朋あり遠方より来る。
私たちの古い友人の画家ジャン・ベルト・ヴァンニさんがご夫妻で来日されている。
1927年生まれだから、もう80歳を超えておられるのに、カメラを抱えての撮影旅行とか、とてもお元気だ。
2008年1月15日 ワタリウムの直ぐ近くの和食「菜遊」にて
手前中央から時計回りに、綿貫令子、木下哲夫、綿貫不二夫、ヴァンニさん、奥様、三浦次郎
ヴァンニさんはイタリア生まれ、ローマ大学で建築を学び、オランダ、パリを経て、アメリカに渡りエール大学で絵画を学んだ。
ギリシャのエーゲ海に浮かぶ島に別荘を持ち、アメリカ人の奥様とニューヨークで暮らし、世界中を旅している。とても老後なんていう雰囲気ではない。現役バリバリ、日本も隈なく歩き回っている。私より詳しいかも知れない。
1983年に来日しときに、私たちが渋谷の松濤でやっていたギャラリー方寸で個展を開いた。
ちょうどヴァンニさんの友人がイタリア大使で、イタリア大使館で盛大なレセプションを開いてくださった。ご存知の方もいらっしゃるでしょうが、イタリア大使館というのは、都内でも屈指のお屋敷で、なにせ美術の国ですから、飾られている絵画や調度品など半端ではない。
私もいろいろパーティをしたけれど、このときの華やかさは今でも懐かしい。参加された方が皆絵になるのですね。さすがイタリアと感激しました。
そのジャン・ベルト・ヴァンニさんの絵本「LOVE-ラブー」が昨年末に青山出版社から刊行された(1,800円+税)。
さすがローマ大学の建築科に学んだだけあって、絵本もとても凝ったものである。
子供向けというよりは、恋人への贈り物にぴったりだ。
ぜひ本屋さんで見つけてください。
◆ジャン・ベルト・ヴァンニ「LOVE-ラブ-」出版記念展
会期=2008年3月14日[金]~29日[土] 12:00-19:00
*日・月・祝日休廊
3月15日[土]の17時より、ニューヨークからヴァンニさんを迎えて、サイン会とオープニングを開催します。ぜひお出かけください。
さて、下記にご紹介するのは、1983年のバンニさんの個展の折、制作された銅版画です。
ジャン・ベルト・ヴァンニ Gian Berto VANNI
「ROOTS」
1983年 カラー銅版
Image Size 15.5×12.8cm
Ed.50 Signed
ジャン・ベルト・ヴァンニ Gian Berto VANNI
「SHORES」
1983年 カラー銅版
Image Size 20.3×12.5cm
Ed.50 Signed
ジャン・ベルト・ヴァンニ Gian Berto VANNI
「ISLAND」
1983年 カラー銅版
Image Size 20.2×12.8cm
Ed.50 Signed
◆ジャン・ベルト・ヴァンニGIAN BERTO VANNI
1927年、ローマに生まれる。
1946~48年、サンルカアカデミー、ローマ大学建築学部に学ぶ。
1947年アンドレ・モーリアック作「アスモデ」、ヴィットリオ・セルモンテ作「私たちの美しい城」の舞台美術を担当(後者はマルチェロ・マストロヤンニのデビュー作)。
1949~60年パリ在住
1952~53年フルブライト奨学金を得て、エール大学にて絵画を学ぶ(同期にヨゼフ・アルバース)。
1953年、ヴィラジュイフ市の住宅計画に参加、100棟のアパートの色彩決定に携わる。
1954年、ルチアーノ・エマー監督、映画「ピカソ」のカラー・アドバイザーを務める。.
1959年、ルネ・デュピュイ演出「フィガロの結婚」の舞台美術を担当。
1960~79年、ローマ在住(1966年はモロッコ在住)。
1963~74年、シルクスクリーン・ワークショップを開設、指導―アルジフ(イスラエル)、コルフ(ギリシア)、チケフェル(イタリア)、クサダシ(トルコ)、ジェルバ(チュニジア)、アガディール(モロッコ)、マラケシュ(モロッコ)、モンタリヴェ(フランス)、ヴィテル(フランス)、ポルト・ペトロ(スペイン)。
1966年、ケルン市主催、ライン・ティバ絵画展で第一席受賞。
1979年からニューヨーク在住。
1983年、来日しイタリア大使館後援により東京・ギャラリー方寸にて個展開催。以後、奈良・西田画廊、小浜・ギャラリーM、仙台・ギャラリー青城、久留米・筑後画廊他にて個展。
現在、クーパーユニオン美術学校教授。
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