“ときの忘れもの”今週のオークション 2009.04.17
-------------------------
<<ギャラリーときの忘れものだより>>
-------------------------
「マン・レイ展」は、好評開催中です。11日のマン・レイ・イスト石原輝雄さんをお迎えしたギャラリートークは、福岡、京都、静岡、栃木など遠くからいらした方を含め定員一杯20名を超える参加者を集めて開催されました。貴重なマン・レイ展のDMなどをお持ちいただき、それぞれについての思い出や、マン・レイの本名についての考察、またマン・レイの油彩作品への思い入れなどを1時間強、お話いただきました。トーク終了後の交歓会では石原さんはひっぱりだこで、あらためてマン・レイの人気と関心の高さを知った夜でした。25日まで開催しております。
--------------------------
<<今週の話題~篠山紀信展 >>
--------------------------
いま恵比寿のナデイッフ・アパート全館を使って篠山紀信さんの作品展が開催されています。これは、篠山さんが今年1月から「NO NUDE」というシリーズで月1冊ずつ写真集を出しており、4月に今までの集大成と言える「NUDE by KISHIN」という15,750円の写真集を出すのに合わせての展覧会です。初期の自らプリントしたヴィンテージプリントをはじめ、1969年の「PHANTOM]のシリーズから最新作まで見ることが出来ます。篠山さんは、今までプリントを売る展覧会はほとんどしませんでしたが、今回は販売もしています。ただ、ほとんど100万円前後なので、それなりの覚悟が要ります。筆者の青春時代は、雑誌「GORO」の激写の最盛期でしたので、まさに時代のアイコンとして篠山さんの写真が頭に焼き付いています。もっと海外からのオファーがあっても良いように思うのですが、日本でもアートとしては見られなかったせいでしょうか。これを機会に見直されることを期待します。(スタッフ 三浦次郎)
------------------------------
<<今週のオークションから>>
------------------------------
◎創作版画と蔵書票特集
◆創作版画/日本の近代美術の歴史の中で、いわゆる「創作版画運動」といわれるのは、明治末期、雑誌『方寸』に拠った山本鼎たちが唱導した近代的版画制作の姿勢・主張でした。「版画は絵の複製であってはならない」という主張を実践しようとした運動でした。その初期における瑞々しさ、プロの画家のみならず、アマチュアの多くの人々を巻き込んで全国に波及した版画の創作活動のエネルギーは素晴らしいものでした。

◆蔵書票/「蔵書票」(エクスリブリス Exlibris)とは西欧文化で生まれたもので、書物の表紙・見返しなどに貼り付けて、その所蔵者を示すための、印刷した小票です。パトロンが作家に制作を依頼して経済的に支援する事が多く、販売目的で作られたものではありませんが、美術品としても高く評価されています。概ね版画で制作され、殆んどが作家のサインもなく、制作部数も不明ですが、流通していないので希少性も高くコレクターも数多く存在します。