詩人として高名な西脇順三郎は、また絵画においても優れた作品を多く残しています。
それらの作品のいくつかは、小千谷市立図書館の記念室に展示されていますし、また平成14年の世田谷文学館での西脇順三郎展でご覧になった方も多いでしょう。
ご紹介するのは、日本有数の大コレクターだったK氏旧蔵の作品です。
西脇順三郎
西脇順三郎「伊太利 トスカーナ」
 1965年頃 水彩(色紙)
 26.5×23.5cm サイン有り

◆西脇順三郎(にしわき じゅんざぶろう 1894-1982)
新潟県小千谷の旧家に生れる。1911年画家を志し上京、白馬会に入会するが父の急死により断念。後に詩に興味を抱き、英詩を試みる。1917年慶應義塾大学理財科卒業。小泉信三に師事し、卒業論文は全文ラテン語で執筆したという。1922年慶應義塾留学生として渡英、オックスフォード大学に学ぶ。英文詩集『Spectrum』を自費出版し反響を得る。帰国後、慶大教授となり、英文学史などを担当。1927年瀧口修造らと日本初のシュルレアリスム詩誌『馥郁タル火夫ヨ』および『超現実主義詩論』を、翌年『シュルレアリスム文學論』を刊行。1928年には『詩と詩論』を創刊。シュールレアリスムの理論家として指導的位置を占め、現代詩の代表的詩人となる。1971年文化功労者として顕彰される。ノーベル文学賞の候補者にもなった。
主な著書:『超現実主義詩論』(初版1929 厚生閣書店)、『Ambarvalia』(1933 椎の木社)、『荒地』(1952 創元社)、詩集『第三の神話』(1956 創元社)、長詩『失われた時』(1960 政治公論社『無限』編集部)、『西脇順三郎全集』全10巻(1971-1973 筑摩書房)など多数。飯田善國と詩画集『クロマトポイエマ』も制作している。