瑛九 Q Ei「肖像」
1950
Photo Dessin (Photogram)
27.5x22.4cm
signed by pen on the image
*画面下にサインと年記、裏面にタイトル
瑛九のフォトデッサンをご紹介します。
フォトデッサン(フォトグラム)はカメラを使わず、暗室で直接印画紙に光をあてて描いた光のデッサン(絵)です。
マン・レイたちがその先駆とされていますが、短い生涯に大量に、かつマン・レイたちが試みもしなかった大判のフォトグラム作品を制作したのが瑛九です。
いつか必ず瑛九の国際的評価が高まる、そう言っていた私ですが、実はつい先日某国ナショナル・ギャラリーから瑛九のフォトデッサンの引き合いがありました。嬉しかったですね。これで夏のボーナスが確保できそうです。
先日のギャラリートークで、細江英公先生はそもそもときの忘れもので展覧会をすることになった経緯を、30数年前までさかのぼり、参加者たちに説明してくださいました。
1952年、19歳のときに瑛九のもとへ通い始めた細江先生は最年少の瑛九の仲間となります(弟子といってもいいのですが、瑛九は弟子という言葉をきらったようです)。
その20数年後、1974年現代版画センターを創立した私たちはひょんなことから美術界に入り、久保貞次郎先生の導きで、瑛九の周辺の作家たちと次々と出会いました。
そのお一人が細江英公先生でした。
既に瑛九は亡くなっていましたが、今もご健在の瑛九夫人をはじめ、瑛九の周辺に集まった人びとから瑛九が及ぼした濃厚な雰囲気を感じさせられ、またその作品に圧倒的な影響を受けました。
そんなわけで瑛九の作品を一所懸命扱っていた私たちをいつも応援して下さっていたのが細江先生でした。知り合って(ご厚誼を受けて)30数年もたってから初めて展覧会をするというのもヘンな話ですが、それだけ私たちがオクテなんです、どうぞ笑ってください。
◆ときの忘れものでは、5月9日~5月31日まで「細江英公写真展 ガウディへの讃歌」を開催中です。
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