
明日から第18回瑛九展を開催します。
会期=2007年5月18日[金]―6月2日[土] *日.月.祝日は休廊
1996年3月の第1回瑛九展以来、瑛九の多様な制作を見つめさまざまな切り口で作品を紹介して参りましたが、18回目の今回は最初期1936年に制作されたフォトデッサンを中心に、油彩、版画など約20点を展示します。
まあ、飽きもせずようやるわ、とお思いでしょうが、なにとぞよろしくお付き合いください。
私たちにとって瑛九展は画商商売の原点ともいえるもので、18回というのは「ときの忘れもの」になってからのことでして、その前を数えると・・・・多すぎて数え切れません。
1974年に現代版画センターをつくったとき、当初は「版元」の機能だけでしたから展示スペースはありませんでした。
唯一確保できたのが、神楽坂にあったバー「憂陀」の壁面でした。
オーナーの金森さんと関さんのお二人の好意に甘えて、毎月そこで「恩地孝四郎・田中恭吉と月映展」や「瑛九展」などの小さな展覧会をしました。
ほとんど売れなかったのですが、たまに酔狂なお客様が酔った勢いで買ってくださったのがありがたかった。
瑛九のリトグラフを初めて「憂陀」で買ってくださったのは粟津潔先生でした。
ところで、以前にもお知らせとお詫びを申し上げましたが、当初はこの展覧会に合わせ版画掌誌第6号(細江英公+瑛九)を刊行予定でしたが、編集上の事情で秋に延期することになりました。
購読者の皆様にはいましばらくお待ち下さい。
■5月26日(土)17時より瑛九展ギャラリートークを開催します(講師/大谷省吾)
会費1,000円(1ドリンク)
※要予約(参加ご希望の方は、お名前・電話番号を明記の上、メールまたは電話でお申し込み下さい。先着順、定員になり次第締切ります)
電話:03-3470-2631、 メール:info@tokinowasuremono.com
■講師の大谷省吾(東京国立近代美術館研究員)さんは、1969年生まれ。筑波大学卒、同大学院博士課程中退。シュルレアリスムを中心とした西洋の前衛美術が、日本にどのように紹介され、展開したかという問題について研究されています。
これまで手がけた東京国立近代美術館での主な展覧会には1996年「交差するまなざし-ヨーロッパと近代日本の美術展」、1997年「北脇昇展」、1998年「大辻清司写真実験室展」、2003年「地平線の夢 昭和10年代の幻想絵画展」、そして現在開催中の「靉光展」などがあります。
気鋭の研究者による瑛九論の展開、特に世界的な視野で見たフォトデッサン(フォトグラム)やコラージュについての言及を私たちは期待しています。
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