開催中の植田正治展からの作品紹介最終回です。
今日ご紹介する作品は、「妻のいる砂丘風景（IV）」です。この作品は、2年前の東京都写真美術館での展覧会のカタログがわりに刊行された写真集「吹き抜ける風」のカバーに使われました。このシリーズの中でも、この作品は、手前の広い空間と着物姿の妻紀枝さんのうつむいた姿、そして砂丘の向こうからこちらに近づきつつある女性という、何かミステリアスなコンポジションが見事です。植田さんは、背景はできるだけシンプルに、出来れば空には雲がないほうが良いと語っていましたが、ここでは、手前の風紋やバックの立体的な雲がこの作品に、手前から奥に向かっての風のような流れを感じさせます。
明日は、展覧会最終日です。まだご覧になっていない方は、ぜひお見逃しなく。そして、既にご覧になった方は、もう一度ご覧下さい。お待ちしております。

植田正治　「妻のいる砂丘風景（IV）」
1950年ごろ（Printed Later）Gelatin Silver Print
21.2x24.8cm　サインあり


いま画廊で販売中の写真集をご紹介します。こちらの写真集には送料500円がかかります。

植田正治写真集『吹き抜ける風』
2006年　求龍堂
25.6x19.2cm　163ページ　図版147点
テキスト：金子隆一、植田正治、仲田薫子



『僕のアルバム』
2007年　求龍堂
19.0x19.0cm　102ページ　図版71点
テキスト：仲田薫子



月刊『たくさんのふしぎ』「かくれんぼ」2005年12月号
2005年　福音館書店
25.0x19.0cm　48ページ　図版23点
文：岩瀬成子　写真：植田正治
税込価格　700円


『軌道回帰　ポラロイド35mm写真帖』
1986年　私家版
23.2x30.0cm　無綴じ三分冊
価格はお尋ねください。


『植田正治の写真』（サイン本）
1993年　（財）東日本鉄道文化財団
29.5x22.8cm　249ページ　図版237点
テキスト：アラン・サヤック、岡井毅耀、池上浩生
価格はお尋ねください。


『SHOJI UEDA （物）たち』（サイン本）
1995年　PARCO出版
28.5x22.5cm　95ページ　図版93点
テキスト：池澤夏樹
価格はお尋ねください。


『植田正治と仲間たち』（サイン本）
1992年　米子市美術館
29.7x21.0cm　207ページ　図版241点（うち植田正治50点）
テキスト：植田正治、蔦谷典子
価格はお尋ねください。

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◆JCIIフォトサロン「植田正治展～砂丘劇場」(1992年)の図録を頒布します。



◆ときの忘れものでは、11月14日[金]―12月6日[土]まで「植田正治写真展ー砂丘劇場」を開催しています。

◆オリジナルプリントを挿入した「ときの忘れものアーカイヴスVol.1 五味彬Yellows」特装版を創刊しました。限定175部、挿入されたプリントは技法、サイズ、イメージなど全てが異なります。
価格7,350円（税込）です。