NYのグッゲンハイム美術館で2月15日から「具体展」が開催されます。

その時期に合わせて、ときの忘れものでも、石山修武企画・監修による「具体 Gコレクションより」展を開催します(3月15日―3月30日)。

ニューヨーク近代美術館(MoMA)とともに現代美術の発展普及に大きな役割を果たしてきたグッゲンハイム美術館 (Guggenheim Museum) は、フランク・ロイド・ライト設計で「かたつむりの殻」とよく形容される螺旋状の構造をもっています。

ソロモン・R・グッゲンハイム美術館 (トリップアドバイザー提供)


ソロモン・R・グッゲンハイム美術館 (トリップアドバイザー提供)
中央部は巨大な吹き抜け。
来館者はエレベーターで最上部に上がり、螺旋状の通路の壁面に掛けられた作品を見ながらぐるぐるまわりながら自然に階下へ降りるようになっています。
美術館施設の概念を根本から覆した作品として、ライトの代表作に数えられている一方で、建築自体の自己主張が大きすぎ、床が傾斜しているため鑑賞者が落ち着かず、美術品の鑑賞をさまたげるという批判もあるようです。

膨大なコレクションと資金力を持つソロモン・R・グッゲンハイム財団が運営する美術館はこのニューヨークだけではなく、世界各地に次々と建てられています。
ビルバオ・グッゲンハイム美術館(ビルバオ)
ペギー・グッゲンハイム・コレクション(ヴェネツィア)
ドイツ・グッゲンハイム・ベルリン(ベルリン)の他に、アブ・ダビ、グアダラハラ、エルミタージュなどが竣工予定で、台中市、リオデジャネイロ、ウィーン、ザルツブルク、ブカレストなどにも建設の話があるらしい、多すぎてよくわからん。

まあとにかく世界有数の美術館であることは間違いありません。
そこで開催される「具体展」、市場的にも大きな影響を与えるでしょうね。
同館のHPから概要をご案内します。
美術用語に詳しくない新澤悠の訳ですので誤訳もあるかもしれません、どうぞお許しを。
具体
Gutai: Splendid Playground
会期=2013年2月15日-5月8日

2013年2月、グッゲンハイムはアメリカ初の具体回顧展を開催します。50年代から60年代にかけて、アバンギャルドの世界において重要な位置づけにあったムーブメントであり、戦後日本より多くの有力作家と芸術運動を生み出した具体。今展示会ではその大胆かつ多彩な創造性を示し、戦後日本と西欧の文化、社会、政治分野における影響と発展を検証し、現代美術という枠内での一国に収まらないその歴史と重要性を確立することを目的としています。

具体のマテリアル、プロセス、そしてパフォーマティビティへのユニークなアプローチを探るため、展示はテーマと年代ごとに構成されています。Gutai: Splendid Playgroundは具体の多岐のメディア、スタイルに渡る革新的な実験法を調査し、個人のアーティストがどのようにしてポスト原子力時代に美術の境界と意味を広げてきたのかを説明します。
本展では絵画(ジェスチュラル・ペインティング(身振りによる抽象絵画)とポスト構成主義による抽象絵画)、コンセプチュアルアート、実験的パフォーマンスと映像、屋外及び屋内インステレーション、音、メールアート、インタラクティブ、或いは「遊べる」アート、光のアートやキネティック・アートを展示します。
今回の展示では25作家による120点の作品を世界各国の美術館や個人より借り受けており、その内容は具体を代表するものからあまり知られていないものまで、新たな評価に基づいた豊かな作品をご覧いただけます。
中でも注目すべきは「後期具体」と呼ばれる1965年から1972年の間に発表された作品群です。
Gutai: Splendid Playgroundはカールトン大学美術史準教授・Ming Tiampoと、グッゲンハイム美術館アジアアート部門サムスンシニアキュレーター・Alexandra Munroeにより企画されています。

February 15–May 8, 2013
In February 2013, the Guggenheim Museum will open the first U.S. museum retrospective exhibition ever devoted to Gutai, the most influential artists collective and artistic movement in postwar Japan and among the most important international avant-garde movements of the 1950s and ‘60s. The exhibition aims to demonstrate Gutai’s extraordinary range of bold and innovative creativity; to examine its aesthetic strategies in the cultural, social and political context of postwar Japan and the West; and to further establish Gutai in an expanded, transnational history and critical discourse of modern art.

Organized thematically and chronologically to explore Gutai’s unique approach to materials, process and performativity, Gutai: Splendid Playground explores the group’s radical experimentation across a range of media and styles, and demonstrates how individual artists pushed the limits of what art could be or mean in a post-atomic age. The range includes painting (gestural abstraction and post-constructivist abstraction), conceptual art, experimental performance and film, indoor and outdoor installation art, sound art, mail art, interactive or “playful” art, light art and kinetic art. The Guggenheim show comprises some 120 objects by 25 artists on loan from major museum and private collections in Japan, the U.S. and Europe, and features both iconic Gutai and lesser-known works to present a rich survey reflecting new scholarship, especially on so-called “late Gutai” works dating from 1965-1972. Gutai: Splendid Playground is organized by Ming Tiampo, Associate Professor of Art History, Carleton University, and Alexandra Munroe, Samsung Senior Curator of Asian Art, Guggenheim Museum.

◆ときの忘れものでも、2013年3月15日[金]―3月30日[土]「具体 Gコレクションより」展を開催します(※会期中無休)。
企画・監修=石山修武
出品作家:白髪一雄、吉原治良、松谷武判、上前智祐、堀尾貞治、高崎元尚、鷲見康夫 他
731_600吉原治良
《円》
1971年
シルクスクリーン
22.1×27.4cm
サインあり

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