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<<ギャラリーときの忘れものだより>>
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画廊では「エルンスト・ハース写真展」を開催中です。幸い新聞等でご紹介いただいたおかげで、平日でも多くのお客様にご来廊いただいています。今回のプリントに使用されているダイ・トランスファー・プリントという方式は、イエロー、シアン、マゼンタ3色の染料を使って行うもので、1945年にコダックによって開発され、発色や耐久性に優れているという高い評価を得ましたが、3色分解したネガをずれないように順に重ねてプリントするというようにプロセスが煩雑で、熟練を要することから、量産には向かず、今ではほとんど使われることがなくなってしまいました。すでに遺産となりつつある貴重なプリントをぜひこの機会にご覧ください。
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<<今週の話題~東京藝大大学美術館>>
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いま、東京藝術大学大学美術館では、25日(日)まで二つの展覧会が開催されています。ひとつは、2004年から美術学部長を務め、この3月に退任する建築家・六角鬼丈の展覧会です。「新鬼流八道(じきるはいど)の建築」と題し、自邸から始まる40年間の建築作品史を展観することができます。私はあまり建築には詳しくありませんが、建築家の中では、かなり異色なほうなのではないでしょうか。そのユニークな建造物は、社会や人々を取り巻く、風土・歴史・身体・意識といった様々な要素を取り込んだ結果なのでしょう。
もうひとつの展示は、やはり今年3月に美術学部彫刻科教授を退任する彫刻家・山本正道の展覧会です。山下公園の「赤い靴を履いた女の子」の像などで知られる山本は、柔らかいフォルムで少女や風景を表現してきました。単体の人物や物だけでなく、ある風景の中に樹木や人物、動物を描いたその作品は、見るものをまさにその風景の中に引き込んでしまう魅力を持っています。初期から近作までの代表的な彫刻約36点と素描で、その画業をご覧いただけます。 なお、二つの展覧会とも、入場無料です。
(スタッフ 三浦次郎)
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<<今週のオークションから>>
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◎「Ay-o靉嘔×元永定正」特集/ 今週は、名実共に日本を代表する現役作家2人を特集します。