宮崎県立美術館、埼玉県立近代美術館、うらわ美術館で開催された「生誕100年記念 瑛九展」が昨日11月6日で遂に終了しました。
亭主の生きているうちにこれだけの大回顧展を再び見ることができるかしら。
美術館での展覧会は終わりましたが、各地で瑛九を支えた人たちによる独自の顕彰展が開催されますので、このブログでもいくつかご紹介しましょう。
また、ときの忘れものでも第22回瑛九展を来年1月に開催します。
twitterでたくさんの人たちが感想をつぶやいていました。若い人たちの中に瑛九が生き続けることを確信できる内容でした。
いくつか転載させていただきましょう。
●瑛九さん初めてまとめてみたけどとてーも良かった。色彩感覚が昔の作品とは思えないくらい光ってた。瑛九さん初めてまとめてみたけどとてーも良かった。色彩感覚が昔の作品とは思えないくらい光ってた。
●埼玉近美:一方あえて言えばこちらは「作家の生涯を理解する」というよりも「作家の生きざまを感じる」というような雰囲気に満ちているように思われた。展示室に入ると、これでもかと作家自身の言葉が文字シールやパネルで空間にちりばめられており、その間を漂うように絵が置かれている。それらの言葉は野心や思想に満ちていて、けっこう扇動的な空間に仕上がっていたように思う。さらに展示室を進むと、エスペラント語に傾倒していたり、多様な技巧でイメージと戯れていたりする実験者的な瑛九の姿が見られる。そして最後、出口直前最後のエリアがすごかった。
●フォト・デッサンの美しさにも目を見張りましたが、最後の点描の、数年で怒涛のように変化する作風、色彩の海、丸の織り成す世界、そして細かい点描の大作がずらりと並ぶ空間の圧倒的なこと。なにもかも昇華されていくような…
●どうも僕は絵画で技法を模索していった画家のうち、最終的に点描のような技法に帰着した人に惹きつけられるみたいだ。クレーも「嘆き悲しんで」などで点描のような絵画を作成したが、瑛九もそうだった。モナドと言っては単純化しすぎだけれど。細部と全体の関係に興味あるのかなぁ。
●不勉強にして瑛九は抽象画以外はよく知らなかったんですが、印画紙を使って様々な視覚効果を狙って作られたフォト・デッサンがまたこれ良かったです。シュール・リアリズムっていうのか、その、実研的具象がどんどん分解されて最後ほとんど宇宙的な点描抽象画にたどり着く過程が心地よかった。
●それにしても、点描作品を始めとした瑛九晩年の作品の充実ぶりは素晴らしい。今までちょっと瑛九を舐めてたのかなと思うくらい。作品の中で完結するというより観者を巻き込むような絵画であった。そういった意味では作品が巨大化していくのは必然だったのではないか。そう考えると、瑛九の巨大な点描作品「つばさ」(200号の大きさの縦長作品)は、もう少し低い位置に展示しても良かったんじゃないかなとちらっと思った。いずれにせよ、点描作品を集めた埼玉近美の部屋は圧巻。椅子が置かれているのでそこに座ってゆっくり眺めることをオススメしたい。
●瑛九はフォトデッサンと版画、晩年の点描しか知らなかったけど、なかなか強烈な抽象画を描かれてました。あと瑛九を知るきっかけとなった作品も展示されててよかった(*´ω`*)やっぱりあれが最高傑作だと思う。
●瑛九、多岐に渡る活動のうちに秘められた一貫性が伝わる展観。コンプレッサー(!)を使って光を絵具に置き換えたような57年の作品から、点描に至る最期の三年間の展開はやはり圧巻。それにしても、晩年の作品の宙空に現れている黒い塊はなにを示しているのだろう…
●瑛九展を2つの会場で観る。晩年の点描を今までキチンと観たことなかったので、特にインパクトあった。粗く勢いのある筆圧で描かれた動きが見える点描ものが、特に良かった。手法はとても色々と試され実験されていて、それが最終的に集約されていく。心がザワザワした。満足でしたー。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ゾーンシステム研究会を主宰する中島秀雄先生から、研究会の発表展のご案内をいただきましたのでご紹介します。

ゾーンシステム研究会 第16回写真展 「光への探求」
会期:2011年11月8日(火)~11月20日(日)
11:00~18:30(最終日は17:00まで)
入場無料・月曜休館
会場:GALLERY COSMOS
〒153-0064 東京都目黒区下目黒3-1-22 谷本ビル3階
tel.03-3495-4218
※オープニングパーティ
11月12日(土)17:00~19:00
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
中島秀雄先生は、アンセル・アダムスの考案したゾーン・システムの研究者・実践者として日本を代表する写真家です。
ゾーン・システムとは、経験と勘に頼ることなく、客観的な指標をもって、より安定した銀塩プリントを作成するために考案されたものです。
被写体は、自然であったり、静物であったりしますが、中島先生は銀塩にこだわり、常に最良のプリントを作ることを目指しています。写真家の中には、「写真集が作品で、プリントは副産物である」という方もいますが、中島先生の場合は、あくまで「プリント」です。
銀塩写真の魅力について語った「中島秀雄のエッセイ」をお読みください。
中島秀雄
1947年神奈川県生まれ。1968年東京写真大学(現・東京工芸大学)卒業。写真家細江英公の助手を経て1977年独立しフリーとなる。1986年アメリカ・バーモント州 "ゾーンⅥワークショップ" に参加。1995年"ゾーンシステム研究会" を設立・代表。
代表作である、「リバー・ヌード」のシリーズをご紹介します。
銀塩写真により、肌、岩、水それぞれの質感、明暗の対比がきわめて明瞭に表現されています。

中島秀雄
"River Nude"
1997年(2006年プリント)
ゼラチンシルバープリント
25.0x24.7cm サインあり

中島秀雄
"River Nude"
1997年(2006年プリント)
ゼラチンシルバープリント
25.0x24.7cm サインあり
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
亭主の生きているうちにこれだけの大回顧展を再び見ることができるかしら。
美術館での展覧会は終わりましたが、各地で瑛九を支えた人たちによる独自の顕彰展が開催されますので、このブログでもいくつかご紹介しましょう。
また、ときの忘れものでも第22回瑛九展を来年1月に開催します。
twitterでたくさんの人たちが感想をつぶやいていました。若い人たちの中に瑛九が生き続けることを確信できる内容でした。
いくつか転載させていただきましょう。
●瑛九さん初めてまとめてみたけどとてーも良かった。色彩感覚が昔の作品とは思えないくらい光ってた。瑛九さん初めてまとめてみたけどとてーも良かった。色彩感覚が昔の作品とは思えないくらい光ってた。
●埼玉近美:一方あえて言えばこちらは「作家の生涯を理解する」というよりも「作家の生きざまを感じる」というような雰囲気に満ちているように思われた。展示室に入ると、これでもかと作家自身の言葉が文字シールやパネルで空間にちりばめられており、その間を漂うように絵が置かれている。それらの言葉は野心や思想に満ちていて、けっこう扇動的な空間に仕上がっていたように思う。さらに展示室を進むと、エスペラント語に傾倒していたり、多様な技巧でイメージと戯れていたりする実験者的な瑛九の姿が見られる。そして最後、出口直前最後のエリアがすごかった。
●フォト・デッサンの美しさにも目を見張りましたが、最後の点描の、数年で怒涛のように変化する作風、色彩の海、丸の織り成す世界、そして細かい点描の大作がずらりと並ぶ空間の圧倒的なこと。なにもかも昇華されていくような…
●どうも僕は絵画で技法を模索していった画家のうち、最終的に点描のような技法に帰着した人に惹きつけられるみたいだ。クレーも「嘆き悲しんで」などで点描のような絵画を作成したが、瑛九もそうだった。モナドと言っては単純化しすぎだけれど。細部と全体の関係に興味あるのかなぁ。
●不勉強にして瑛九は抽象画以外はよく知らなかったんですが、印画紙を使って様々な視覚効果を狙って作られたフォト・デッサンがまたこれ良かったです。シュール・リアリズムっていうのか、その、実研的具象がどんどん分解されて最後ほとんど宇宙的な点描抽象画にたどり着く過程が心地よかった。
●それにしても、点描作品を始めとした瑛九晩年の作品の充実ぶりは素晴らしい。今までちょっと瑛九を舐めてたのかなと思うくらい。作品の中で完結するというより観者を巻き込むような絵画であった。そういった意味では作品が巨大化していくのは必然だったのではないか。そう考えると、瑛九の巨大な点描作品「つばさ」(200号の大きさの縦長作品)は、もう少し低い位置に展示しても良かったんじゃないかなとちらっと思った。いずれにせよ、点描作品を集めた埼玉近美の部屋は圧巻。椅子が置かれているのでそこに座ってゆっくり眺めることをオススメしたい。
●瑛九はフォトデッサンと版画、晩年の点描しか知らなかったけど、なかなか強烈な抽象画を描かれてました。あと瑛九を知るきっかけとなった作品も展示されててよかった(*´ω`*)やっぱりあれが最高傑作だと思う。
●瑛九、多岐に渡る活動のうちに秘められた一貫性が伝わる展観。コンプレッサー(!)を使って光を絵具に置き換えたような57年の作品から、点描に至る最期の三年間の展開はやはり圧巻。それにしても、晩年の作品の宙空に現れている黒い塊はなにを示しているのだろう…
●瑛九展を2つの会場で観る。晩年の点描を今までキチンと観たことなかったので、特にインパクトあった。粗く勢いのある筆圧で描かれた動きが見える点描ものが、特に良かった。手法はとても色々と試され実験されていて、それが最終的に集約されていく。心がザワザワした。満足でしたー。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ゾーンシステム研究会を主宰する中島秀雄先生から、研究会の発表展のご案内をいただきましたのでご紹介します。

ゾーンシステム研究会 第16回写真展 「光への探求」
会期:2011年11月8日(火)~11月20日(日)
11:00~18:30(最終日は17:00まで)
入場無料・月曜休館
会場:GALLERY COSMOS
〒153-0064 東京都目黒区下目黒3-1-22 谷本ビル3階
tel.03-3495-4218
※オープニングパーティ
11月12日(土)17:00~19:00
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
中島秀雄先生は、アンセル・アダムスの考案したゾーン・システムの研究者・実践者として日本を代表する写真家です。
ゾーン・システムとは、経験と勘に頼ることなく、客観的な指標をもって、より安定した銀塩プリントを作成するために考案されたものです。
被写体は、自然であったり、静物であったりしますが、中島先生は銀塩にこだわり、常に最良のプリントを作ることを目指しています。写真家の中には、「写真集が作品で、プリントは副産物である」という方もいますが、中島先生の場合は、あくまで「プリント」です。
銀塩写真の魅力について語った「中島秀雄のエッセイ」をお読みください。
中島秀雄
1947年神奈川県生まれ。1968年東京写真大学(現・東京工芸大学)卒業。写真家細江英公の助手を経て1977年独立しフリーとなる。1986年アメリカ・バーモント州 "ゾーンⅥワークショップ" に参加。1995年"ゾーンシステム研究会" を設立・代表。
代表作である、「リバー・ヌード」のシリーズをご紹介します。
銀塩写真により、肌、岩、水それぞれの質感、明暗の対比がきわめて明瞭に表現されています。

中島秀雄
"River Nude"
1997年(2006年プリント)
ゼラチンシルバープリント
25.0x24.7cm サインあり

中島秀雄
"River Nude"
1997年(2006年プリント)
ゼラチンシルバープリント
25.0x24.7cm サインあり
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
コメント