“ときの忘れもの”今週のオークション 2009.05.15
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<<ギャラリーときの忘れものだより>>
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ギャラリーでは「小野隆生コレクション展」を30日まで開催中です。小野先生の作品のなかでも重要なパートを占める「断片」シリーズ(支持体の板をモチーフの形に切り抜いた作品)を中心に展示しています。小野先生の作品名は変わっていて面白いのですが、覚えづらいのと英訳しづらいのが欠点です。今回の出品作のタイトルも「ヨハネによる福音書」(椅子の絵)、「夏の日の午後の断片」(靴の絵)、「冬の旅になってしまった」(女性像)、「終焉の地の空には雲がない」(柱の絵)というような調子です。そうかと思えば、「肖像95-2」のようにシンプルに番号を振っただけの作品もあります。絵と同時にタイトルも楽しんでみてください。
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<<今週の話題~国展 >>
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先日、国立新美術館で「国展」を拝見しました。国画会は、1918年に文展から小野竹喬や土田麦僊らが独立して作った「国画創作協会」がさらに分離して1928年「国画会」となりました。現在では絵画、版画、彫刻、工芸、写真の5部から成っており、国立新美術館の1階から3階までを使った展示になっていました。今回特に目を惹いたのが、稲垣孝二さんの「観衆」という作品で、4m四方もあろうかという大きな画面いっぱいにスタジアムの観客席が描いてあり、そこには数え切れないほどの観客(ほとんど女性)が稲垣さんお得意の細密さで描き込まれています。一人ひとりの表情や、紙ふぶきによって中空に浮かび上がる顔など、そのシュールさは笑わずにはいられないくらい緻密で迫力がありました。最近巷ではあまり見なくなった抽象画もここでは健在で、多様な作品を見ることができるのは公募展の良いところです。写真の部もありましたが、写真は絵と違って1点だけでは、その人の力量や作風が分からないので、作家の力を見極めるのは難しいように思いました。
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<<今週のオークションから>>
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◎創作版画と蔵書票特集/ 今や忘れられつつある「創作版画」と「蔵書票」を今週は特集いたします。
◎小野忠重 水彩「駅前広場」
◎平塚運一 「大阪まどのかい愛書」
◎武藤完一 蔵書票「K.MUTO」
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◆ペシャワール会支援チャリティー・オークション!
http://search.auctions.yahoo.co.jp/search/auc?p=%CB%BA%A1%FA%A1%A1%A5%DA%A5%B7
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ペシャワール会支援のためのチャリティー・オークションも3年目を迎えました。今年も引き続き行いますので、趣旨をご理解いただき、コレクションをしつつ、支援活動ができるというチャリティー・オークションにご協力くださいますようお願い申し上げます。ぺシャワール会は、1983年9月、中村哲医師のパキスタン北西辺境州ならびにアフガニスタンでの医療活動を支援する目的で結成されました。2000年夏からは戦乱についで今世紀最悪の干ばつに見舞われたアフガニスタンの村々で約1,000カ所以上の水源(井戸、カレーズ)確保作業を継続しています。その活動の支援として、2006年1月から毎週、コレクション作品を継続してヤフーオークションに提供します。落札者の方には、落札金額の全額を「ぺシャワール会」の郵便振替口座に振り込んでいただきます。目標は、1,000万円です!どうぞご協力よろしくお願いいたします。
★先週ご協力いただいた金額 2,001円 

★目標まであと 9,651,674円 ご協力よろしくお願いいたします!