お陰様をもちまして、「根岸文子展」は無事終了いたしました。結局、行方不明の作品は出てきませんでしたので、正確には「無事」ではなかったかもしれませんが、ご来廊くださった方にはたいへん好評をいただきました。
今回の作品は、根岸さんご自身で「自分は風景画を描いている」とおっしゃったように、自分の絵画言語を駆使して、その心象風景を描いています。それがある種、作家にとってのセラピーのようなものであると同時に、見る側にもその心象風景の中に引き込まれることで同様の効果があるように思います。
「ピンクの危険な植物」のシリーズは、今までとは違った色遣いで、新境地と言えるかもしれません。淡いピンク色で油断させておいて、実は食虫植物のような危ないものが潜んでいますよ、気をつけてください、と何か社会的なテーマ性を感じさせるのは、やはり幼子を持つ母親になったからでしょうか。
それと、今年制作したシルクスクリーンのポートフォリオは、ひじょうに楽しい作品です。夢に出てきた「綺麗なピンクの嘘つきな舌」をユーモラスに描いています。鏡のような地にプリントされていて不思議な効果をあげています。
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negishi_68_portforio_lengua-3PORTFOLIO "LENGUA MENTIROSA"
2009年 シルクスクリーン3点組
各33.0×22.5cm サインあり

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ときの忘れものでは、今後も根岸文子さんの作品を取り扱いますので、お気軽にお問い合わせください。

上野の森美術館の「VOCA展2009」は、3月30日(月)までです。根岸さん渾身の大作をどうぞご覧下さい。