2012年最初の企画「第22回 瑛九展」は本日が最終日です。
瑛九 Q Ei
「作品」
1958年
油彩・ボード
22.0x27.0cm
サインあり
瑛九 Q Ei
「作品」
1956年
油彩・ボード
22.7x15.8cm
サインあり
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
22回目となった本展では、油彩、水彩、コラージュ、フォトデッサン、フォトデッサン型紙、リトグラフ、銅版画など27点で構成し、瑛九が48歳の短い生涯で取り組んださまざまな技法による表現を俯瞰し、さらに生前の個展案内状などの資料もあわせて展示しています。
19時まで開廊していますので、ぜひお見逃しなく。
ご近所で、毎回必ず訪ねてくださるＨさんがご自分のブログで瑛九展の感想を書いてくださいました。瑛九を知らない世代の皆さんが、作品を通じて瑛九を感じて欲しい、亭主はその一念で連日下手な説法を繰り広げております。
たまたまなのでしょうが、会期中に何人かの方から、「美術館への作品寄贈」の相談を受けました。某コレクター氏からは瑛九の版画を某美術館へ寄贈するのだが評価額についてどうしたらよいかとか、また逆に某学芸員からは寄贈を受けた磯崎新の版画の詳しいデータと評価額についての問合せがありました。
またご年配のコレクターは今まで集めた作品は「死ぬまでにぜ～んぶ寄贈するわ」とおっしゃっておりました。
え～ここからは半分冗談ですが、画商としては誠に辛い。せっかくのコレクション、寄贈するのもいいけれど、もう一度市場に戻し、次の世代のコレクターにお渡し願いたい。
そうしないと、われわれ画商は生きてゆけません（笑）。
ところで昨年の秋、突然大きくて重い（片手では持ち上がらない）本（二巻本）が送られてきました。
『奈良美智 全作品集 1984-2010』
今までカタログレゾネの必要性が叫ばれていながらなかなか本格的なものが（特に現代美術では）出版されませんでしたが、奈良美智という現代のスーパースターだからこそ可能な（経済的に成り立つ）レゾネの出現であり、喜ばしい快挙ですね。
なぜ、こんな高価な本の恵贈を受けたかというと、ときの忘れものが2010年9月11日（土）～9月18日（土）に開催した「奈良美智24歳×瑛九24歳 画家の出発展」のおかげです。
このとき展示した奈良作品(油彩）は僅か３点。
しかし重要な初期作品でありました。
それが証拠に、この『奈良美智 全作品集 1984-2010』第1巻49ページには、PaintingsとしてP-1984-001および、004として、ときの忘れもので展示した作品が掲載されています。
つまりレゾネ番号1番と4番というわけです（エヘン、少し誇らしい）。
--------------------
1959年生まれの奈良美智が名古屋のSpace to Spaceとラブコレクションギャラリーで初めての個展を開き、故郷弘前で初の展覧会（ギャラリー・デネガで二人展）を開いたのは1984年（昭和59）のときでした。
1911年生まれの杉田秀夫が、印画紙による新たな表現を模索し100点にのぼるフォトデッサン（フォトグラム）を携えて宮崎から上京し、初めて瑛九と名乗り、銀座の紀伊国屋画廊でフォトデッサンによる個展を開いたのは1936年（昭和11）、やはり24歳のときでした。
今回の企画は、半世紀を隔てて、二人が自ら画家として出発したときに制作した作品を展示し、その後の活躍を予感する才能のきらめきをさぐろうとするものです。（2010年ときの忘れもののプレスリリースより）
ーーーーーーーーーーーーーーーー
しばらくしたら、版元の美術出版社から、書簡が送られてきました。
新聞などでご存知の方はいるでしょう。
『奈良美智 全作品集 1984-2010』掲載作品に関するお詫びと訂正
この度、『奈良美智 全作品集 1984-2010』において、作者である奈良美智氏より掲載作品内容についての発言がございましたが、弊社が作者、および関係者に確認したところ、事実であることが認められました。
本書は、奈良美智氏と主要ギャラリー、所蔵者および関係者よりご提供いただいた情報を基に構成しております。
編集段階で奈良美智氏本人、主要ギャラリーならびに編集部にて、情報を確認・精査いたしましたが、その過程で発見することができず、一部に奈良美智氏によるものではない作品が掲載されてしまっておりました。作品は以下の2点です。
第2巻、163頁掲載のドローイング作品 D-2000-203
同 D-2000-204
以上2点は、奈良美智氏による作品ではございません。
なお、訂正内容は下記ホームページでも掲載しております。
美術出版社 http://www.bijutsu.co.jp/bss/
読者の皆様、関係者の皆様にはご迷惑をおかけして、大変申し訳ありませんでした。
深くお詫び申し上げます。
2011年12月
株式会社美術出版社
奈良美智カタログレゾネ刊行委員会
ーーーーーーーーーーーーーーー
レゾネに贋作が２点掲載されてしまったというわけです。
せっかくの快挙なのに、残念なことですが、それを直ぐに認め、告知したのは良いことですね。
『奈良美智24歳×瑛九24歳 画家の出発』展カタログ
2010年9月11日
ときの忘れもの 発行
B5判 15ページ
執筆：三上豊
出品作品図版：15点
参考図版：27点
価格：1,000円
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瑛九 Q Ei
「作品」
1958年
油彩・ボード
22.0x27.0cm
サインあり
瑛九 Q Ei
「作品」
1956年
油彩・ボード
22.7x15.8cm
サインあり
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22回目となった本展では、油彩、水彩、コラージュ、フォトデッサン、フォトデッサン型紙、リトグラフ、銅版画など27点で構成し、瑛九が48歳の短い生涯で取り組んださまざまな技法による表現を俯瞰し、さらに生前の個展案内状などの資料もあわせて展示しています。
19時まで開廊していますので、ぜひお見逃しなく。
ご近所で、毎回必ず訪ねてくださるＨさんがご自分のブログで瑛九展の感想を書いてくださいました。瑛九を知らない世代の皆さんが、作品を通じて瑛九を感じて欲しい、亭主はその一念で連日下手な説法を繰り広げております。
たまたまなのでしょうが、会期中に何人かの方から、「美術館への作品寄贈」の相談を受けました。某コレクター氏からは瑛九の版画を某美術館へ寄贈するのだが評価額についてどうしたらよいかとか、また逆に某学芸員からは寄贈を受けた磯崎新の版画の詳しいデータと評価額についての問合せがありました。
またご年配のコレクターは今まで集めた作品は「死ぬまでにぜ～んぶ寄贈するわ」とおっしゃっておりました。
え～ここからは半分冗談ですが、画商としては誠に辛い。せっかくのコレクション、寄贈するのもいいけれど、もう一度市場に戻し、次の世代のコレクターにお渡し願いたい。
そうしないと、われわれ画商は生きてゆけません（笑）。
ところで昨年の秋、突然大きくて重い（片手では持ち上がらない）本（二巻本）が送られてきました。
『奈良美智 全作品集 1984-2010』
今までカタログレゾネの必要性が叫ばれていながらなかなか本格的なものが（特に現代美術では）出版されませんでしたが、奈良美智という現代のスーパースターだからこそ可能な（経済的に成り立つ）レゾネの出現であり、喜ばしい快挙ですね。なぜ、こんな高価な本の恵贈を受けたかというと、ときの忘れものが2010年9月11日（土）～9月18日（土）に開催した「奈良美智24歳×瑛九24歳 画家の出発展」のおかげです。
このとき展示した奈良作品(油彩）は僅か３点。
しかし重要な初期作品でありました。
それが証拠に、この『奈良美智 全作品集 1984-2010』第1巻49ページには、PaintingsとしてP-1984-001および、004として、ときの忘れもので展示した作品が掲載されています。
つまりレゾネ番号1番と4番というわけです（エヘン、少し誇らしい）。
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1959年生まれの奈良美智が名古屋のSpace to Spaceとラブコレクションギャラリーで初めての個展を開き、故郷弘前で初の展覧会（ギャラリー・デネガで二人展）を開いたのは1984年（昭和59）のときでした。
1911年生まれの杉田秀夫が、印画紙による新たな表現を模索し100点にのぼるフォトデッサン（フォトグラム）を携えて宮崎から上京し、初めて瑛九と名乗り、銀座の紀伊国屋画廊でフォトデッサンによる個展を開いたのは1936年（昭和11）、やはり24歳のときでした。
今回の企画は、半世紀を隔てて、二人が自ら画家として出発したときに制作した作品を展示し、その後の活躍を予感する才能のきらめきをさぐろうとするものです。（2010年ときの忘れもののプレスリリースより）
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しばらくしたら、版元の美術出版社から、書簡が送られてきました。
新聞などでご存知の方はいるでしょう。
『奈良美智 全作品集 1984-2010』掲載作品に関するお詫びと訂正
この度、『奈良美智 全作品集 1984-2010』において、作者である奈良美智氏より掲載作品内容についての発言がございましたが、弊社が作者、および関係者に確認したところ、事実であることが認められました。
本書は、奈良美智氏と主要ギャラリー、所蔵者および関係者よりご提供いただいた情報を基に構成しております。
編集段階で奈良美智氏本人、主要ギャラリーならびに編集部にて、情報を確認・精査いたしましたが、その過程で発見することができず、一部に奈良美智氏によるものではない作品が掲載されてしまっておりました。作品は以下の2点です。
第2巻、163頁掲載のドローイング作品 D-2000-203
同 D-2000-204
以上2点は、奈良美智氏による作品ではございません。
なお、訂正内容は下記ホームページでも掲載しております。
美術出版社 http://www.bijutsu.co.jp/bss/
読者の皆様、関係者の皆様にはご迷惑をおかけして、大変申し訳ありませんでした。
深くお詫び申し上げます。
2011年12月
株式会社美術出版社
奈良美智カタログレゾネ刊行委員会
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レゾネに贋作が２点掲載されてしまったというわけです。
せっかくの快挙なのに、残念なことですが、それを直ぐに認め、告知したのは良いことですね。
『奈良美智24歳×瑛九24歳 画家の出発』展カタログ
2010年9月11日
ときの忘れもの 発行
B5判 15ページ
執筆：三上豊
出品作品図版：15点
参考図版：27点
価格：1,000円
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