各地の画廊の若手ディレクター(40歳以下)によるアートフェアULTRA005が始まりました。
スパイラルの1F会場は入場無料です。
先日個展をした野口琢郎さんも最新作「Landscape #24」を抱えて昨日上京されました。
ディレクターの尾立麗子とともに野口さんも会場で皆さんをお待ちしています、ぜひお出かけください。

野口琢郎
"Landscape #24"
2012年 箔画
40.9x31.8cm
サインあり
画廊は本日が大竹昭子展の最終日です。
24日に開催した福岡伸一さんと大竹さんのギャラリートークは満席で、お二人の絶妙なトークに笑い声がたえず、またニューヨーク、写真、フェルメール、動的平衡など興味深い話題が次々と展開され、終わったのは9時ころでした。
亭主としてまことに残念なのは(うれしいことでもありますが)初めてのお客様が多く、いつも来てくださる常連さんが満席のために参加できなかったことです。
いつものギャラリートークは開催数日前まで人が集まらず、どうなることやらとハラハラしているうちにぎりぎりになって常連さんがぱっぱっときて満席に、というパターンでした。
どうも皆さん、今回も楽観していたらしい。
あにはからんや、今をときめく福岡伸一さん、すぐに満席になってしまい、「立ち見でいいから」となきついてくる方も。

丁寧に一冊一冊にサインと買ってくださる方のお名前を書く福岡伸一さん。
左はトークの予行演習中の大竹昭子さん



透き通るような声の大竹さん、物静かに語りだす福岡伸一さん、やわらかな雰囲気の中でお二人のトークが始まりました。

時間がずれてはいますがお二人が若いころ住んだニューヨークの地図を福岡さんが持参して30年前、20年前のNYを語り合います。


●【大竹昭子×福岡伸一・対談メモ】NYの風/気配を消す写真/透明な私/フェルメールという画家の不在/僕・村上春樹、俺・筒井康隆/写真は、反応と選択の繰り返し/オタクのコンプリート欲/NYのバイブレーション/全てを虫から学んだ/近代の自己実現と自己同一性、などなど…
(光嶋裕介さんのツイッターより)
お二人のトークが一段落した直後、突然(と亭主には思われた)福岡さんが自著の朗読を始めました。

「摩天楼が林立するマンハッタンは、ニューヨーク市のひとつの区(ボロー)であり、それ自体ひとつの島でもある。西をハドソンリバーが、東をイーストリバーが流れる。
(中略)
クイーンズボローブリッジを通り過ぎた直後、川沿いに目をやるとそこには赤いレンガの外壁の古びた低層建造物の一群がある。サークルライン船の乗客のほとんどは注意を払うこともない。もちろん、それがどのような施設なのかを示す手がかりは何も建物に掲げられてはいない。
しかし、この建物の廊下を、かつてヒデヨ・ノグチは慌しく駆けていただろうし、オズワルド・エイブリーは影のように音を消して歩いていた。ルドルフ・シェーンハイマーもしばしばここを訪れていたはずだ。そして、そのような偉人たちとは較べるべくもないが、私もまたある一時期、この場所に属していたのである。」 福岡伸一『生物と無生物のあいだ』(講談社現代新書)より
続いて大竹さんも新刊写真集におさめられたニューヨーク時代の一節を朗読する。
会場には静寂な、それでいて暖かな雰囲気が満ち、今日この時間に集まった20数人だけが享受できた至福の時間を味わったのでした。
福岡さんの朗読なんて、おそらく初めてではないでしょうか。

●昨晩はギャラリートークに参加させていただき、ありがとうございました。
大竹先生と福岡先生のお話は、ニューヨークという街からひろがって、
人間とは何か?まで届いていったのにはびっくりしました。
もっと深くその先を伺いたいという思いでしたが、
あの場にいられたラッキーを染み込ませながら家路につきました。
「生物と無生物のあいだ」や「世界は分けてもわからない」は読んでいたのですが、
昨日は「動的平衡」を求め、福岡先生にサインをいただけました。
とても礼儀正しくお育ちのよさそうな穏やかな方でした。
この本は、なぜ自分は今までこれを読まなかったのかと思うことが書かれています。
何をやっているのやらノ
そして大竹先生の写真。
バラ板の黒のしっとり具合は舐めたくなる、という先生の言葉が印象的でした。
私はパリに遊学した時、自分の身分保障がない異邦人を経験したことがあって、
同じではありませんが大竹先生の「透明人間」という感じが自分の中に久しぶりで甦りました。
いろいろな意味で昨日うかがえたことはとても有意義でした。
(参加されたAさんのメールより)

トーク終了後、福岡さん、大竹さんを囲んで記念写真。
●オリジナルプリント12点組よりなる大竹昭子ポートフォリオ『Gaze+Wonder NY1980』を刊行しました。
カタログをご請求ください。
オリジナルプリント12点組
限定8部(各作品にサインと限定番号入り)
テキスト:堀江敏幸、大竹昭子
価格:231,000円(税込)
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
大竹昭子ポートフォリオに収録されたオリジナル・プリント12点
「夜の会話」
「屋上犬」
「猫を見る男」
「ナッツ・ショップ」
「セントマークス通り」
「消防士」
「A街171番地」
「SOHO犬」
「掃除機を担ぐ女」
「雪の日のジョガー」
「廃墟」
「キッチン」
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
◆「大竹昭子写真展―Gaze+Wonder/NY1980」は本日が最終日です。

エッセイ、対談、小説、書評、そして写真と様々な場で活躍する大竹昭子が30年前のニューヨークで撮影したモノクロ写真27点をご覧いただきます。
◆ときの忘れものは尾立麗子のディレクションでULTRA005に出展します。
会期:Oct. side 2012年10月27日[水]―10月30日[土]
時間:11:00-20:00
会場:スパイラルガーデン(スパイラル1F)
〒107-0062東京都港区南青山5-6-23
入場無料
公式サイト:http://systemultra.com/w/
ときの忘れものブース:No.5
出展作家:野口琢郎、ハ・ミョンウン、君島彩子
スパイラルの1F会場は入場無料です。
先日個展をした野口琢郎さんも最新作「Landscape #24」を抱えて昨日上京されました。
ディレクターの尾立麗子とともに野口さんも会場で皆さんをお待ちしています、ぜひお出かけください。

野口琢郎
"Landscape #24"
2012年 箔画
40.9x31.8cm
サインあり
画廊は本日が大竹昭子展の最終日です。
24日に開催した福岡伸一さんと大竹さんのギャラリートークは満席で、お二人の絶妙なトークに笑い声がたえず、またニューヨーク、写真、フェルメール、動的平衡など興味深い話題が次々と展開され、終わったのは9時ころでした。
亭主としてまことに残念なのは(うれしいことでもありますが)初めてのお客様が多く、いつも来てくださる常連さんが満席のために参加できなかったことです。
いつものギャラリートークは開催数日前まで人が集まらず、どうなることやらとハラハラしているうちにぎりぎりになって常連さんがぱっぱっときて満席に、というパターンでした。
どうも皆さん、今回も楽観していたらしい。
あにはからんや、今をときめく福岡伸一さん、すぐに満席になってしまい、「立ち見でいいから」となきついてくる方も。

丁寧に一冊一冊にサインと買ってくださる方のお名前を書く福岡伸一さん。
左はトークの予行演習中の大竹昭子さん



透き通るような声の大竹さん、物静かに語りだす福岡伸一さん、やわらかな雰囲気の中でお二人のトークが始まりました。

時間がずれてはいますがお二人が若いころ住んだニューヨークの地図を福岡さんが持参して30年前、20年前のNYを語り合います。


●【大竹昭子×福岡伸一・対談メモ】NYの風/気配を消す写真/透明な私/フェルメールという画家の不在/僕・村上春樹、俺・筒井康隆/写真は、反応と選択の繰り返し/オタクのコンプリート欲/NYのバイブレーション/全てを虫から学んだ/近代の自己実現と自己同一性、などなど…
(光嶋裕介さんのツイッターより)
お二人のトークが一段落した直後、突然(と亭主には思われた)福岡さんが自著の朗読を始めました。

「摩天楼が林立するマンハッタンは、ニューヨーク市のひとつの区(ボロー)であり、それ自体ひとつの島でもある。西をハドソンリバーが、東をイーストリバーが流れる。
(中略)
クイーンズボローブリッジを通り過ぎた直後、川沿いに目をやるとそこには赤いレンガの外壁の古びた低層建造物の一群がある。サークルライン船の乗客のほとんどは注意を払うこともない。もちろん、それがどのような施設なのかを示す手がかりは何も建物に掲げられてはいない。
しかし、この建物の廊下を、かつてヒデヨ・ノグチは慌しく駆けていただろうし、オズワルド・エイブリーは影のように音を消して歩いていた。ルドルフ・シェーンハイマーもしばしばここを訪れていたはずだ。そして、そのような偉人たちとは較べるべくもないが、私もまたある一時期、この場所に属していたのである。」 福岡伸一『生物と無生物のあいだ』(講談社現代新書)より
続いて大竹さんも新刊写真集におさめられたニューヨーク時代の一節を朗読する。
会場には静寂な、それでいて暖かな雰囲気が満ち、今日この時間に集まった20数人だけが享受できた至福の時間を味わったのでした。
福岡さんの朗読なんて、おそらく初めてではないでしょうか。

●昨晩はギャラリートークに参加させていただき、ありがとうございました。
大竹先生と福岡先生のお話は、ニューヨークという街からひろがって、
人間とは何か?まで届いていったのにはびっくりしました。
もっと深くその先を伺いたいという思いでしたが、
あの場にいられたラッキーを染み込ませながら家路につきました。
「生物と無生物のあいだ」や「世界は分けてもわからない」は読んでいたのですが、
昨日は「動的平衡」を求め、福岡先生にサインをいただけました。
とても礼儀正しくお育ちのよさそうな穏やかな方でした。
この本は、なぜ自分は今までこれを読まなかったのかと思うことが書かれています。
何をやっているのやらノ
そして大竹先生の写真。
バラ板の黒のしっとり具合は舐めたくなる、という先生の言葉が印象的でした。
私はパリに遊学した時、自分の身分保障がない異邦人を経験したことがあって、
同じではありませんが大竹先生の「透明人間」という感じが自分の中に久しぶりで甦りました。
いろいろな意味で昨日うかがえたことはとても有意義でした。
(参加されたAさんのメールより)

トーク終了後、福岡さん、大竹さんを囲んで記念写真。
●オリジナルプリント12点組よりなる大竹昭子ポートフォリオ『Gaze+Wonder NY1980』を刊行しました。
カタログをご請求ください。
オリジナルプリント12点組
限定8部(各作品にサインと限定番号入り)
テキスト:堀江敏幸、大竹昭子
価格:231,000円(税込)
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大竹昭子ポートフォリオに収録されたオリジナル・プリント12点
「夜の会話」
「屋上犬」
「猫を見る男」
「ナッツ・ショップ」
「セントマークス通り」
「消防士」
「A街171番地」
「SOHO犬」
「掃除機を担ぐ女」
「雪の日のジョガー」
「廃墟」
「キッチン」こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
◆「大竹昭子写真展―Gaze+Wonder/NY1980」は本日が最終日です。

エッセイ、対談、小説、書評、そして写真と様々な場で活躍する大竹昭子が30年前のニューヨークで撮影したモノクロ写真27点をご覧いただきます。
◆ときの忘れものは尾立麗子のディレクションでULTRA005に出展します。
会期:Oct. side 2012年10月27日[水]―10月30日[土]時間:11:00-20:00
会場:スパイラルガーデン(スパイラル1F)
〒107-0062東京都港区南青山5-6-23
入場無料
公式サイト:http://systemultra.com/w/
ときの忘れものブース:No.5
出展作家:野口琢郎、ハ・ミョンウン、君島彩子
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