靉嘔初期油彩、磯辺行久ワッペン/It's a real★本物を買う!

3月5日6日に開催する「It's a real★本物を買う!」の出品作を順次ご紹介します。
このブログでも幾度も書いてきましたが、瑛九のもとには多くの若い作家が集まり、そして世界に飛び出して行きました。
浦和のアトリエに集ったのは、靉嘔池田満寿夫磯辺行久細江英公、河原温、などなど。
東大在学中の磯崎新も加藤正に連れられて瑛九を訪ね、フォトデッサンの作り方を教えてもらったといいます。
それだけ人を引き寄せる魅力が瑛九にはあったのでしょう。
彼等のその後の活躍を見れば、師(なんて言葉は瑛九が最も嫌った言葉ですが)としての慧眼に驚きます。
彼等も瑛九にならったのか、そのスタイル、技法にこだわることなく興味の赴くところどんどん先へと展開していきました。多くが早くから海外へと制作の拠点を移したこともそのあらわれでしょう。
靉嘔は1958年ニューヨークに渡り、磯辺行久は1966年にやはりアメリカに渡ります。
渡米後、二人の作風は激変します。
靉嘔はフルクサスに参加、やがて虹のシリーズに己の道を見出します。
磯辺行久は美術から遠く離れ、建築の世界に転進してしまいます。

今回出品するのは、靉嘔のニューヨーク時代の最初期の油彩(渡米第一作)と、磯辺行久の渡米前のワッペンの作品2点です。

靉嘔油彩「マンハッタン」
3 靉嘔 《Manhattan》
1958 油彩 25.0x35.2cm Signed

03_靉嘔_Manhattan裏キャンバス裏

磯辺行久「ワッペン」
5 磯辺行久 《ワッペン》
1963 ミクストメディア 18.5x14.8cm Signed

磯辺行久水彩
6 磯辺行久 《untitled》
1961 水彩 31.0x21.0cm Signed