になっても広くない会場は空席だらけで、開始を25分遅らせましたが数人増えただけでした。始まる前から不安がよぎります。競りはまず写真集から。数千円から数万円で24点のうちほとんどが落札されたので、多少安堵。続いてプリントの競りが始まると会場は静まり返り、29点のうち落札されたのは2点のみ。かなり厳しい結果でした。
また、2日には東京大学総合研究博物館で3日から開催される「東京大学コレクション-写真家上田義彦のマニエリスム博物誌」の内覧会に行ってまいりました。東京大学で所蔵する様々な標本(骸骨、ダチョウの卵、剥製など)をコマーシャルの世界で有名な上田義彦さんが撮ったものです。非常に美しく精緻な写真なのですが、なんとなく違和感を感じます。多分それは、ディジタルだからだと思います。レコードとCDの音の違いがよく言われますが、それと同じ現象ではないかと言う気がします。
日本においては、アナログ・プリントの市場が出来る=アートと認められる前に、写真=ディジタルとなり、アナログ=過去の遺物となってしまうのではないかと、写真を愛するものとしては危惧しています。
名匠ルキノ・ヴィスコンティの特集上映最後として「ルートヴィヒ」を見てきました。19世紀ドイツ、バイエルン国王ルートヴィヒII世の即位から亡くなるまでを4時間かけてじっくり描いた映画です。撮影中にヴィスコンティが身体を壊してしまったというくらい精神的にも肉体的にもハードな撮影だったようですが、その成果は素晴らしいもので、この悲劇の王の狂気が凄みを持って迫ってきました。機会がありましたらぜひご覧下さい。
(スタッフ 三浦次郎)
<<ギャラリーときの忘れものだより>>
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開催中のイリナ・イオネスコの展覧会も今日が最終日です。印刷物ではない、実際のプリントの美しさを見にいらしてください。
来週も写真展が続きます。10日から18日まで「都市への視線」と題して、13名の写真家が街や人の表情を捉えた作品約40点を展示いたします。良く知られたロベール・ドアノーの「市庁舎前のキス」やアンドレ・ケルテスの「おどけた踊り子」を始め、都市の現実を冷徹にフィルムに収めたウィージー、プリントに着彩して独特な作品を制作するチェコの写真家ヤン・ソーデック、映像作家ジョナス・メカスらの多彩な作品をご覧いただきます。
また現在開催中の、コレクター放出の古書セールも引き続き行います。
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<<今週の話題~写真はどうなる>>
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先日、写真専門のオークション会社による初めてのオークションに参加というか立ち会ってまいりました。開始時間になっても広くない会場は空席だらけで、開始を25分遅らせましたが数人増えただけでした。始まる前から不安がよぎります。競りはまず写真集から。数千円から数万円で24点のうちほとんどが落札されたので、多少安堵。続いてプリントの競りが始まると会場は静まり返り、29点のうち落札されたのは2点のみ。かなり厳しい結果でした。
また、2日には東京大学総合研究博物館で3日から開催される「東京大学コレクション-写真家上田義彦のマニエリスム博物誌」の内覧会に行ってまいりました。東京大学で所蔵する様々な標本(骸骨、ダチョウの卵、剥製など)をコマーシャルの世界で有名な上田義彦さんが撮ったものです。非常に美しく精緻な写真なのですが、なんとなく違和感を感じます。多分それは、ディジタルだからだと思います。レコードとCDの音の違いがよく言われますが、それと同じ現象ではないかと言う気がします。
日本においては、アナログ・プリントの市場が出来る=アートと認められる前に、写真=ディジタルとなり、アナログ=過去の遺物となってしまうのではないかと、写真を愛するものとしては危惧しています。
名匠ルキノ・ヴィスコンティの特集上映最後として「ルートヴィヒ」を見てきました。19世紀ドイツ、バイエルン国王ルートヴィヒII世の即位から亡くなるまでを4時間かけてじっくり描いた映画です。撮影中にヴィスコンティが身体を壊してしまったというくらい精神的にも肉体的にもハードな撮影だったようですが、その成果は素晴らしいもので、この悲劇の王の狂気が凄みを持って迫ってきました。機会がありましたらぜひご覧下さい。
(スタッフ 三浦次郎)
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